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【せう先生のスマホ講座】第80回:やっとspモードも対応!「IPv6」って何?(その2)

GAPSISをご覧の皆さん、「せう」です。こんにちは。急激に寒くなりました。冬服を用意しないと……。

<▲図:いろいろなものがインターネットにつながろうとする結果、アドレスが足りない……>

前回の記事では、旧来の「IPアドレス(IPv4)」が枯渇しそうになっていて、その対策として新しいIPアドレスの検討が1991年頃から始まったという話をしました。

今回は、その「新しいIPアドレス」こと「IPv6」の話をしていきます。

■IPv6はアドレスが「32ビット」から「128ビットに拡大」

<▲図:これがIPv6アドレスだ……!!>

IPv4では、ネットワークアドレスを「32ビット(2進数の数字を32個並べたもの)」として、それを4つのエリアに区切り、0~256の10進数に変換して表現していました。前回も触れた通り、32ビット表記では理論上42億9496万7296個のアドレスを用意できます。しかし、「世界中の人にひとり1アドレス」はもちろんのこと、デバイスの複数所持、つまり「ひとりに複数アドレス」が当たり前になってくると、これでも全然足りなくなるのは自明のことです。

そこで検討の始まった「次世代のIPアドレス」ですが、とりあえず1993年に機能的な方向性が策定されました。その後、1995年にネットワークアドレスを32ビットから「128ビット(2進数の数字を128個並べたもの)」に拡張し、その名称を「IPv6」とすることが決定。1998年に最終的な仕様が確定し、翌年からアドレスの割り振りが始まりました。



■IPv6アドレスは「事実上無限」(と言われている)

<▲図:IPv6アドレスの個数はとにかくすごい>

IPv4アドレスは、32ビットの2進数を4つの区画に区切って0~255の10進数で表現していました。それに対し、IPv6アドレスは、128ビットの2進数を8つの区画に区切って0~FFFFの16進数(10進数では0~65535に相当)で表現します。それぞれの区画はコロン(:)で区切ります。

そのアドレスの数は……

65536×65536×65536×65536×65536×65536×65536×65536=340282366920938463463374607431768211456

何と340澗2823溝6692穣938𥝱4634垓6337京4607兆4317億6821万1456個。もう一度言います。340澗2823溝6692穣938𥝱4634垓6337京4607兆4317億6821万1456個です。とりあえず世界中の人ひとりひとりに10万個アドレスを付与しても余裕すぎて草が生えてしまうレベルです。

要するに、事実上無限にアドレスを付与できるのです。



■アドレスが長すぎるので省略ルールもある

<▲図:これら3つのアドレスは同じ意味です>

IPv6では、アドレスがとにかく長くなるので10進数ではなく16進数を採用しました。それでも8区画もあるのでとにかく長過ぎです。そこで、IPv6アドレスの表記法には以下のようなルールがあります。

・各区画の先行する「0」は省略できる(例:0af3→af3、00c9→c9)
※「0000」の場合は「0」と省略

・「0000」区画が連続する場合、「::」として省略できる
※1つのアドレスで「::」省略を使えるのは1か所だけ
※原則として一番省略の長い区画を省く。一番省略の長い区画が2つある場合は、先の区画を省く。


特にIPv6アドレスの割り当て初期には、「0000」区画が連続するアドレスが多く出てきます。そのような場合は、上記のルールを使えば入力の手間が省けます。

IPv6アドレスの割り振り方には、一定のルールがあります。次回は、各キャリアのIPv6利用状況を見つつ、その辺の話をしていきます。




記事執筆者プロフィール
せう
ブログ:せうの日記、Twitter:@shoinoue

静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。

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