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【端末レポート】ほぼ遅延ゼロに進化したSペンが魅力!超サクサクな高性能スマホ「Galaxy Note20 Ultra 5G」(SC-53A)【ドコモ2020-21冬春モデル】

NTTドコモ(以下、ドコモ)が5日に発表した今冬・来春モデルの新製品ラインナップにおいて、最も高いスペックを備えるAndroidスマートフォンが「Galaxy Note20 Ultra 5G」(SC-53A)だ。こちらの記事で紹介したように「Xperia 5 II」(SO-52A)もハイスペックだが、さらに一段上となっている。

しかし、当然ながら価格も随分と上がり、Xperia 5 IIが約10万円のところ145,728円と、ほぼ1.5倍だ。そのため、どうしてもGalaxy Noteが良いとか、とにかくハイスペックが良いという方に限定されるかもしれない。とはいえ、製品自体はハイパフォーマンスさを実際に体感できるほどで、専用スタイラスの「Sペン」も過去最高の出来どころか、スタイラス搭載スマートフォン/タブレット市場全体でみても史上最高最高かもしれないといったレベルに達している。

<▲図:ディスプレイは約6.9インチ。カラーバリエーションは2色>

実際に手に取って数分程度でも触ってみるとハッキリと「欲しい」と感じさせるレベルの高性能ぶりなので、もしかしたら15万円だろうと大ヒットするかもしれないし、ドコモ版の売れ行きが気になるところだ。

発売日は11月6日。すでに入手して使いこなしている方もいると思う。

しかし、価格が高いだけに、ある程度口コミが出揃ってから購入しようと考えている方も多いのではないだろうか。とはいえ、Galaxy Note20 Ultra 5Gはau版もあるし、それなりの情報は出ているので、本記事では購入検討の際に気になりそうな点を中心に筆者自身のインプレッションをお届けしたいと思う。なお、写真に関してはドコモがメディア向けに用意したものを縮小・トリミング等の加工をして使っている。

それでは、まずは基本スペックから見ていきたい。

・OS:Android 10(※Android 11へのアップデート提供予定)
・CPU:Qualcomm Snapdragon 865 Plus
・メモリ:12GB
・ストレージ:256GB
・ディスプレイ:6.9インチ、3,088 x 1,440ドット、有機EL
・本体サイズ:165 x 77 x 8.1mm
・重さ:208g
・バッテリー容量:4,500mAh
・5G通信速度(理論的最大値):下り4.2Gbps、上り480MBps
・4G通信速度(理論的最大値):下り1.7Gbps、上り75Mbps
・Bluetooth:5.0
・防水・防塵:対応
・ワンセグ/フルセグ:非対応
・おサイフケータイ:対応
・生体認証:顔認証、指紋認証


前述したように、今冬・来春モデルの中では最も高いスペックとなっている。

Xperia 5 IIはQualcomm Snapdragon 865、メモリ8GB、ストレージ128GBで、Galaxy Note20 Ultra 5GはSnapdragon 865 Plus、メモリ12GB、ストレージ256GBと、3点とも一段上だ。

ただ、今冬・来春ラインナップにおけるハイエンド端末の一押しに私自身はXperia 5 IIを挙げたように、おそらく多くの方がSnapdragon 865、メモリ8GBで十分ハイパフォーマンスだと判断すると思う。もしくは春モデルの「Xperia 1 II」は、Galaxy Note20 Ultra 5GとXperia 5 IIの間に位置するので、Xperia 1 IIでもいいかもしれない。いずれにしても、CPU、メモリ、ストレージの差だけで15万円を出せる方は少ないのではないだろうか。

5万円の価格差を納得させる要素は、CPUやメモリではなく、大型・高解像度のディスプレイと、進化した「Sペン」にあると思う。

<▲図:最大の特徴は進化したSペン>

もちろんGalaxy Note20 Ultra 5Gの高性能なパフォーマンスは体感できるほど。他と比べて、はっきりと「超サクサク」だと感じられる。ただ、前述したように、そこに5万円を追加できるか、という話だ。というのも、Xperia 5IIだって十分サクサクだからだ。

ところが、大型・高解像度のディスプレイと高性能なSペンはGalaxy Note20 Ultra 5G独自の魅力だ。他にはない。

そこにどれだけの価値を見出せるかだと思う。

Sペンの入力レイテンシー(要するにペン入力に対する画面表示の応答速度)が、従来の42ms(ミリ秒)から9msと、大幅短縮されている。

これが実際に体験すると凄まじい差で、もはや体感的には遅延ゼロといったレベル。数値としては9msの遅延はあるはずだが、ほとんど感じない。本物のペンと紙に近く、ほぼ同じ感覚でスラスラ書ける。従来であれば、入力レイテンシーに合わせて書く、要するに、わざわざ機械に合わせてゆっくりと書く、といった対応がユーザーに求められていたが、Galaxy Note20 Ultra 5Gではその必要がない。機械に合わせず自由にスラスラ書けるということが、これほど気持ちの良いことなのかと感動する。

そして、Sペンのペン先の素材が適度な摩擦を生み出し、とても良い感触の書き味を実現している。

こればかりは実機で確認してもらわないことには伝えきれない。とにかく良い。

しかし、モノとしては非常に素晴らしい性能のSペンだが、実用性はあるのか? 言い方を変えれば、日常的に使うか? と問われると、やや悩む。

というのも、iPadクラスのディスプレイサイズであれば、かなりの文字を1ページ内に書き込めるため、デジタルノートとして使おうという気になるが、Galaxy Note20 Ultra 5Gのサイズはスマートフォンとしては大きいものの、ノートになるほどではない。せいぜいがメモ帳だ。ところが、シャーペンやボールペンのペン先は0.5mmとか0.7mmで、小さな字も書けるが、SペンとGalaxy Note20 Ultra 5Gでは同サイズのメモ帳ほどの文字数は書き込めない。というか書き込みにくい。拡大してから書けば相当量の文字数を書けるが、そんな工夫をせずにパッと起動してサッと書きたい、というのが普通ではないかと思う。

結局、買い物メモやToDoメモ、覚え書きくらいしか使わないのではないかという気がするのだ。

それでも、懐に余裕があればメモ程度の用途でも買いたくなるほどSペンは良いし、メモを紙からGalaxy Note20 Ultra 5Gに移行できれば便利なのも確かだ。
<▲図:実際にこれくらいのメモならスムースに書けるほどSペンは進化している>

しかし、もう一点気になることがあり、それが実用性を下げているように思う。

それはSペンの収納場所だ。

Galaxy Note20 Ultra 5GにおけるSペンの収納スロットは下面左にある。右利きの人の場合は、左手で端末を持って、右手でSペンを抜いて、そのまま右手で書く、というのが自然なスタイルだと思う。ところが、左下に収納されていると、それがスムースにはできない。左利きの方にとってはベストな設計だと思う。しかし、右利きの場合には取り出しにくいので注意が必要だ。

そして、下手をすると取り出しにくさから右利きの人はSペンをあまり使わなくなるかもしれない、との懸念がある。

購入を検討している方は店頭で実機を触ってみることを本当にお勧めする。Galaxy Note20 Ultra 5Gの基本パフォーマンスなどは文句無しなので、ハッキリ言って説明不要のレベルだが、Sペンの使い勝手と本体サイズの大きさ、持ちやすさ等に関しては、au版でも構わないので実際に触ってみる必要があると思う。

たかが収納スロットながら、Sペンの実用性に大きく影響してしまうので、この点だけは残念だ。

下に掲載した30秒のCM動画でもSペンの概要は分かると思う。



先ほどサイズの話に少し触れたが、ボディサイズも注意すべき点の一つだ。

165 x 77mmというサイズ、208gという重さはバカにできない。かなり大きく重い。ケースを装着すると更に大きく、重さも増す。私は男性としては手の大きさは平均的ではないかと思うが、片手で持つには厳しいし、長時間片手で持つのは厳しいと感じる。とはいえ、これは欠点ではなく、単に大きい端末は大きくて重いよ、という仕様の話に過ぎない。ただ、思った以上に大きく重い、と感じる可能性もあるので、先ほども書いたように、手に取って確認されることを勧めたい。

他には文句らしい文句はありません。

生体認証機能は顔認証と指紋認証(ディスプレイ内認証)を備えているので、新型コロナ時代でも問題ない。

両方設定しておけば便利だ。顔認証が上手く行かない場合は指紋認証で行けるので、PINやパターンコードを入力する手間はほぼないと思う。ただ、指紋認証はディスプレイ表面に指をあてて認証を行う形式なので、市販の液晶保護フィルムを貼る方は注意して欲しい。基本的には貼ると認識精度が落ちる。Galaxy Note20 Ultra 5Gに実際に市販の保護フィルムを貼って試したわけではないが、他のGalaxyシリーズでは実際に貼ってストレスを感じて剥がした経験があるので、同じ可能性があるので気を付けて欲しい。その場合は、顔認証とPINなどでも十分だとは思う。

なお、Galaxy Note20 Ultra 5Gのディスプレイは120Hzのリフレッシュレートにまで対応している。リフレッシュレートは、60Hzか最大120Hzまでかの切り替えができる。遅延にシビアなオンラインゲームなどをプレイする方は最大120Hzの設定が良いかもしれないが、バッテリー消費が大きくなることと、最大解像度での表示の場合には60Hzにしか設定できない点には注意して欲しい。

カメラは、背面に3眼+レーザーオートフォーカスセンサーで構成されるメインカメラを搭載する。構成は下図の通り、108MPの広角メインカメラ、12MPの超広角カメラ、12MPの望遠カメラ。超高解像度のメインカメラと超広角、望遠カメラの組み合わせなので、かなり幅広いシーンをカバーできると思う。

フロントカメラは10MPで、その部分はディスプレイに小さなホールが空いている。このパンチホールは他の最新Galaxyと同様、直径がかなり小さいので、すぐに慣れると思う。
<▲図:幅は77mm。画面サイズの割には狭いが、やはり大きいのも確か>

Galaxy Note20 Ultra 5Gは、最高スペックのスマートフォンを求める方、Sペンを常用する可能性の高い方にお勧めの機種だと思う。ただ、Sペンは右利きの人には少々取り出しにくいので、その点は実際に確認して欲しい。

費用については、11月24日購入分までは完全ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds Live」がプレゼントされるキャンペーンが実施中なので、Galaxy Buds Liveを欲しい方/購入予定の方にとっては、その分が相殺される形となり、多少はトータルでの負担が下がる、ということになると思う。Galaxy Buds Liveは不要なのであれば、純粋に約15万円のコストとなる。ただし、「スマホおかえしプログラム」を利用して2年で返却した場合の実質的な負担額は97,152円(月額だと4,048円)に下がる。とはいえ、お財布との相談になると思う。

仮に来年、再来年にGalaxy Noteシリーズの新機種が出たとしても、Galaxy Note20 Ultra 5GはSペンの収納場所以外は完成度が高く、買い替えの必要性を感じさせないくらい優れていると思う。そのため、3年、4年と使うことも十分可能だと思う。長期間使うのであれば、コストパフォーマンスも悪くないという判断に変わってくるので、総合的に判断して欲しい。

【情報元、参考リンク】
ドコモオンラインショップ Galaxy Note20 Ultra 5G製品ページ
ドコモオンラインショップ

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