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【島田純のMobile×Travel】第102回:台湾・花蓮でシェアサイクル「oBike」に乗る

台湾の景勝地として有名な「太魯閣」(タロコ)にも近い都市「花蓮」にて、シェアバイク「oBike」をレンタルしてみました。

<▲図:台湾・花蓮にて「oBike」をレンタル>

「oBike」は、専用のポートを持たないドックレス型のシェアバイクサービスで、公共の駐輪場を使って、好きな場所で自転車をレンタル・返却できることが特長です。

このため、自転車を借りるために特定のポートに行く必要はなく、公共の駐輪場または路上に駐輪されている「oBike」をレンタルして使います。

<▲図:街中に駐輪されている「oBike」>

「oBike」のアカウント登録は、Facebookなどのアカウント情報を使って行えます。レンタル料金は15分毎にNT$ 2(約7.5円)で、アカウントへのチャージはプリペイド式。チャージ残高がゼロの状態では「oBike」のレンタルを開始することができませんが、日本で発行されたクレジットカードでも、問題なくチャージすることができます。

日本国内では提供されていない「oBike」ですが、サービスを利用するにあたっては、普段使っているSNSやクレジットカードを使用できるため、利用にあたって特に不便を感じることはありません。

筆者は、花蓮市を訪問する前に台北市にて「oBike」をレンタルしました。サービスを利用開始するにあたり、デポジット(保証金)を支払う必要はありませんでした。ただし、保証金に関しては、利用開始する国やタイミングによって異なる可能性があります。

「oBike」のレンタル方法は、スマートフォン向けの「oBike」アプリを使って利用可能な「oBike」を探し、レンタル可能な「oBike」を見つけたら自転車のQRコードを読み込ませてロックを解除します。

<▲図:アプリからQRコードを読み込んでロック解除する>

「自転車のQRコードをアプリで読み込ませてロック解除する」というロック解除方法は、2017年8月から札幌市にてサービスが提供されている「Mobike」などのシェアバイクサービスと同じなので、「Mobike」などのシェアバイクサービスを利用したことがあれば、迷うことは無いでしょう。

ただし、筆者が花蓮市や台北市にて「oBike」を試したところ、一見すると問題無くレンタルできそうな自転車でも、なぜか正常にレンタルできないことが多々ありました。

目の前にあって「借りられる」と思っていた自転車が借りられないのは、大きなストレスです。と言うのも、ポート型の「YouBike」と異なり「すぐ隣の別の自転車を借りられる」とは限らないため、別の自転車を改めて探さなければならなず、手間も時間もかかります。

また、「oBike」の自転車自体も、駐輪時に使用するためのスタンドが壊れていたり、ハンドルが曲がっていたりと、やや「壊れかけ」の状態のものが多数ありました。レンタルを開始する前に、自転車の状態をチェックした上でレンタルすると良いでしょう。

<▲図:状態が良好とは言えない「oBike」も多数>

台湾では北部の台北市や新北市を中心に「YouBike」サービスが普及しています。「YouBike」専用の駐輪ポートは街中に多数設置されており、市民の移動手段として日常的に使われているので、台北市内などで「YouBike」を見かける方も多いでしょう。一方、花蓮市では「YouBike」は提供されずに「oBike」が提供されています。

花蓮市では多数の「oBike」を見かけましたが、「oBike」を乗車中(レンタル中)の利用者を見かけることはほとんどありませんでした。街中に多数設置されているにも関わらず、使われるシーンを見かけることが無かった「oBike」は、壊れかけの自転車が多かったこともあり「始まったばかりのピカピカのサービス」というよりは、「少し前に使われていた(廃れた)自転車シェアリングサービス」という印象を受けました。

「oBike」のようなバイクシェアサービスは、都市部の地下鉄駅から目的地までなど、歩くとちょっと距離があるので自転車があったらラク、というようなシーンでの利便性が高いのですが、花蓮市には地下鉄が無いためか、そもそも移動手段として自転車に乗って移動するという市民が多く無く、「oBike」の利用者もまばらです。

筆者は花蓮駅から中心部へと徒歩で約30分ほど移動し、その後市内で「oBike」をレンタルし、トータルで約4時間ほど「oBike」を借りて移動していましたが、その間に見かけた「oBike」ユーザーは僅かに1名のみ。残念ながら花蓮市では「市民の足として根付いている」とは言い難い状況でした。率直に言って「苦戦してるなぁ……」というのが筆者の感想です。

また、台湾の最大都市である台北市内でも、先行してサービスを展開しているポート型の「YouBike」の利用者はアタリマエに見かけるのに対して、キャンペーンによって乗車無料だったにも関わらず、「oBike」の利用者はほとんど見かけることがありませんでした。台湾での「oBike」については今後の展開に期待したいところです。

【関連サイト】
oBike―自転車シェアリング - Google Play の Android アプリ


記事執筆者プロフィール
島田純
ブロガー/フリーライター
Twitter:@shimajiro、ブログ:shimajiro@mobiler

ブログとモバイルと旅が好きなフリーランスのブロガー/ライター。
モバイルWi-Fiルータやデータ通信関連が得意です。

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