NEC、スマートフォンからの撤退を発表。フィーチャーフォンとタブレットは継続

日本電気（以下、NEC）は31日、NECカシオモバイルコミュニケーションズが担う携帯電話端末事業の見直しを決定したと発表した。

この見直しにより、同社は同日付でスマートフォンの新規開発を中止し、現在販売中の機種をもって生産及び販売を終了する。販売したスマートフォンの保守に関しては引き続き行われるため、既存のNECカシオモバイルコミュニケーションズ製スマートフォンのユーザーはサポートを受けることができる。

ただし、前述したように新規開発は中止され、同社の「MEDIAS」シリーズなどのスマートフォン新製品は登場しないことになる。

一方、従来型携帯電話機（以下、フィーチャーフォン）の開発及び埼玉日本電気での生産は継続される。埼玉日本電気については、フィーチャーフォンの生産に加え、社会ソリューション事業で活用するということだ。さらに、タブレット事業についても継続される。

同社はスマートフォンの急速な普及など、携帯電話市場が大きく変化する中で、競争力を維持するためにはスケールメリットが重要となるとしている。ところが、同社のスマートフォンは出荷台数が減少傾向にあり、今後の業績改善を見通すことが難しくなっているということだ。このような状況を踏まえて同社はスマートフォン事業からの撤退を決定した。

なお、NECカシオモバイルコミュニケーションズの従業員のうち、継続事業に従事する従業員をのぞいて、NECグループ内で社会ソリューション事業を中心に再配置するということだ。

今回NECがスマートフォン事業から撤退することで、国内メーカーでスマートフォンを開発・販売するのはソニーモバイルコミュニケーションズ、シャープ、富士通、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、京セラの5社になった。

また、NECはフィーチャーフォンの開発と生産は継続するとしているが、フィーチャーフォンはスマートフォンの普及が進む現在の携帯電話市場においても一定のパイがある上に、スマートフォンほど競争が熾烈ではないため、同社が力を発揮し、競争力を維持できる可能性が十分考えられる。ただし、フィーチャーフォンについても大手通信各社は新機種をリリースしなくなってきており、今後の見通しは不透明だ。

【情報元、参考リンク】
NEC/プレスリリース