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<▲画像:「TicWatch Atlas」> |
最初に感想を言っておくと、とても良い。昨年レビューした「TicWatch Pro 5 Enduro」(レビュー記事はこちら)がお世辞抜きで素晴らしい仕上がりのハードウェアだったように、TicWatch Atlasも甲乙つけがたい程に同じ感想を持った。
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<▲画像:左が「TicWatch Atlas」、右が「TicWatch Pro 5 Enduro」。冒頭の写真とウォッチフェイスが異なるが、ウォッチフェイスはAtlasとEnduroで同じものにすることもできるし、いつでも変えられる> |
TicWatchシリーズのスマートウォッチとしてのプラットフォームはGoogleの「Wear OS by Google」。「Google Play」から多種多様なアプリをインストールして機能を拡張できる。スマートフォンとのフル連携可能なスマートウォッチなので、スマホの通知やメッセージを見たり電話も可能だ。
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<▲画像:「Wear OS」搭載スマートウォッチなのでスマホとの連携はバッチリ。多種多様な用途に使用可能> |
そして、ウォーキング、ランニング、サイクリングなどのエクササイズを自動検出して記録してくれる機能も便利だ。今回、一部のスポーツではエリア別の滞在時間を可視化できる「ヒートマップ」分析も可能となるなど、運動記録・管理機能の面でも強化が図られた。
また、TicWatch Atlasに新搭載された転倒検出&緊急SOS機能にも注目だろう。モーションセンサーとAIを活用し、TicWatch Atlasがユーザーの転倒を瞬時に検出し、緊急SOSを発信したりできる。
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<▲画像:転倒検出機能、緊急SOS機能を利用できる> |
ハードウェアとしては、文句無しに美しくカッコいい。TicWatch Pro 5 Enduroと同じくサファイアクリスタルガラスの採用が大きな違いを生み出している。極めて透明度が高く、美しいガラスで、ディスプレイの表示も見やすい。他には、Atlasではバッテリーライフも若干改善されている。
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<▲画像:「TicWatch Atlas」の上層ディスプレイが表示された状態(ライト点灯中)> |
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<▲画像:「TicWatch Atlas」の下層ディスプレイが表示された状態。この上にもう一枚のディスプレイが乗っているとは全く思えないほどクリア> |
TicWatch Atlasは、TicWatch Pro 5 Enduroと並び、TicWatchシリーズの最高峰モデルであり、最もオススメの製品の一つだ。
以下、詳しく見ていきたい。なお、下はAmazonなどでの製品リンク。
- Amazon/Mobvoi TicWatchストアページ
- Amazon/TicWatch Atlas製品ページ
TicWatch Yahoo!店/TicWatch Atlas製品ページ
TicWatch Yahoo!店
- TicWatch 楽天市場店
※本記事ではメーカーからの提供品でレビューを行っています。
TicWatch Atlasの実機レビュー
TicWatch Atlasの概要
TicWatch Atlasをご存知ない方のために、最初に概要を軽く紹介しておきたい。とはいえ、ここまでで説明した内容と若干重複するし、すでにご存知の方は、パッケージ及び付属品の項に移動してもらっても大丈夫だ。TicWatch Atlasのプラットフォームは、前述したように「Wear OS by Google」。連携できるスマートフォンは、Android 8.0以降を搭載する製品。iOSには非対応なので注意して欲しい。セットアップにもスマホが必須だ。
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<▲画像:「TicWatch Atlas」は「Wear OS」を搭載するため、非常に多くのアプリを使えるのが大きな魅力> |
TicWatch Atlasに搭載されているチップセットは「Snapdragon W5+Gen1」で、メモリは2GB、ストレージは32GB。動作パフォーマンスは良好で、モタつくようなことはない。ストレージ容量も大きく、Google Playから複数のアプリをインストールすることも問題ない。
ディスプレイサイズは約1.43インチで、解像度は466 x 466(326ppi)。メインとなる有機ELディスプレイの上に超低消費電力のFSTN液晶が重ねられている。有機EL側が表示されているときにはFSTN液晶は非表示で透明になり、FSTN液晶側が表示されているときには有機ELが非表示になる。切り替え処理は瞬時に行われる。
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<▲画像:2層ディスプレイの構成イメージ> |
カバーガラスの素材はサファイアクリスタルガラス。TicWatch Pro 5 Enduroのレビュー記事でも書いたが、サファイアクリスタルガラス採用モデルの最大の魅力は個人的にはこのガラスに尽きると思う。言葉で称えるのが難しいほど美しく、透明度が高い。当然ディスプレイ表示も見易い。
更にサファイアクリスタルガラスはタフだ。モース硬度9の硬さを誇る。
TicWatch Atlasのボディ全体のタフネス性能としては米国国防総省の物資調達基準である「MIL-STD-810H」に準拠した耐熱性・耐衝撃性・耐水性・耐塵性・防湿性を備えている。防水は5気圧防水。
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<▲画像:タフな設計も魅力の一つ。また、110種類以上のワークアウトモードを搭載し、様々な運動記録ができる> |
搭載するセンサー類は、加速度計、ジャイロセンサー、HD PPG心拍センサー、SpO2センサー、皮膚温度センサー、低遅延オフボディセンサー、気圧計、コンパス、GPS。
気圧計、コンパス、GPS搭載なので、高度の変化も含めた位置情報を掴める。勿論、スマホを携帯せずにTicWatch Atlasのみでウォーキングやランニングなどの運動を行っても、位置情報と共に高低の変化も記録される。
また、センサー名から想像できると思うが、生体情報としては心拍数、血中酸素濃度、皮膚温度の測定もできるし、記事冒頭で触れたように転倒検出もできる。
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<▲画像:「TicWatch Atlas」にはGPSも搭載されている。他にも多種多様なセンサーを搭載> |
TicWatch Atlasは628mAhのバッテリーを搭載していることもあり、かなりのロングバッテリーライフを誇る。2層ディスプレイ採用効果で、Wear OSスマートウォッチとしてはバッテリーの持ちの長さが魅力の一つであるTicWatchシリーズだが、TicWatch Atlasはエッセンシャルモードで45日間、スマートモードで90時間持つ(※詳細は後述する)。
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<▲画像:2層ディスプレイを採用することでバッテリーの持ちが驚異的な長さになっている。通常、一般的なフル機能スマートウォッチではここまでの持ちは難しい> |
充電速度も速い。約30分間の充電でバッテリー残量65%まで回復できるので、出かける前の短時間でも問題ない。
本体サイズは約52.2 x 47.8 x 12.05mmで、重さは約47.2g。カラーは「ブラック」と「シルバー」の2種類。本記事で紹介しているのはブラックモデルだ。
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<▲画像:左が「ブラック」モデル、右が「シルバー」モデル。また「TicWatch Atlas」では「YAMAP」や「ヤマレコ」にも対応している> |
バンド(ベルト)は交換可能。市販品と交換したい場合には24mm幅のものを選ぼう。標準で付属しているのはフッ素ゴム(フルオロエラストマー)素材のバンド。
付属品は充電ケーブルと説明書類。
TicWatch Atlasの基本スペック
TicWatch Atlasの基本スペックは下表の通り。![]() |
<▲画像:「TicWatch Atlas」の基本スペック表> |
TicWatch Atlasのパッケージと付属品
TicWatch Atlasのパッケージは下記の写真の通りで、バンドはストレートの状態で収納されている。その分、パッケージは縦長だ。![]() |
<▲画像:「TicWatch Atlas」のパッケージを開けた所> |
パッケージには、TicWatch Atlas本体とバンド、説明書、安全に関する説明書、そして充電ケーブルが入っている。説明書には日本語表記も含まれている。
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<▲画像:「TicWatch Atlas」の内容物> |
充電ケーブルはTicWatch Pro 5 Enduroと同じく、片側がUSB Type-Aで、もう片側がTicWatch専用のドックコネクタとなっている。このドックコネクタはTicWatch Atlasの背面の充電端子部に近づけると、マグネットによってピタッとくっつく。そのため脱着はとても楽だ。
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<▲画像:「TicWatch Atlas」の背面に充電コネクタを接続した所。近付けると磁力でくっつく> |
デザイン、ボタン、操作性
TicWatch Atlasは、TicWatch Pro 5 Enduroと比べて、よりアウトドア的なイメージを与える無骨なデザインとなっている。![]() |
<▲画像:「TicWatch Atlas」のデザイン> |
TicWatch Pro 5 Enduroはややカジュアル寄りなので、人によってデザインの好みは分かれるだろう。
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<▲画像:左が「TicWatch Atlas」、右が「TicWatch Pro 5 Enduro」。> |
アウトドア的だと感じさせるパートは主に2つ。1つはベゼルで、もう1つはバンドだ。
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<▲画像:「TicWatch Atlas」のベゼル(額縁部分)のデザイン> |
ベゼルは、TicWatch Pro 5と比べて太く、段差のあるデザインになった。また、目盛りとボタンの機能を示す文字の刻印がなされている。例えば右にある回転クラウンボタンには「MENU」と書かれている。日常使う上ではボタンの機能は覚えてしまうが、使い始めの時には助かるだろうし、これはこれでデザイン上のワンポイントになっている。
そしてバンドは、こちらも若干、男性的なデザインになったと感じる。
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<▲画像:「TicWatch Atlas」のバンドを外した所。脱着に工具は不要> |
とはいえ、バンドは好みに合わなければ市販品といくらでも交換できるので、あまり気にするポイントではないかもしれない。
次に操作性だが、ディスプレイでのタッチ操作は極めて快適で、逆に特筆すべき点はない。スムースにストレスフリーで扱える。
そして、物理ボタンは前述の回転クラウンボタンと、その上にサイドボタンが用意されている。
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<▲画像:「TicWatch Atlas」のボタンは上から順に「サイドボタン」、「回転クラウンボタン」> |
回転クラウンボタンでは、いくつかの操作ができる。回転による画面スクロール/選択肢の切り替え/FSTN画面での表示内容切り替えの他、押し込みだ。押し込むと、有機ELディスプレイのウォッチ画面表示の他、TicWatch Atlasでできる機能や設定の全メニューが表示される。スクロールはボタンを回転させてもいいし、画面でのタッチ操作でも構わない。
今回、回転クラウンボタンは形状設計が改善されていて、実のところTicWatch Pro 5 Enduroよりも回しやすい。ただ、TicWatch Pro 5 Enduroの回転クラウンボタンが回しにくい訳ではなく、TicWatch Atlasがそれ以上に回しやすくなったという感じだ。親指と人差し指で摘まんで回す必要がなく、人差し指を上から添えるように触れるだけで指1本で回せるので、とても楽だしスムースだ。
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<▲画像:「回転クランボタン」は溝が切られているため、滑りにくく回しやすい> |
なお、TicWatch Atlasは、ユーザーが操作を行わないときにはFSTN液晶が表示される状態になるが、実はFSTN液晶表示のときに回転クラウンボタンを回せば、その時の表示内容を切り替えることもできる。購入後、意外と気付かないかもしれないので、ぜひ試してみて欲しい。
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<▲画像:FSTN液晶が表示されている所(バックライト点灯時)> |
また、有機EL側のメイン画面が表示されているときに回転クラウンボタンを操作すると、クイックパネル画面(スマホでいうクイックパネル)か通知画面を表示できる。これもディスプレイ上でのスワイプ操作よりも楽なので、購入後は試してみて欲しい。
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<▲画像:クイックパネル> |
結局、TicWatch Pro 5 EnduroとTicWatch Atlasは、独自機能を気にしないのであればデザインだけで決めても構わないほど近い機種だが、使いやすさについて言えばTicWatch Atlasの方が若干良い。それは今述べたように回転クラウンボタンが回しやすいためだ。
ディスプレイ
TicWatch Atlasのディスプレイサイズは約1.43インチ、解像度は466 x 466(326ppi)で、TicWatch Pro 5 Enduroと同じ。ガラスもサファイアクリスタルガラスで同じだ。そのため、ディスプレイの見た目上の印象は全く変わらない。![]() |
<▲画像:「TicWatch Atlas」のウォッチフェイスを変えた所> |
TicWatchシリーズにおいてサファイアクリスタルガラスを採用している機種とそうでない機種とでは、見た目の美しさが桁違いなので、個人的にはTicWatchシリーズを購入するのであれば、できればTicWatch Pro 5 EnduroかTicWatch Atlasのいずれかが良いと思う。もちろん予算の関係があることは重々承知している。
とにかく綺麗だとしか言いようがない。とても2枚のディスプレイが重なっているようには思えないほどの透明度を誇る。サファイアクリスタルガラス搭載機を体験してしまうと、非搭載機には戻れないほどの違いがある。メーカーのMobvoiは、サファイアクリスタルガラスについて、その透明度の高さや綺麗さよりも、どちらかというと硬度の高さをPRしているが、個人的にはこの透明度の高さと美しさこそ、TicWatch AtlasとTicWatch Pro 5 Enduroの魅力だと思う。超綺麗だ。
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<▲画像:「TicWatch Atlas」でFSTN液晶を表示した所。非常にクリアで美しい表示クオリティ(バックライト点灯時)> |
ディスプレイの見易さや表示内容などはTicWatch Pro 5 Enduroと同じで、普段はFSTN液晶が常時表示され、腕を返す動くをするとバックライトが自動点灯し、何かボタンを押したりディスプレイをタッチすると有機EL側のメイン表示に切り替わる。
有機EL表示もサファイアクリスタルガラスの透明度の高さのおかげで、非常にクリアで見易い。また、標準設定では、バックライトは環境光に応じて自動的にカラーが変わるようになっている。
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<▲画像:FSTN液晶が上に乗り、その上にガラスがあるとは思えないほど非常にクリアに有機ELディスプレイが表示される> |
駆動時間と充電について
カタログスペックではTicWatch Atlasの駆動時間は省電力モード(エッセンシャルモード)で最大45日間、「スマートモード」で最大90時間とされている。充電は急速充電に対応しているので、約30分間で約2日間の使用が可能なレベルまで充電できる。![]() |
<▲画像:省電力モードについての設定画面> |
通常、普通のユーザーはスマートモードでの駆動時間を目安にすればいい。最大90時間ということは、最大3日18時間だ。
実際の日常で使ってみると、連続駆動時間は概ねカタログスペックと同じ印象だ。3日か4日に1回の頻度で充電をするサイクルになると思う。もちろん全く使わずに放置する時間が長いのであれば別だろうが、日中は装着するのであれば3日か4日の充電サイクルだろう。
スマホとのフル連携機能を持つWear OS搭載スマートウォッチとしてはかなり長い。例えばGoogle純正の「Google Pixel Watch 3」の場合、常にディスプレイ表示状態で最大24時間、バッテリーセーバーモードでも最大36時間なので、TicWatch Atlasのバッテリー持ちの良さが分かると思う。
実際、Google Pixel Watch 3に限らず、スマホとフル連携可能なスマートウォッチの場合、多くの製品で基本的には毎日充電することになると思うので、TicWatchシリーズはそれらと比べて充電サイクルが長く、圧倒的に楽だと思う。
緊急SOS機能、転倒検出
TicWatch Atlasには緊急SOS機能、転倒検出が搭載されている。これはTicWatch Atlasの目玉機能の一つだ。まずは緊急SOS機能だが、これは転倒検出と連動させずに単独で使うこともできる。標準設定ではオフになっているが、メニュー内の「設定」→「緊急情報」と「緊急通報」において「5回押して起動」をオンにすれば、回転クラウンボタンを5回素早く押すことで緊急通報を発信できるようになる。
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<▲画像:「緊急SOS機能」の設定画面1> |
緊急通報先の電話番号は標準設定では「110」になっているが、自由に変更できる。また、緊急通報の際に家族の電話番号を指定しているような場合において、位置情報を一緒に送ることもできる。
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<▲画像:「緊急SOS機能」の設定画面2> |
例えば、転倒はしていなくても、何かのトラブルで家族などに自分が緊急事態に陥っていることを位置情報と共に知らせたいとき、回転クラウンボタンを5回連続で押すことで、それを実行できる。
そして、緊急SOS機能は単独では使うだけでなく、転倒検出機能と連動させることも可能だ。装着者の転倒をスマートウォッチが自動検出したとき、緊急通報が自動的に発動する。
そして、この転倒検出は常時監視するのか、運動中だけにさせるのか、ユーザーが選ぶことができる。
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<▲画像:「転倒検出」設定画面> |
もちろん、そもそも常時オフにすることもできる。運動中だけ転倒検出させる場合は、ユーザー自らがTicWatch Atlasで運動モード(TicExercise)を起動し、何かのアクティビティを開始/記録しているときか、TicWatch Atlasが運動を自動検出しているときのいずれかの場合に限定される。すなわち、家で布団やベッドに唐突にドサッと寝転がったりしても意図せず緊急通報が発動する、ということにはならない。
この機能は、山登りなど転倒の危険性があるアクティビティにおいてはとても有効だろう。また、普段家の近くで走ったり、自転車に乗ったりといったアクティビティにおいても、それが高齢者の場合などであれば、本人はもとより家族も安心だろう。
なお、緊急通報を行うには、TicWatch Atlasとペアリング設定しているスマートフォンがBlutoothの接続範囲内にあり、通信可能な状態にあることが必須なので、その点には注意が必要だ。
ヒートマップ機能
TicWatch Atlasでは、一部のアクティビティにおいて「ヒートマップ」と呼ばれるデータ収集と分析が可能になった。マップ上に滞在時間の長さをカラー表示される機能だ。具体的には下記のエクササイズでヒートマップ分析ができる(※今後のアップデートで対象アクティビティが増える可能性あり)。- アメリカンフットボール
- オーストラリアンフットボール
- バスケットボール
- フリスビー
- ラグビー
- サッカー(フットボール)
- テニス
公式の紹介画像と、筆者が都内の家電量販店に行ったときに試しにバスケットボールでエクササイズ記録を採ってみた結果を掲載した。まずは公式の紹介画像だ。
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<▲画像:ヒートマップ機能についてのメーカー資料> |
次に筆者が試したもの。
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<▲画像:実際に「バスケットボール」で試した所> |
私は実際にはバスケットボールを行った訳ではなく、機能確認のために歩いただけだ。具体的には、量販店で駐車場から店内とトイレを短時間歩いただけで実際に運動はしていない。
ご覧の通り、そのエクササイズを行ったときに、エリアごとの滞在時間を視覚的に把握できるようになっている。
さすがに趣味でサッカーやバスケをやるときに、ここまでの情報分析が必要になるとは思えないし、試合中は腕時計等は外しているはずなので、基本的にはある程度本格的に競技を行っているユーザーが練習中に使う機能ということになると思う。
例えば学生が部活でサッカーやバスケをやっている時に使うのも役立つだろう。自分がプレイ中、どの場所に移動し、そこにどれくらい滞在しているか、といった傾向を手軽に一目で把握できるし、選手複数人のデータを持ち寄れば、チームとしてどう動いているのか分析できる。スマートウォッチ以外の機材が不要で、手軽に自分の動きを可視化して確認できるので、自己分析を行いたいプレイヤーには重宝されるかもしれない。
基本機能、運動記録、睡眠記録
転倒検出、緊急SOS機能、ヒートマップ機能は新しい機能だが、TicWatch Atlasには他にも多種多様な機能が搭載されている。アラーム、ストップウォッチ、スマートフォンを探す、タイマー、マップ、メッセージ、メディアコントロール、ライト、計算機、天気予報、電話など。加えて、Google Playからサードパーティーアプリをインストールすることもできる。
運動記録についても合計110種類以上のワークアウトに対応している。
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<▲画像:対応するワークアウトについて(メーカー資料より)> |
また、TicWatch AtlasにはGPSやコンパス、バロメーターなどが搭載されているので、エクササイズの際にはスマホを一緒に携帯しなくとも、位置情報の記録もされる。ウォーキングやランニングを記録する際には、TicWatch Atlasだけ身に着けて運動するだけで、ちゃんと移動ルートも記録される。
各種運動記録については「Strava」「Adidas Running」など一部のフィットネスアプリとのデータ共有/同期も可能。ただ、TicExerciseとサードパーティサービスアプリの同時起動はできないので、TicExerciseアプリで記録した後、スマホでStravaを起動してデータを同期しておくみたいな使い方になる。
もちろんTicExerciseを使わずにGoogle PlayからインストールしたStravaアプリなどを使って直接記録することもできる。その場合は、Stravaでデータ収集することになり、TicExercise側ではデータ収集していないことになる。複数サービスでのデータ同期/共有においては、データ収集/共有元はTicExerciseアプリに限られるので記録の際には注意して欲しい。
また、睡眠記録モードも搭載されていて、TicWatch Atlasを装着した状態で寝れば自動的に睡眠記録が行われる。睡眠中の睡眠状態、心拍数、血中酸素濃度、呼吸数といったデータが記録されるし、TicWatch Pro 5 Enduroと同様、いびきの検出もできる。
総括
TicWatch Atlasは、概ねTicWatch Pro 5 Enduroと近いこともあり、とてもオススメできるWear OSスマートウォッチだ。購入を検討する方には、TicWatch Pro 5 Enduroの実機レビュー記事も参照して欲しいが、TicWatchシリーズの中から予算を度外視して選択する場合には、TicWatch AtlasとTicWatch Pro 5 Enduroの2択で考えていいと思う。そして、その2つの選択基準は、主にデザインになると思う。
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<▲画像:左が「TicWatch Atlas」、右が「TicWatch Pro 5 Enduro」> |
カジュアル寄りなのはTicWatch Pro 5 Enduroで、若干無骨なのがTicWatch Atlasだ。
一方、デザイン以外での違いとなると細かな話になるが、回転クラウンボタンの操作性はTicWatch Atlasの方が良い。また、転倒検出及び緊急通報機能やヒートマップ機能も搭載されている。それらの点も判断ポイントの一つになると思う。
いずれにしても、TicWatch AtlasはTicWatch Pro 5 Enduroに続き、質の高いスマートウォッチに仕上がっているのでオススメだ。
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<▲画像:「TicWatch Atlas」でFSTN液晶と有機ELの表示違いを並べた所。右のウォッチフェイスは一つ上の写真における「TicWatch Pro 5 Enduro」と同じ設定にしている> |
何度か述べたようにTicWatch Pro 5 Enduroと同様、サファイアクリスタルガラスの美しさによってTicWatch Atlasもとても綺麗なスマートウォッチなので、ぜひ一度見て欲しい。また、後ほど実機の様子を収めた動画も公開する予定。完成次第、本記事い掲載したい。