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僅か1社の割当を巡る900MHz帯の申請。イー・アクセスが審査プロセスに対する要望書を提出

900MHz帯割当の審査基準
イー・アクセスは14日、総務省に対して900MHz帯の割当における審査プロセスに関する要望書を提出した。総務省は3.9世代移動通信システムの普及のため、特定基地局の開設計画の認定申請を昨年12月14日から今年の1月27日までの間、受け付けた。結果、NTTドコモ、KDDI/沖縄セルラー、ソフトバンクモバイル、イー・アクセスからの計4件の申請があった。

同省は1月30日、4件の申請があったことを公表し、2月10日には申請の受付結果の概要を報告した。

900MHz帯の割当はわずか1社しか受けられないこともあり、各社共に力を入れている。特にソフトバンクモバイルは8,207億円の設備投資を計画するなど、全体的な投資計画の規模が他の3社に比べて大きい。NTTドコモの設備投資額は2,313億円、KDDI/沖縄セルラーは2,536億円、イー・アクセスは1,442億円だ。

しかし、審査基準には設備投資額は含まれていない。投資について条件とされているのは、周波数移行に係る費用に関してだ。この額は上限2,100億円とされ、各社に差はない。移行費用の負担可能額はNTTドコモが2,100億円、KDDI/沖縄セルラーは2,122億5千万円、イー・アクセスが2,109億400万円で、いずれも2,100億円を超えているので同値とみなされる。

ほかにも絶対審査基準(最低限満たすべき基準)と競願時審査基準の項目がいくつかあるものの、具体的な数字の比較のみで判断できる要素ばかりではなく、難しい審査になる。他に単純な数字で比較できるポイントといえば、3.9世代携帯電話の人口カバー率(平成30年度末時点、5%単位)だが、NTTドコモは98%、KDDI/沖縄セルラーは98.2%、ソフトバンクモバイルは99.9%、イー・アクセスは99.4%と、5%単位で見た場合、優劣がつかない。

各社の計画で大きな差が見て取れるのは前述した設備投資額と、900MHzを使ったサービス計画、開始時期などになる。NTTドコモは11月にLTEで、KDDI/沖縄セルラーは2013年1月にLTEで、ソフトバンクモバイルは7月に3Gで、イー・アクセスは12月に3Gで開始という計画だ。

これら各社の計画は下記リンク先のPDFの資料に記載されているため、詳細はそちらを参照してほしい。

3.9世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画に係る認定申請の受付結果について(PDF)



そして14日、イー・アクセスはこの受付結果をうけ、総務省への要望書を作成・提出している。

同社は次の2点の要望を提示した。

1. 競願時審査項目の判断基準及び配点または優先順位に関して公表すべき
2. 競願時審査の対象となる申請内容についても開示すべき


1については、次のように述べられている。

「『競願時審査基準』の『周波数移行計画・MVNO 計画等(3)』項目に基づく審査に関しては、『総合的に最も適合している者』との記載に留まり、判断基準、及びその配点またはその中での優先順位といった詳細が明らかにされていません。貴省がどのような基準で評価し、結果としてどのように優劣をつけるのかを公表していただくことが必要と考えます。なお、『周波数の逼迫状況を割り当て周波数幅に対する契約数ではかること』は、事業規模が大きい申請者に対し著しく優位に働くことから、割り当て事業者を決定する上で適切でないことを申し添えます」

一方、2については次のような要望だ。

「4社の開設計画申請書の競願時審査の対象となる申請内容についても、経営に直接影響ある数値といったような各社の機微情報に配意した上で、判断基準となる申請書の該当箇所を公表していただくことが必要と考えます」

900MHzの割当は早ければ月内にも決まる予定のため、最終的にどのような結果になるのか、今後しばらくの間は高い注目を集めることになりそうだ。

【情報元、参考リンク】
イー・アクセス/プレスリリース(PDF)
総務省/3.9世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画に係る認定申請の受付結果
総務省/3.9世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画に係る認定申請の受付結果の電波監理審議会への報告

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