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【島田純のMobile×Travel】第97回:札幌のシェアサイクル「ポロクル」を試してみる!(後編)

前回(こちらの記事)に引き続き、札幌の中心部で提供されているシェアサイクル「ポロクル」について、今回は実際に「ポロクル」を使ってみて感じたことなどをご紹介します。

<▲写真:札幌の大通公園>

「ポロクル」でレンタルできる自転車は、電動アシストつきの自転車ではありません。いわゆるノーマル自転車なのですが、札幌市内の中心部は基本的に坂が無く、道もくねくねと曲がらずに真っ直ぐの道が多いので、市内は自転車で走りやすい道路環境が整っているように感じました。

実際に筆者が「ポロクル」で移動したのは以下のルートです。

(1) 札幌駅前→大通駅付近
(2) 大通駅→円山駅
(3) 円山駅→北海道大学
(4) 北海道大学→札幌市資料館


順番や移動効率などをあまり深く考えずに移動したため、土地勘がある方が見ればやや不思議なルートに感じるかもしれません。

「ポロクル」をレンタルしている間、ずっと「ポロクル」に乗っていたのではなく、訪問先で用事を済ませたり「ポロクル」を一旦返却して休憩をしたりしながらの移動です。お昼の12時頃にレンタルを開始し、最終的に返却をしたのは18時頃でした。

正確な記録はしていませんが、おそらく実際に自転車を運転していた時間は2〜3時間程度です。

予想していたよりも身体的な「疲れ」を感じたのは、東京から飛行機で札幌に到着したその日のうちに長時間自転車に乗ったからなのか、あるいは「ポロクル」の車両がやや年季が入っており、自転車を運転するのに体力を要したからなのか、理由は定かではありませんが「思ったよりも疲れた」という印象を受けました。

身体的な疲れとはちょっと違うのですが、座席の固い電車に長時間座ったときと同じように、お尻が痛くなりました。これは「ポロクル」のサドルのシート部分が固くなっているためか、それなりに長時間運転したためか、理由は定かではありませんが、お尻が痛くなるのも長時間にわたって「ポロクル」を運転するのが難しい一つの理由のように思います(そもそも、サービスとしてはあまり長時間の運転を前提にしていないのかもしれませんが)。


■「門限」や利用可能シーズンに注意

東京エリアで提供されている「ちよくる」をはじめとする自転車シェアリングサービスは、サービスが24時間稼働しているため、終電の後や始発の前の時間であっても自転車で移動することが可能ですが、「ポロクル」は必ず21時よりも前に自転車を返却する必要があります。

「ポロクルカウンター」のスタッフによると、この時間を過ぎてしまうとサイクルポート(駐輪場)への電力供給がストップするため、自転車の返却手続が行えなくなるとのことです。

また、早朝時間帯についてもサイクルポートがオープンしていない場合があるため、ポート毎のレンタル・返却可能時間をよく確認の上、サービスを利用することをお勧めします。念のため付け加えておくと、「ちよくる」など都内の自転車シェアリングサービスでも、施設側の営業時間などの関係によって、24時間利用できないポートは一部存在しています。

このほか、「ポロクル」は通年で利用できるサービスではなく、2017年の提供時期は4月下旬から10月31日まで、毎年春〜秋のシーズンのみとなっています。言うまでも無く、冬の札幌は積雪によって自転車での移動が難しくなることが理由でしょう。

<▲写真:冬の札幌>

<▲写真:雪が積もると自転車の運転は困難に>


■ポートを見つけるのはカンタン

サイクルポート(駐輪場)でレンタル/返却を行う自転車シェアサービスを利用すると、そもそも利用できるサイクルポート(駐輪場)がどこにあるのか? あるいは、目的地付近にあるのか? を、ある程度把握しておく必要があります。

しかし、「ポロクル」のサイクルポート(駐輪場)は、主要な道路沿いや地下鉄駅付近にも多く設置されています。

このため、事前にキッチリとポートの位置を調べておかなくても、主要な道路を自転車で走行していれば返却できるポートが「見つかる」感じで、「サイクルポートを探す」という点では手間を感じることなく、レンタル/返却を行うことができました。

<▲図:「ポロクル」のポートマップ>

「ちよくる」など、東京エリアで利用できるドコモ・バイクシェア系のサイクルシェアサービスと異なり、利用できるエリアが札幌市中心部のみ、またレンタルできる自転車は電動アシストつきではないため、移動できるエリアがある程度制限される(体力的な理由によって)などの違いはありますが、それらは単純にデメリットとは言えず、エリアごとの事情や、サービス提供開始時期にあわせた展開と言えるでしょう(ポロクルは、ちよくるよりも数年早い2011年から本格展開が行われています)。


■おわりに

札幌市内中心部で利用可能な「ポロクル」を連載で紹介しているうちに、中国系のシェアバイク大手である「Mobike」や「ofo」が日本国内でサービスを提供することが発表されました。

このうち、「Mobike」は日本国内で最初にサービスを提供する都市を札幌に決定し、8月22日(火)にローンチイベント(サービス開始に伴うイベント)を開催し、同日よりサービスを提供開始することを明らかにしています。
※当初は10月に開催予定の「No Maps 2017」で実証実験を行う予定となっていましたが、計画よりも早く正式サービスが提供開始されるようです。

札幌で提供される「Mobike」のサービスに関しては現時点では詳細な情報は明らかにされていませんが、既にサービスが始まってから数年の歴史がある「ポロクル」と、国内ではチャレンジャーの立場である「Mobike」の競争によって、「シェアバイク」がより盛り上がり、なおかつ社会に受け入れられるサービスとなることを願っています。

【関連サイト】
ポロクル公式サイト


記事執筆者プロフィール
島田純
ブロガー/フリーライター
Twitter:@shimajiro、ブログ:shimajiro@mobiler

ブログとモバイルと旅が好きなフリーランスのブロガー/ライター。
モバイルWi-Fiルータやデータ通信関連が得意です。

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