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ソフトバンク、イー・アクセスを完全子会社化へ。携帯電話業界第2位へ。業務提携によりネットワーク共用も実現

ソフトバンクとイー・アクセスは1日、ソフトバンクを株式交換完全親会社、イー・アクセスを株式交換完全子会社とする株式交換契約を締結したと発表した。また、ソフトバンクの連結子会社であるソフトバンクモバイルとイー・アクセスは業務提携をし、ネットワークの共用化を図ることも明らかにされた。その結果、ソフトバンクモバイルが所有する900MHz帯と2.1GHz帯のネットワークと、イー・アクセスの1.7GHz帯のFDD-LTE方式のネットワークが相互利用可能になり、端末としてそれぞれのネットワークに対応しているものに関しては、直接的にネットワーク環境が改善されることになる。

左写真:左から順にイー・アクセス代表取締役会長 千本倖生氏、ソフトバンク 代表取締役社長 孫正義氏
右写真:孫氏

例えば米Apple製スマートフォン「iPhone 5」に関して言えば、新たにイー・アクセスの1.7GHz帯のLTEも利用できるようになる。ただし、実際にiPhone 5でイー・アクセスのネットワークを利用できるようになる時期は未定で、今後Appleも含めた関係各社において準備・検討が行われる。

当然ながら両社のユーザーにとっては利用可能な基地局も大幅に増えることになる。LTE対応基地局は2013年3月末までにソフトバンクモバイル側で2.1GHz対応基地局が20,000局に達する見込みで、イー・アクセス側でも1.7GHzの基地局が10,000局になる。合算すると30,000局の基地局が2013年3月末の時点で、LTE向けに利用可能になることになる。

もちろん、iPhone 5以外の端末においても、対応端末であれば直接的にネットワーク共用化の恩恵を受けられるし、非対応端末でもトラフィックが分散されることで間接的な恩恵が期待できる。

これはイー・アクセス側も同様の話で、イー・モバイルのLTE対応端末において、ソフトバンクモバイルの900MHz帯、2.1GHz帯の音声及びデータ通信を利用できるようになるため、やはりネットワーク環境が改善することになる。




ネットワークの強化により、ソフトバンクモバイルは「テザリング」の提供開始を前倒しすることも決めた。当初は2013年1月15日から提供開始予定だったが、1か月前倒し、2012年12月15日から提供する。「テザリング」は携帯電話端末をWi-Fi親機として機能させるもので、ノートPCやタブレットなどのWi-Fi機器をインターネットに接続できる。


また、両社が経営統合することにより、国内の携帯電話市場のシェアにも大きな変動がある。8月末時点での契約数は、NTTドコモが6,063万人で44.7%のシェア。2位にはKDDI(au)が3,589万人で26.5%につけている。そして3位のソフトバンクモバイルが3,491万人(25.7%)、イー・アクセスが4位で420万人(3.1%)となっている。

このうち、3位のソフトバンクモバイルと4位のイー・アクセスが経営統合することで、両社の契約数は3,911万人になり、シェアは28.8%になる。この数字はKDDI(au)を抜いて2位へ上がるものであり、今年度中に4,000万人の契約数を突破することも確実となった。実際に記者会見において孫氏は9月末までに3,941万人以上に達したと述べており、年内に4,000万人に到達する可能性も十分にある。




【情報元、参考リンク】
ソフトバンク/プレスリリース(PDF)

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