【せう先生のスマホ講座】第22回:ドコモがついに「4G」を名乗った! でも、4Gとか「LTE」って、何なの?(完結編:規格上・商業上の「4G」)

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GAPSISをご覧の皆さん、「せう」です。こんにちは。ついに6月ですよ。先週は、「WIRELESS JAPAN」があったり、「ARROWS NX F-04G」が発売されたりと、なかなか忙しかったですorz 今週は、たぶん平穏無事にすごしている……はずです。

今月、やっとコレの話ができる……(流用を)

前々回は、携帯電話の第1世代(1G)から第3世代(3G)までを、前回は、3Gの“つなぎ”となる第3.5世代(3.5G)や第3.9世代(3.9G)について解説してきました。

とりわけ、前回の講座を読んだ方は、「なんで3.9Gのサービスなのに、auとソフトバンクは第4世代を示す『4G』をLTEサービスに付けてるんだ?」と疑問に思ったはずです。

これは、移動体通信規格上の「4G」と、商業上の「4G」の定義が異なっているからなのです。今回のスマホ講座では、規格上と商業上、2つの「4G」について解説します。

■移動体通信規格上の「4G」――規格上の第4世代

前回、前々回の記事でも出てきた、国際連合の電気通信を担当する機関「国際電気通信連合(ITU)」では、「第4世代移動体通信」、つまり「4G」として認めているのは「LTE-Advanced」と「WiMAX 2」の2規格です。このうち、後者は、前回のWiMAXの項目で解説済みです。ですので、もう1つの4GであるLTE-Advancedについて解説します。

<LTE-Advanced――その名のとおり、「長期の発展」を目指した規格がさらに進化>

LTE-Advancedは、“Advanced”(進んだ)の名が示すとおり、3.9世代(3.9G)規格のひとつ、LTE(Long Term Evolution)を高度化したものです。高度化要素としては、離れた周波数帯の電波を束ねて、通信の安定化と速度改善を目指す「キャリアアグリゲーション(CA)」、広い範囲をカバーするマクロセル基地局と、狭い範囲をカバーするスモールセル基地局を組み合わせて集中管理する「高度化C-RANアーキテクチャ」の2つが中心です。

auのキャリアアグリゲーションロゴ

日本では、au(KDDIと沖縄セルラー電話)が「au 4G LTE」において、2014年夏モデルからLTE-Advancedの要素技術としてのCAに対応し、下り最大150Mbpsでの通信が可能になりました。そして、今夏モデルからは、下り最大225Mbpsに対応しました。

一方、ドコモはCAと高度化C-RANを組み合わせて、今年の3月から“真の”4Gとして、「PREMIUM 4G」のサービスを開始し、下り最大225Mbps(全国3か所のみ下り最大262.5Mbps)の通信が可能となりました。

auとドコモで導入時期が違った理由としては、手持ちの周波数帯の違いにあると思われます。ドコモは、1.7GHz帯(関東甲信越、東海、関西エリア限定)か1.5GHz帯(全国)で、CAを使わずに、それぞれ112.5Mbps、150Mbpsの通信ができました。それに対し、auは、メインの800MHz帯では、3G(CDMA2000)のためにある程度帯域を確保しなければならず、下り最大75Mbpsが限界で、サブとして使っていた2.1GHz帯と“束ねないと”ドコモに対抗出来なかった、という事情もあります。

ソフトバンクでは、表立って公表していませんが、今夏モデルのうち、「Galaxy S6 edge」「Xperia Z4」「AQUOS Xx」の3機種で「SoftBank 4G LTE」のCAに対応し、下り最大187.5Mbpsで通信できるようになってます(SoftBank 4G[AXGP]のCAにも対応しています)。表立って公表していないのは、ドコモやauのCAよりも速度が出ないからなのでしょうか。


■商業上の「4G」――市場の“混乱”を避けるため、定義を拡大

今でこそ、au 4G LTEも、SoftBank 4G/4G LTEも、LTE-Advancedの要素技術を採用し、WiMAX 2+と合わせて名実ともに4Gを名乗ることは問題ありません。しかし、auとソフトバンクはこの要素技術を取り入れる前からサービス名に「4G」と付けています。実は海外ではこういう事例は少なくなく、LTEサービスはもちろん、3.5Gに相当するHSPA+規格のサービスにも「4G」と付けてしまっているケースもあるのです。

これは、アメリカで、従来の3Gとは“違う”ということをアピールするために3.5G相当のサービス名に「4G」を付けたい、と主張したことが発端です。当初、ITUは、HSPA+(あるいは、これから策定されるであろうLTE)は「第4世代規格ではない」ことを理由にその主張にくみしませんでした。が、最終的には折れて、「当初の3G規格と比較して相当な速度・品質面での改善が行われている」ことを条件に、サービス名に「4G」と付けることを認めたのです。

それもあって、auやソフトバンクのカタログ類では、わざわざ、「『4G LTE』は、国際電気通信連合(ITU)がLTEを『4G』と呼称することを認めた声明に準じております。」という旨を断り書きしています。一方、ドコモが頑なに「Xi(クロッシィ)」に4Gを付けなかったのは、規格上の4Gではないから、っていうところです。さすがはLTEの生みの親です。

ということで、長々としてしまいましたが、移動体通信の規格についての講座は以上で終わりです。ありがとうございました!

次回からは、また別の話題で講座を…!!


記事執筆者プロフィール
せう
ブログ:せうの日記、Twitter:@shoinoue

静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。

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