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【取材レポート】富士通 らくらくスマートフォン2とプレミアムの発表会 ~着実な進化を果たした新モデル

富士通の「らくらくスマートフォン」(以下、らくらくスマホ)と言えば、お年寄り向けの使いやすいスマートフォン(以下、スマホ)の代表選手だ。先日、都内某所で行われた、このらくらくスマホの後継機である「らくらくスマートフォン2 F-08E」及び「らくらくスマートフォン プレミアム F-09E」の発表会に行ってきたので、そのレポートをお届けしたい。果たして、らくらくスマホ2はどう進化したのだろうか?

らくらくスマートフォン2のCMに出演する大竹しのぶさんのトークセッションも行われた

左:富士通 代表取締役副社長 佐相秀幸氏、右:富士通 執行役員常務 大谷信雄氏


■らくらくスマホとは?

らくらくスマホが普通のスマートフォンと違うのは、そのユーザーインターフェースとコミュニケーションシステムにある。つまり、スマホを使う場合の全ての環境を、初心者やシニア層に対してより使いやすいものとして作り直してユーザーに提供しているのだ。

ユーザーインターフェースは、普通のAndroidスマートフォンのようなホーム画面やアプリ ドロワー画面ではなく、よく使う機能のアイコンが縦に並んだ形となる。Google Playからアプリを追加インストールして使うようなことはできないのだ(※らくらくスマートフォン プレミアムでは可能)。

アプリを追加インストールできないとはいえ、メールやウェブサイト閲覧など、普通の人がよく使う機能は標準的に搭載しているし、FacebookなどのSNSの代替的に使えるコミュニケーションシステム「らくらくコミュニティ」も自社で提供し、初心者でも安心して使える環境を用意している。

また、ディスプレイのタッチ操作において物理ボタンのような押し込む感覚を実現するために、振動を発生するアクチュエータを搭載している。指で触れて押しこむような動作をしたときに、指に対して振動を返し、物理的なボタンを押しているような感覚をユーザーに与えるようになっているのだ。このシステムは「らくらくタッチパネル」と呼ばれる。


■どう進化したのか?

今回、らくらくスマホはハード、ソフトともに進化させている。まず、ディスプレイを4.0インチから4.3インチにサイズアップしながら、ボディサイズ、重量をシェイプアップし、より持ち歩きやすくした。そして、らくらくタッチパネルは動作レスポンスをより速くしている。

タッチレスポンスが向上している。

ディスプレイ自体も白画素を加えた「WhiteMagic」ディスプレイとなり、より明るく低消費電力に進化している。このWhiteMagicというのはソニーのコンパクトデジタルカメラ「DSC-RX1」など超高級機に搭載されているディスプレイ技術だ。

WhiteMagicで明るさを増したディスプレイ。

屋外を想定した明かりの下でもハッキリと見やすい表示をしてくれるWhiteMagic。

また、通信機能として「Xi」(LTE)に対応し、通信速度が向上したことも大きい。

Xi対応で通信速度も高速になった。

そして、らくらくコミュニティはユーザーが自分で個人サークルを作り、パーソナルなコミュニケーションができるように進化している。また、掲示板のテーマも拡充した。ビギナーユーザーが練習的に使える掲示板を作ることで、馴染みやすい環境を用意している。

「らくらくコミュニティ」も進化している。


■プレミアムという存在

そして、今回はらくらくスマホの延長上のらくらくスマホ2に加え、Google Playに対応した「らくらくスマートフォン プレミアム」が追加された。このプレミアムモデルでは、ユーザーが普通のAndroidアプリを使えるようになっている。また、デザイン的にもより高級感があるものとなり、背面の仕上げにもこだわりが見える。

らくらくスマホのシリーズに「プレミアム」モデルが追加された。

プレミアムでは、Google Playに対応している。

背面の仕上げにもこだわっているプレミアム。


■着実に進化しているらくらくスマホ2だが

らくらくスマホ2を展示場で実際に触ってみると、確かに「新・らくらくタッチパネル」はレスポンスがより軽快だ。液晶ディスプレイが大きくなったおかげで情報がより見やすいのもいい。ディスプレイの表示クオリティも高い。ユーザーの使いやすさが大きく進化している。

らくらくスマホ2。ディスプレイが大型化しながら、ボディがスリムに。操作感も軽快だ。

気になったのはボディがブラックのモデルはマット仕上げて滑らなくてイイのだが、ゴールドとピンクのモデルは滑りやすくて不安だ。

ブラック・モデルでは背面がマット仕上げになっていて滑りにくい。

らくらくスマートフォン2のカラーラインナップ。ブラック、ゴールド、ピンクの3色。


一方のプレミアムモデルは確かにデザイン的にやや高級感があっていいのだが、モバイル通信の契約が、らくらくスマホ独自の割安なプランが使えずに、普通のスマホ並のランニングコストになってしまうのが痛い。そして、プレミアムモデルもボディカラーがブラック・モデルはマット仕上げで滑りにくくていいのだが、ホワイトは滑りやすいので不安だ。

らくらくスマートフォン プレミアムもブラック・モデルは滑りにくい。レーザー加工でテクスチャを再現している。

カラーラインナップはブラックとホワイトの2色。


正直、らくらくスマートフォン プレミアムはメリットとユーザー層が読めない印象だ。使える機能を制限して使いやすさでバリューを出している らくらくスマホでGoogle Playをわざわざ使うこともないだろう。普通にGoogleアプリを使うスキルがあるならば、普通のスマホを使えばいい。

今回、プレミアムという新しいラインが追加されたものの、プレミアムは例外的な一部の人のためのもので、ボリュームゾーンはやはり、らくらくスマホ2であり続けるのだろう。

左がプレミアムで、右が2。プレミアムには「Playストア」ボタンがあることがわかる。

らくらくスマホ2とプレミアムのプリインストールアプリ。


■音声読上げが凄い

ちなみに今回の展示場でもっとも感心したのが多彩な音声読み上げ機能だ。視覚障害者などのために用意された音声読み上げの多彩なサポート機能が素晴らしい。多くの人には関係ない機能かもしれないが、このような細かいところにも真剣に取り組むのが日本メーカーの良いところだろう。今後、らくらくスマホを海外に販売していけば、このような独自機能が世界でも高く評価されるようになるのではないだろうか? らくらくスマホは世界で通用する商品だと確信した。

音声読み上げによるガイド機能は他のスマートフォンにはない特徴で、とても良くできている。

(記事:一条真人

【情報元、参考リンク】
富士通/らくらくスマートフォン2製品紹介ページ
富士通/らくらくスマートフォン プレミアム製品紹介ページ

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