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【せう先生のスマホ講座】第81回:やっとspモードも対応!「IPv6」って何?(その3)

GAPSISをご覧の皆さん、「せう」です。こんにちは。いよいよ師走。2017年のスマホ講座も今回を入れてあと2回です。何だかさみしいですね……()

<▲図:GAPSISも実はIPv6対応なんですよ!!>

ここ2回ほど、新しいネットワークアドレス「IPv6」について説明してきました(第1回目はこちら第2回目はこちらです)。今回は、IPv6にも存在する特殊なアドレスについてお話しをしつつ、各携帯電話キャリアでのIPv6対応状況を見ていきます。

■IPv6には最初から「ローカルアドレス」などの特殊なアドレスが定義済み

旧来のIPv4アドレスでは、後から枯渇対策として外部接続できない「プライベートアドレス」が定義されました。それに対し、IPv6アドレスでは用途が限定されたアドレスを何種類かあらかじめ用意してあります。その一例が以下のものです。

名前 用途 アドレスの第1区画
リンクローカルユニキャストアドレス同一ルーター内での通信に使うfe80
ユニークローカルユニキャストアドレス同一プライベートネットワーク内での通信に使う
(IPv4における「プライベートアドレス」に相当)
fc00
fd00
マルチキャストアドレス一対多の通信を行うために用いるff00

上記のアドレスのうち、ローカルユニキャストアドレス類は広く公開するインターネットサーバーには用いません。マルチキャストアドレスは、アドレスの第2区画の番号帯によって「リンクローカル(ルーター外通信禁止)」「サイトローカル(同一サイト内ならルーター超え可能)」「グローバル(インターネットで公開)」といった区分がなされます。


■各キャリアのIPv6対応は?

スマートフォンにおけるIPv6対応はどうなのでしょうか。

NTT
ドコモ
・2011年6月 「mopera U」でIPv6接続を提供(一部ルーターで対応)
・2015年夏モデル Wi-Fi接続時のIPv6アドレス取得に対応
(一部モデルはモバイル通信でもIPv6を利用可能に)
・2017年4月1日 「spモード」でIPv6接続を提供開始
・2017年夏モデル モバイル通信時もデフォルトでIPv6対応
au・2012年11月 「LTE NET for DATA」でIPv6接続を提供
・2012年冬モデル AndroidスマホでIPv6を利用可能に
(モバイル通信時はLTE NET for DATAの契約が必要)
・2013年10月 WiMAX 2+ルーターがIPv6対応(要設定)
・2015年1月以降 WiMAX 2+ルーターにおいてデフォルトでIPv6を有効に
・2017年9月 「LTE NET」でIPv6接続を提供開始
・2017年冬モデル LTE NET利用時もデフォルトでIPv6対応
ソフト
バンク
・2015年6月 データ通信機器用通信サービスでIPv6接続を提供
・2015年夏モデル Wi-Fi接続時のIPv6アドレス取得に対応
・2016年6月 スマートフォン向け通信サービスでIPv6接続に対応
・2016年夏モデル 一部機種からモバイル通信でもIPv6対応

ということで、各社歩みはいろいろあれど、モバイル通信でもIPv6接続に対応しました。若干ややこしいのは「端末」と「接続サービス」の両方がIPv6に対応しないと駄目、ってところでしょうか……。

MVNO(仮想移動体通信事業者)のいわゆる「格安SIM」では、現時点でIPv6接続できるのはインターネットイニシアティブ(IIJ)の「IIJmio」と、IIJがMVNE(MVNOの支援事業者)としてデータ通信サービスを提供しているものの一部だけ。「IPv6対応は不可避ではあるものの、設備投資が必要。また、IPv6じゃないとアクセスできないページはほぼ皆無なのでまだ急ぐことはない」という判断が働いているからだと思われます。

ともあれ、IPv6、ようやくモバイルの世界にも広がり始めました。今後、MVNOへの広がりがどうなるかが見ものです。




記事執筆者プロフィール
せう
ブログ:せうの日記、Twitter:@shoinoue

静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。

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