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KDDI、LTEの実人口カバー率の詳細を発表。5月末時点で下り最大75MbpsはiPhone 5が20%、Androidが97%。iPhone 5の下り37.5Mbpsは71%

KDDIは10日、都内でプレスカンファレンスを開催し、4月下旬、5月に4G LTE対応機種の通信サービスに影響を及ぼした通信障害の詳細と対策を明らかにした。あわせて、障害の影響を受けたユーザーへのお詫び対応などについて明らかにした。お詫びの対応についてはこちらの記事を参照してほしい。


さらに、4G LTE通信サービスの現在の実人口カバー率も明らかにした。

4G LTEの実人口カバー率についてKDDIは5月21日に消費者庁から不当景品類及び不当表示防止法第6条の規定に基づく措置命令を受けており、関係責任者が責任を取り、報酬の一部を返上することを明らかにしている。詳細はこちらの記事「消費者庁からKDDIに対して措置命令。LTEに関する不当表示が問題。田中社長はじめ計5人が報酬を一部返上へ」を参照してほしい。

この不当表示は、4G LTEの下り最大速度が75Mbpsのエリアの実人口カバー率の表記について誤解を招く表現があったことだ。下り最大75Mbpsの実人口カバー率は現在のところiPhone 5とAndroid端末では異なる。しかし、同社は昨年の一時期のホームページ上及び昨年11月、12月-2013年1月のカタログにおいて誤解を招く表示をしたと指摘されている。

今年3月末時点での下り最大75Mbpsの実人口カバー率はiPhone 5において14%、Android端末において96%だったが、iPhone 5でも96%だと勘違いして受け取ってしまうような表記だった。

今回、この実人口カバー率についても詳細が明らかにされた。

まず、iPhone 5とAndroid端末で下り最大75Mbpsの実人口カバー率が異なる理由は、両社で対応する周波数が異なることだ。iPhone 5は2.1GHz帯の4G LTEを利用し、Android端末では800MHz帯と1.5GHz帯を利用している。さらに、今年の夏モデルにはこの2つの周波数帯に加えて2.1GHz帯も利用する端末もある。

そして、下り最大速度が75Mbpsであるか37.5Mbpsであるかは、利用する帯域幅によって変わってくる。5MHz幅の場合37.5Mbps、10MHz幅で75Mbps、15MHz幅で112.5MHzとなる。

そして、800MHz帯の4G LTEで10MHz幅の実人口カバー率は3月末時点で96%、5月末時点で97%、2014年3月末時点の見通しで99%となっている。これはAndroid端末に当てはめられるので、Android端末の場合、5月末時点で下り最大75Mbpsの実人口カバー率は97%と言える。

次に2.1GHz帯の5MHz幅(主に37.5Mbps)の実人口カバー率は3月末時点で63%、5月末時点で71%、2014年3月末時点の見通しで80%となっている。すなわち、iPhone 5で下り最大37.5Mbpsを利用できるのは現在のところ実人口カバー率でおよそ71%となる。

そして、2.1GHz帯で10MHz幅(主に75Mbps)は3月末時点で前述のとおり14%、5月末時点で20%となっている。今年度末の見通しは現在精査中だ。この数字がiPhone 5における下り最大75Mbpsに対応したエリアを指し、5月末時点で実人口カバー率20%ということになる。

KDDIの場合、iPhoneとAndroid端末、2大プラットフォームの端末を扱っていることと、現時点でそれぞれ利用する周波数が異なることから状況が複雑化しており、その説明も難しくなってしまう。どうしても一言では説明し切れないので、誤解を招かないためには明確に区分して説明する必要がある。もしくはある程度詳しく説明されるべきなのだろう。

最後にKDDIにおける実人口カバー率の算出基準を紹介しておきたい。このカバー率の算出方法は事業者によって異なるので注意が必要だ。KDDIの方法は下記の通り。

■全国を500m四方に区分したメッシュのうち、サービスエリアに該当するメッシュに含まれる人口の総人口に対する割合

■メッシュの一部をエリアカバーしている場合には、該当するメッシュ内の面積カバー率(メッシュ面積率)を算出し、該当メッシュ人口×メッシュ面積率にてカバーされる人口を算出

【情報元、参考リンク】
KDDI/プレスリリース

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