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【いま、撮りにゆきます】 第3回:明るさを決める「測光」モードってなんだ?!

撮影したら「真っ黒」だったなんてことはないでしょうか?

▲太陽をバックに撮影するとこんな感じに写ってしまいます。

太陽や強い照明をバックに撮影すると、被写体が真っ黒に写ってしまうことがあります。この様に被写体の背後に強い光がある状態を「逆光」と言い、被写体の正面から光が当たる状態を「順光」と言います。

逆光は、前回記事で「露出」について説明した白い背景と同じシチュエーションですので、露出補正機能を使ってプラス(明るく)補正して撮影することで対処できます。

今回は、この逆光時などに使えるもう一つの対処方法を紹介したいと思います。

前回明るさを決めるのは色の反射率と説明しましたが、この反射率をカメラが評価・判断する仕組みを「測光」と言います。測光モードには大きく分けて3つ、画面全体の明るさから露出を決める「多分割測光/マルチパターン測光」、画面の中央部を測光する「中央部重点測光」、中央のほんの小さい範囲で測光する「スポット測光」があります。

▲撮影設定の中に「測光」の設定がある。

▲測光モード。


最近のスマートフォンではこの測光モードを選べるようになっています。今回は「GALAXY SII(SC-02C)」のカメラ機能を使い、作例をもとに測光モードの違いを解説していきたいと思います。

逆光のシチュエーションを、ライトを太陽に見立てて使って作ってみました。

▲多分割測光。

多分割測光の場合はライトの明るさに反応してしまい、まさに逆光という真っ暗な画面になってしまいました。多分割測光は、順光の場合は理想通りの露出となりますが、逆光の場合は予想外の結果となってしまう傾向にあります。


▲中央部重点測光。

中央部重点測光の場合は、ライトの明るさに左右されずに被写体の左上の赤い部分を中心に測光されており、理想的な結果となりました。


▲スポット測光。

スポット測光も同じく、ライトの明るさに左右されずに明るめに写りました。細かく見ていくと、被写体の赤い部分のみを測光しているため中央部重点測光よりも若干明るく写っています。



次に被写体の黒い部分を中央に移動させて、低い反射率で測光させてみました。

▲多分割測光。

多分割測光は、被写体の反射率に関係なく全体の明るさから判断するためやはり真っ暗になりました。


▲中央部重点測光。

中央部重点測光の場合は、黒い部分を含む中央部分を評価しているため実用的な明るさとなりました。


▲スポット測光。

スポット測光は、黒い部分のみを評価しているため予想以上に明るく写りました。



このように測光モードを変えることで、理想に近い露出にすることができます。
測光モードをまとめると、

・多分割測光・・・被写体の位置や構図に関係なく一定の露出を得ることができオールマイティーであるが、画面全体を評価するため逆光や背景の色に強く影響を受ける。
・中央部重点測光・・・可もなく不可もなく平均的な露出を得ることができる。被写体の位置によっては全く予期しない露出になることもある。
・スポット測光・・・狭い範囲をピンポイントに測光できるので、人物の肌などで測光を行うと背景の明るさ/色に影響されることなく一定の露出を得ることができる。

どのモードを使うのが正解というのはありませんが、スマートフォンの場合は中央部重点測光でも特に問題ないように思います。測光モードの癖がわかれば、露出補正機能と合わせて使うことで理想的な露出にすることができますので、測光モードの違いを是非試してみて下さい。




記事執筆者プロフィール
mi2_303
フリーライター・カメラマン
Twitter:@mi2_303

ゲームミュージックコンポーザー、ゲームデザイナー、Webデザイナーを経て、現在はフリーでスマートフォン・デジタルカメラ関連の記事を執筆しています。
愛用している端末はiPad(全種類)、GALAXY S II SC-02C、GALAXY Note SC-05D、Arrows Tab F-01Dなど。

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