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LYNX 3D SH-03Cブロガーイベントレポート 前編:プレゼン概要&質疑応答まとめ

約一週間後にローンチを控えた11月25日、アイティメディア株式会社主催でシャープ株式会社の担当者の方々が招かれ、NTTドコモ向けのAndroidスマートフォン「LYNX 3D SH-03C」に関するブロガーイベントが開催された。同イベントでは参加者一人ひとりに一台ずつSH-03Cの最新ソフトウェアが搭載されたデモ機が渡され、イベント時間中自由に触ることができた。また、SH-03Cの紹介プレゼン及び参加者からの質問も受け付けられ、ざっくばらんな雰囲気の中、端末に関する情報を集めることができた。

本イベントにはケータイ関係の情報を扱うウェブサイトやブログを運営している方々が参加し、レポート記事が書かれている。本記事に加えて、そちらも合わせてチェック頂けるとより詳しく把握することが可能だと思う。それぞれのリンクは記事下に設けた参考リンク欄に掲載している。

それではイベントの概要を紹介していきたい。

イベントは約2時間程度実施され、前半の30分程度はシャープ通信事業部の担当者の方からの端末に関するプレゼン。その間も参加者は実機を触ることは可能だが、タッチ&トライの時間はその後に別途設けられる形となっている。タッチ&トライ時間は約1時間半で、その間担当者の方に質問を自由にすることもできた。参加者の少ない小規模なイベントだったこともあり、ある程度じっくり触り、またお話を伺うことができている。

以下、前半30分の紹介のプレゼン概要、質疑応答について紹介し、実機ハンズオンとレビューは後編の記事でお伝えしたい。

【SH-03Cのプレゼン】

~開発の背景~

シャープとしてはNTTドコモ向けのAndroid端末として、「LYNX SH-10B」を7月にリリースした。これが第1弾モデルになるものの、ご存知のようにクラムシェル型の設計を採用した機種のため、そもそものターゲットが2台目需要だった。すなわち普通のフィーチャーフォンを1台持った上で、インターネット利用端末としてSH-10Bを利用する形だ。第2弾モデルを作るにあたり、今度は1台持ちできるものにしたかった。1台で全ての要求を満たすことのできる端末だ。それが「LYNX 3D SH-03C」になる。

~他社製スマートフォンとの差別化~

GALAXY SやXperia、HTC製端末などライバル機種との差別化をどこに設けようか、と考えたところ、シャープとしては”3D”を大きな特長とすることができると考えた。シャープはもともと液晶に力を入れている会社。会社の戦略的技術である3D液晶を特長に打ち出そうと考えた。また、3Dの分野への関心は近年高まっている。映画、ゲームなど様々なコンテンツでだ。しかし、映画館や大画面のテレビとは違い、小さなモバイル機器でわざわざ専用メガネを掛けさせるわけにはいかない。そこで視差バリア方式を使ったシャープの3D液晶を採用した。これは専用メガネ無しで立体視できるもの。しかも、SH-03Cではディスプレイを縦にしても横にしても3D表示が可能になっている。

~国内定番機能の搭載~

”3D”を特長として打ち出す一方で、日常的な用途への対応にも力を入れた。特に従来のフィーチャーフォンからの移行を促すことができるように、国内定番機能を投入したことも魅力となっている。ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信といったフィーチャーフォンで馴染み深い機能を盛り込むことで、従来ケータイからの機種変更を安心してすることができる。これは海外メーカー製端末にはない魅力。

~カメラ機能の追及~

日本のフィーチャーフォンはカメラが高機能であることが一般的。スマートフォンへ移行することでユーザーにカメラ機能を犠牲にさせるつもりはない。十分以上に魅力的なカメラ機能を提供すべく、9.6メガピクセルのCCDカメラを導入し、加えて3D写真撮影も可能にした。とはいえ、レンズが1つしか搭載されていないので、普通にやっても3D写真は撮れない。そこで一工夫凝らし、立体表示用に視差の異なる写真を2枚連続撮影することで擬似的に実現した(シャッターを押した直後に端末を横に動かして2枚撮る)。さらに、既存の2D写真を3D変換する機能も盛り込んでいる。自分で手軽に3D画像を作ることができるので、3D液晶を存分に楽しむことができる。

~Android OSのアップデート~

搭載OSのバージョンがAndroid 2.1なので、他社製端末と比較して古いと感じる方もいると思う。しかし、NTTドコモと協力し、2011年春を目処に2.2へのアップデートを提供すべく準備を進めている。

~3Dコンテンツのラインナップ~

いくつかの3Dコンテンツがプリインストールされている。映画の予告編や動物や自然、アイドルの動画など複数の3D動画が入っている。それに加えていくつかのゲームもある。また、先に述べたように3D写真が撮れる。その他に3Dメニューも用意されている。SH-03Cの基本メニューは2Dだが、端末を横にすることで3Dメニューを表示することができる。

~ベールビュー機能~

ちょっとした便利機能として、覗き見防止のためのベールビューが搭載されている。通知バーを下ろすとベールビューのオン/オフ設定が可能。オンにすると、斜め横からディスプレイを見たときに花柄の画像が表示され、覗き見防止になる。正面からはベールビューオフ時に比べると鮮明さは落ちるものの、通常画面が閲覧できる。

~アプリのラインナップ~

Android Marketやドコモマーケットから個別に入手することで様々なアプリを楽しむことができるが、一般的なアプリはプリインストールしている。spモードメールもプリインストールしているので、iモードメールからの移行もスムースにできる。ともかく、多種多様なアプリを楽しむことが可能な端末に仕上がっている。


【質疑応答】

参加者の方々からいくつもの質問が飛び交ったものの、一般公開できないオフレコ話もあり、最終的にお伝えできる内容は下記のもの程度になる。情報がそれほど多くないこともあり、箇条書きにせず、まとめて紹介したい。

まずAndroid OSのアップデートに関してだが、Android 2.2(Froyo)は2011年春の予定。しかし、それ以降の予定は現時点では未定。次期最新バージョンと言われるGingerbreadやHoneycombについては今の段階では何も答えられる状況にはない。ただし、シャープとしてはできる限り対応できるようにAndroidの基本フレームワークには必要以上に手を入れずに端末を設計する方針を採っている。もちろん、各キャリア向けにメニューを設けたりする必要もあり、限りはあるが、OS部分のアップデートをし易いように設計していることは確か。

また、アップデートの際にはOSのバージョンアップだけでなく、タッチパネルのレスポンスなども含めた操作性全般などでも機能改善を図っていく予定。

次にSH-03Cやソフトバンク向けの端末「GALAPAGOS 003SH」などでの特長とされる3Dコンテンツの開発に関して。サードパーティ、一般の開発者がこれらの端末向けに3Dコンテンツを開発することは可能。そのための技術情報は公開予定にあり、SH-03Cの発売以降に同社が用意している技術者向けの情報配信サイトをチェックして欲しい、とのことだ。

3D映像閲覧により視力が落ちるようなことはあるのか? との質問に関しては特にそういったことはない、との回答だ。ただし、慣れが必要な部分があることに加え、疲労を感じることもあるので、長時間の連続視聴は避けるべきかもしれない。また、シャープとしてはできるだけ目へのストレスを軽減するために、飛び出し感を弱め、奥行き感を出す方向で3D液晶ディスプレイを設計・調整している。飛び出し感が強いと、どうしても目へのストレスが大きくなってしまうため。

プリインストールされているもの以外に3Dコンテンツが提供される予定はあるのか? との質問もあった。シャープとしても継続的に提供していく方針。シャープの専用ページ「GALAPAGOS SQUARE」から映画の予告編やアーティストの映像、ゲームなどを配信していく予定。加えて、12月に入ってから3D写真のコンテストを実施する予定で、一般ユーザーが投稿できる。

その他、細かい質問としてベールビューと3D動画撮影について。ベールビューをオンにしたときの画像を変えることはできるか、との質問だが、変更はできない。初期設定の花柄のみ。また、ベールビュー機能と3D表示を同時使用することはできない。3Dコンテンツを3D表示したい場合にはベールビューを切る必要がある。カメラは3D動画撮影に関してはサポートしていない。対応しているのは3D写真撮影のみ。


続きの記事、最新ソフトウェアが搭載された実機のハンズオンとレビューは下のリンク先に掲載。

LYNX 3D SH-03Cブロガーイベントレポート 後編:最新実機ハンズオン・レビュー【動画あり】

また、他の参加者の方々のウェブサイト、ブログ及び該当記事は下の参考リンクに掲載。

【情報元、参考リンク】

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