IT業界において非常に大きな動きが日本経済新聞から報じられた。同紙は13日夜、ヤフーとLINEが経営統合に向けて最終調整に入ったと報じた。もちろん現時点では公式発表ではないので、実際のところは分からない。しかし、ヤフー、ひいてはソフトバンクグループとLINEが組めば今まで以上に巨大なITプラットフォーマーが誕生することになる。
両社は競合サービスも多々あるので、実際に統合した場合にはどのような形で事業再編するのか注目だが、少なくとも当面は両社のサービスは継続されるだろう。
とはいえ、競合していようと複数ブランドでサービス展開する方が良い場合も考えられるだけに、必ずしも一方に集約される、ということもないかもしれない。最終的には両社の資産を最大限活かす形での再編になるはずだ。
統合そのものに関してはやや複雑で、まずポータルサイトの「Yahoo!JAPAN」をはじめとするヤフーの各サービスを展開する「ヤフー株式会社」は持ち株会社である「Zホールディングス株式会社」による100%子会社となっている。そして勿論ヤフーがソフトバンクのグループ企業であり、Zホールディングスの株式の40%はソフトバンクが保有している。
一方のLINEに関しては韓国の大手IT企業であるNAVERの子会社として設立されており、現在も7割以上の株式を韓国NAVERが保有する。
そのため、LINEの株式の取り扱いは韓国NAVERとの間で行われるものであり、今回の日本経済新聞の報道ではZホールディングスと韓国NAVER間で経営統合に向けた最終調整に入ったと報じられている。その中では次のような統合案が検討されていると記されている。
まず、ソフトバンクと韓国NAVERが50%ずつ出資する新会社を設立する。この新会社はZホールディングスの株式の7割程度を保有することになるという。そしてZホールディングスの傘下にヤフーとLINEを置く。Zホールディングスはヤフーの100%株式、LINEの100%の株式を保有することになるという。
Zホールディングスの7割程度の株式は新会社が持つことになるが、残りの株式については一般株主保有となり、今後も上場を続けることになる。
ヤフー、LINEを傘下に収めるZホールディングスを保有する新会社をソフトバンクと韓国NAVERで共同出資の上で設立することになるので、ソフトバンクがLINEを買収するわけではない。ソフトバンクと言えば企業の大型買収が多いため、どうしても買収案件のイメージが強く、今回の件でも買収かと考えがちだと思うが、少なくとも出資比率は50%だ。しかし、新会社はソフトバンクが連結子会社にすることで調整しているとのこと。
正式に統合が発表されれば大きなニュースであることは間違いなく、今後ヤフー、LINEのサービスがどのように変わっていくのか注目だろう。
【情報元、参考リンク】
・日本経済新聞
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