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NVIDIAとIntellectual Ventures、共同でIPWireless社のワイヤレス関連特許を約500件取得。LTE、LTE-Advanced、3G/4Gの基本コンセプトにかかる特許も含む

米NVIDIA(エヌビディア)は14日(米国時間)、IPWireless社が開発・所有していた一連の特許をIntellectual Ventures社(以下、IV)と共同で取得したと発表した。後日、日本向けにも改めて本件が発表された。

今回両社が取得した特許ポートフォリオはワイヤレス通信分野における取得済み・申請中の特許をあわせて約500件で、このなかにはLTE、LTE-Advanced、3G/4Gの基本コンセプトに関するものが含まれている。

特許買収契約は4月30日(米国時間)に合意に至り、今回発表された。詳しい契約内容は非公開ながら、買収した特許の所有権はNVIDIAとIVが分け合う形となり、取得しなかった分の特許についてはNVIDIAがライセンスを受けることになっている。

また、特許を売却したIPWireless社は今後も使用料を支払うことなく当該特許を利用することができる。

本件についてNVIDIAの上級副社長兼顧問弁護士のDavid Shannon(デイビッド・シャノン)氏は次のように述べている。

「NVIDIAはグラフィックス、ビジュアル、モバイルのコンピューティング分野で基本特許を数多く押さえていますが、今回の買収はそれを補完するものだと言えます。今回、さまざまな特許をIntellectual Ventures社と共同で取得したわけですが、これは、今後、モバイル関連ビジネスの拡充に大きく役立つでしょう」

また、IVの発明投資ファンド担当上級副社長、Loria Yeadon(ロリア・イードン)氏は次のようなコメントを寄せている。

「今回の買収で、IVは、幅広い技術分野に関係がある戦略的な特許ポートフォリオを手にすることができました。NVIDIAと協力し、比較的短い期間で契約をまとめたわけですが、NVIDIAが戦略的目標を達成できるような形にまとめることができました。この投資により、今後は、規格に欠くことのできない特許や重要な発明が利用できるようになり、活発な発明市場の構築をリードする当社の立場がさらに強化されることでしょう」

特許を売却したIPWirelessはワイヤレスのブロードバンド接続、ブロードキャストのパイオニアとして、最先端のワイヤレス技術に関する発明を数多く生み出している。一方、NVIDIAと共に今回の買収を行ったIVは、発明者と発明の売り手・買い手が優れたアイデアに対して対価を得られる、活発な発明市場を構築することに取り組んでいる。

IPWirelessのCEO、Bill Jones(ビル・ジョーンズ)氏は次のように述べた。

「利用しつづけられる形で特許ポートフォリオを売却できたので、今後も、市場をリードする製品を開発し、顧客各社にお届けしてゆくことができます。なお、IPWireless社としては、今後も、4G LTEを初めとするワイヤレス関連の知的財産に投資を続け、新しい発明を生みだしてゆきたいと考えています」

NVIDIAは主にGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)の開発に取り組む企業で、従来はPCの分野で存在感を示してきたが、近年はスマートフォン、タブレットなどのモバイル機器、車載インフォテインメント・システムなどの製品分野にも手を伸ばしている。

特にモバイル向けプロセッサ「Tegra 2」はAndroid(アンドロイド)タブレットで広く採用され、その後継モデルである「Tegra 3」の採用事例も増えている。一方で、モバイルプロセッサの分野では米Qualcommなど複数のライバルメーカーがおり、競争は激化している。

NVIDIAが保有する特許は申請中のものも含めると4,500件以上に上っているが、今回、ワイヤレス技術の分野における特許を新たに取得したことで、特許ポートフォリオの強化を図り、今後の魅力的な技術開発・製品開発に結びつけることが期待される。

【情報元、参考リンク】
NVIDIA

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