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【一条真人的Androidライフ】第8回:Google Playブックスが日本市場にもたらすもの

Google Playにブックスが追加された
先月、ついに「Google Play」に電子ブック販売の「Google Playブックス」ができた。これは日本語の電子ブックを読みたい人には喜ばしい限りである。これで日本の電子ブック市場もより活性化しそうだ。

なぜ今まで日本の電子ブック市場が活性化しなかったのか? と言えば、やはりコンテンツ数があまり豊富ではなかったということと、サービスの寿命だろう。サービスの寿命は電子ブックでは特に重要だ。何しろ、そのサービスが終わってしまえば、購入した電子ブックを読むことができなくなってしまうのだから。

先日、楽天がこれからは「kobo」を電子ブックプラットフォームとしてやっていくためか、従来の電子ブックサービス「Raboo」を2013年3月31日に終了させると発表した(「Raboo終了のお知らせ」)。

Raboo終了後もダウンロードしたコンテンツは見られるが、再ダウンロードができなくなるという。サービス終了をフォローするため、楽天ではkobo移行サービスとしてkobo touch 3,000円割引クーポンプレゼントやRabooで購入したコンテンツ代金の40%相当のポイントをプレゼントするというが、コンテンツ料金はユーザーに100%バックされるわけではない(ショーバイなので当たり前とも言えますが)。

何にしても、電子ブックサービスにとって、サービスが終了してしまうというリスクはユーザーサイドから見るとコワイものだ。

Google Playブックスでありがたいのは、それが世界的なIT企業であるGoogleが提供するサービスであるため、ちょっとやそっとでは終了しそうにない点。プラットフォームとしての安心感はかなり高い。

Androidユーザーであれば、アプリのダウンロードのためGoogle Playへ頻繁にアクセスすると思うが、そのついでに本を買ってしまうというケースも増えるだろう。また、僕も最近購入した7インチ液晶を搭載したタブレット「Nexus 7」などは電子ブックリーダー端末としてもかなり良い感じだ。

コンテンツの充実度も悪くない。PHP研究所のビジネス書なども揃っているのでビジネスユーザーが外出先の空き時間などに読むのも悪くないし、英語の無料の本も多いので英語を勉強したい人にもいいだろう。

左:ビジネス書もある。右:無料の英語コンテンツも多い。

Google Playブックスは間違いなくAndroidの使い道を広げてくれそうだが、さらにiPhoneやiPadでも利用できるため、さまざまな端末を持っているユーザーには便利だ。

Google Playブックスは現在の日本の電子ブックサービスのなかでは最強の部類に入ると思うが、その真のライバルは、今後登場するアマゾンの「Kindle」になるだろう。Kindleが登場したからと言っても、一人勝ちになるのでは面白くない。そのライバル的存在がないと電子ブック市場の発展もないだろう。この2つのサービスが今後の日本の電子ブック市場のコアとなっていくのかもしれない。

アプリを起動すると、購入した本の表紙がサムネイル表示される。


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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