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au、量子コンピューティング技術で通信品質改善。基地局間の影響を考慮すべき設定を超短時間で最適化

KDDIは量子コンピューティング技術を活用して携帯電話サービスの基地局の通信品質の改善を図る取り組みを1月・2月に実施した。具体的には東京都・神奈川県の一部の基地局約1,000局の設定を量子コンピューティング技術を用いて自動でまとめて最適化したという。これによって対象のauネットワークの通信速度が向上し、以前よりも快適な通信環境を実現したようだ。

「デジタルアニーラとは」
<▲画像:「デジタルアニーラとは」(※富士通公式サイトより。説明文の配置は加工)>

同社は今後、量子コンピューティング技術を活用し、東名阪(東京、名古屋、大阪)の都心部を中心として4G、5Gのさらなる通信品質の向上を目指すという。

そもそも携帯電話サービスの基地局には複数の基地局間で影響を考慮しなければならない設定があるという。

その設定を最適化できれば通信品質が向上するものの、多くの基地局を対象に従来型の手法、汎用コンピューターによる総当たり計算で最適解を探すには年単位の時間が掛かるという。そのため、現実的な時間で多くの基地局の最適化を行うことはそもそも困難だったという。

そして今回同社は富士通が開発した量子インスパイアード技術である「デジタルアニーラ」とKDDIが保有する効率化のための特許技術を活用することで、約1,000局の基地局の最適化を約60分で計算することに成功し、従来手法ではできなかった精度の品質改善が可能になった。


前述したように今後は東名阪の都心部を中心に通信品質の向上を目指すとのことで、その効果に期待したいところ。

情報元、参考リンク
KDDI/日本初、量子コンピューティング技術で通信品質を改善
富士通/デジタルアニーラ

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