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【取材レポート】イー・モバイル Nexus 5発表会 前編:端末、料金、Google Play販売品との違いなど

「EMOBILE(イー・モバイル)」ブランドでモバイル通信サービスを展開するイー・アクセスは1日、都内でプレスカンファレンスを開催し、米Googleの「Nexus」ブランドのAndroidスマートフォン「Nexus 5」を11月中旬より販売することを明らかにした。

Nexus 5は米国時間の10月31日11時、日本時間の11月1日3時にGoogleによって発表されたNexusシリーズの最新モデルだ。Googleは自社で運営する「Google Play」において日本でも同日より販売を開始し、3日となった今、すでに注文したNexus 5が手元に届いている方も多いと思う。
Nexus 5を掲げるイー・アクセス代表取締役社長エリック・ガン氏

端末の詳細レポートはGAPSISでも実機をしっかりと触ってからとする予定だが、まずはイー・モバイルの発表会とそこで展示されたデモ機の紹介をしたいと思う。


《発表会プレゼンテーション》

発表会のプレゼンテーションはイー・アクセスの代表取締役社長エリック・ガン氏によって行われた。同社のプレスカンファレンスではガン氏ら参加者は、通常スーツを着ているのだが、今回はなぜかTシャツにジーズンという装い。また、プレゼンテーション後に行われたNexus 5の実機の展示ブースにおける説明員の方々までもカジュアルなスタイルとなっていた。

Tシャツにジーンズというカジュアルなスタイルで登壇したガン氏。

まるで米国のITベンチャーが行うカンファレンスのような雰囲気で、これまでのイメージとは全く変わっていた。個人的な感想としては、今回のカジュアルなスタイルの方が、コンシューマー向けのIT製品の発表会には良いように感じた。ガン氏自身、カジュアルなスタイルによって普段よりも明るく楽しそうな印象が自然と出ており、取材に来ている記者陣にもその雰囲気が伝わってきた。

以下、プレゼンテーションの概要をお伝えしていきたい。


◆Nexus 5

プレゼンテーションではNexus 5の概要が主に紹介された。Googleが10月31日にNexus 5を発表したこと、そして最新のOSであるAndroid 4.4(開発コード「KitKat」)、約5インチのフルHD液晶ディスプレイ、360度撮影可能なカメラ機能、最先端のCPU(Qualcomm Snapdragon 800 クアッドコア2.26GHz)を搭載し、「薄く、軽く、速い」ことが特徴の端末。


Nexus 5の特徴

ガン氏自身がこの2週間Nexus 5を使い、「薄く、軽く、速い」を実感したという。とはいえ、Nexus 5の魅力を一言で上手く伝えられる言葉がなかなか思いつかず、ともかく「It's cool!」に尽きるようだ。

Androidの開発コードはスイーツから採られているが、「Cupcake」の「C」から始まり、今回の頭文字は「K」。Kで始まるものとして、1866年に創業したスイスのNestleの世界的人気チョコレート菓子「KitKat」が選ばれ、Android 4.4のコードは「KitKat」に決まった。KitKatの歴史は何と78年。さらに今回、Nestleに協力してもらい、プレスカンファレンスに出席した記者陣には特製KitKatが2つプレゼントされた。特製キットカットについてはAppComingで詳しくレビューされているので、参照してほしい。

・「発表会で配られたKitKat」(AppComing)

Androidの開発コードネームについて紹介するガン氏。


NestleとKitKatについて紹介。4つ目の写真が実際にプレゼントされたキットカット。

続いてNexus 5の特徴を掘り下げていく。液晶ディスプレイは5インチのフルHD解像度のIPS液晶。1920×1080ドットで画素密度は445ppi。ディスプレイサイズは大きいものの、ボディの幅は約69mm。しかもアドバンスド・インセル・ディスプレイと呼ばれる技術を採用し、ディスプレイが非常に薄いので、ボディの厚みも8.6mmとスリム。

また、5インチ・フルHDクラスのスマートフォンでは最軽量となる130gという重さも実現している。



メインカメラは有効画素数約800万画素で、光学式の手ブレ補正機能も搭載している。カメラの機能として、360度撮影機能も利用できる。CPUはSnapdragon 800なのでとても速い。ネットワークではLTEに対応し、周波数は1.7GHzと2.1GHz、3Gは900MHzと2.1GHzをサポートする。

カラーはホワイトとブラックの2色展開。




ガン氏は続いてお気に入りのGoogleサービスを軽く紹介。Google Earth、Gmail、YouTubeなどがお気に入りということだ。また、Android 4.4ではホーム画面などで「OK、Google」と話しかけることですぐに検索したりGoogle Mapsを使うことができる。そのデモが披露された。


◆料金

「4G-Sプラン」は通常月額980円だが、「4G-Sスマホ割」を利用すれば2年間無料となる。この「4G-Sスマホ割」はNTTドコモ(以下、ドコモ)、auなどからMNPで新規契約する方が対象の割引サービス。そして、パケット通信量は2年間 月額3,880円。通信制限なく利用できるデータ通信量は月々5GB。


次に端末価格だが、2年契約で分割購入の場合、頭金は0円で、最終的な実質負担額は10,080円となる。各月の分割支払金は2,100円だが、「月額割引-S」が1,680円あるので、差し引き420円/月の負担となる。これが24ヶ月分で総額10,080円だ。一括の場合、端末の頭金は50,400円だが、店頭キャンペーンによって39,800円となる。ドコモ、auからのMNPの場合はさらなる値引きで24,800円となる。

まとめとして、端末負担額も含めた月々の料金は、分割払いの場合は月々4,615円、一括の場合は2,515円となる(下図参照)。




また、「Pocket WiFi」のユーザーの場合はさらにおトク。「GL09P」と「GL10P」(12月以降発売予定)では「Wi-Fiセット割」が利用できる(もしくはソフトバンクの203Zか301HW)。Wi-Fiセット割を利用すれば、スマートフォン1台あたり月額980円割引される。最大5台まで適用可能。




◆発売日、取扱い店舗

販売開始時期は11月中旬の予定。予約受付は11月2日から開始済み。取扱い店舗は大手家電量販店、イー・モバイルショップ、ウィルコムプラザ、併売店・イー・モバイル取扱店。なお、Google Playでは既に販売開始しているのにイー・モバイルでは2週間ほど遅れる主な理由は、サポート準備に掛かる期間の確保ということだ。各サービスの検証作業など、サポート提供に向けた準備に約2週間の時間を要するため、若干遅れることになっている。



◆取扱いモデル、Google Play販売品との違い

Nexus 5にはホワイト、ブラックの2色のカラーバリエーション、そして内蔵ストレージ容量が16GBもしくは32GBというラインナップがあるが、イー・モバイルでは16GBのモデルのみを扱う。カラーは2色揃える。型番は「EM01L」。ただし、Googleが「Google Play」で販売する16GBモデルと全く同じものであり、EM01Lの表記などもされない。

また、SIMロックも掛かっていないので、対応する通信事業者のネットワークであれば、そのSIMカードを挿せばそのまま使うことができる。

通常のイー・モバイルのスマートフォンでは「Pocket WiFi」ウィジェットなどのプリインストールアプリがいくつかあるが、今回のNexus 5ではそれらの導入もない。Google Play販売モデルと全く同じで、イー・モバイルによるカスタマイズはない。

キャリアメールについては、Googleの「ハングアウト」を使って利用する。ハングアウトはAndroid 4.4からSMS/MMSが統合され、そこで利用できるということだ。

では、Google Playで購入するのと何が違うのかと言えば、サポートの有無、購入形態及び料金ということになる。イー・モバイルで購入した端末の場合はイー・モバイルでのサポートを受けられる。もし何台か持っていたとしてもGoogle Play販売モデルと全く同じ製品なので一見しても見分けが付かないことになるが、当然Google Playで購入したNexus 5についてはイー・モバイルではサポートしない。見分けは製品の製造番号(IMEI)で判断されるので、Google Playで購入したものをイー・モバイルショップへ持ち込んだとしてもサポートは受けられない。

なお、Google Playで現在販売されているNexus 5は購入後にシステムアップデートを行うことになるが、イー・モバイルで販売される製品についてはアップデートを適用した状態となるので、購入後の手間が若干不要になるということだ。


後編では発表会場で展示された実機の写真、動画を主に紹介していきたい。

【情報元、参考リンク】
イー・アクセス/プレスリリース
Google Play/Nexus 5製品紹介ページ

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