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【レビュー】ライカ監修カメラの実力は? AQUOS R6を試す! 大型1インチイメージセンサーの力を検証

シャープが2021年夏モデルとして投入したフラッグシップ・スマートフォン「AQUOS R6」。ドイツの老舗カメラメーカーであるLeica(ライカ)の監修による光学レンズ設計及び画質、そして1インチの大型イメージセンサーを搭載する高機能カメラを特徴とするハイエンドスマホだ。供給先の通信キャリアはNTTドコモ(以下、ドコモ)とソフトバンクで、それぞれすでに6月25日に発売済み。

<▲写真:「LEICA」監修の高性能カメラが魅力の「AQUOS R6」>

本記事では、ソフトバンク版のAQUOS R6を使ったファーストインプレッションをお届けしたい。もちろんドコモ版を購入予定の方にも参考になると思う。

なお、AQUOS R6の価格は本記事執筆時点ではドコモ版が115,632円(税込、以下同)、ソフトバンク版が133,920円だが、ドコモでは「スマホおかえしプログラム」を利用して返却した場合には2年間の実質負担額は77,088円、ソフトバンクでは「トクするサポート+」を利用して2年間使って返却した場合の実質負担額は66,960円と、2年間の実質負担額でみるとソフトバンクの方が安いという逆転現象が起きる。端末のコストだけで考えると返却せずに長く使う場合にはドコモ版、2年程度使って返却するのであればソフトバンク版の方が抑えられるということになる。


基本的なスペックは共通しているが、通信速度に関してはドコモとソフトバンクとで通信サービス自体での理論値が異なるので、当然AQUOS R6側での速度も変わってくる。ドコモ版では5Gで下り最大4.2Gbps、上り最大218Mbps、4Gでは下り最大1.7Gbps、上り最大131.3Mbps、ソフトバンク版では5Gで下り最大2.4Gbps、上り最大110Mbps、4Gで下り最大838Mbps、上り最大46Mbpsとなっている。

それでは実際にAQUOR R6のレポートをしていきたいが、まずはライカ監修カメラを搭載したスマホの変遷から簡単に振り返っていきたい。

そもそもライカ監修と言えば、ファーウェイ(HUAWEI)製のスマートフォンのうち、フラグシップモデルである「P」シリーズや「Mate」シリーズが思い出される。色再現やライカカメラを意識した初期モデルのカメラアプリにおけるUI(ユーザーインターフェイス)は、カメラとしての「持つ」「使う」楽しみがあった。

下に掲載した画像は「HUAWEI Mate 10 Pro」のカメラアプリのUIだが、「ISO 3200」や「S 1/13」などの項目のフォントはライカのカメラ/レンズで使われてきたフォントと同じであり、細部への拘りが感じられた。

<▲写真:初期の「HUAWEI Mate 10 Pro」などのカメラアプリのUIには、ライカのカメラやレンズに刻印された文字フォントを取り入れて、プレミアム感を出していた>

下の写真もMate 10 Proで撮影した例だが、フィルムカメラのような色合いで、カメラとしての完成度が高いことが伝わると思う。同時期にリリースされた「HUAWEI P10」シリーズもお勧めだ。

<▲写真:「HUAWEI Mate 10 Pro」で撮影した写真>

一方で、AIによるシーン認識機能がスマートフォンカメラの画質競争の要素として強くなると、メーカー監修による色再現を超えた新たな表現力を持つようになった。下の写真は「HUAWEI Mate 20 Pro」で撮影したものだが、オート撮影機能をサポートするAIによって美しい写真が撮れるようになった。

<▲写真:こちらは「HUAWEI Mate 20 Pro」での撮影例>

スマートフォンのエントリーモデルでも、逆光や人物撮影など様々な分野で使われているHDR(ハイダミニックレンジ)や、風景を鮮明に切りだすビビッドな色合いなど、「映える」写真を作るような傾向になったように思う。

下に掲載した「HUAWEI nova 3」は同じファーウェイ製スマートフォンながらライカ監修カメラではなく、メリハリのある「映える」HDR補正が際立つ。この頃から他メーカーもHDRやAIによる画作りで個性を出すようになってきた。

<▲写真:「HUAWEI nova 3」での撮影例>

そして、今夏発売になったAQUOS R6は、こうした流れと逆行するような、いわゆる「ライカ画質」と呼ぶべき方向性のライカ監修であるところが興味深い。上記のnova 3の写真とMate 10 Proの写真を比較すると、ライカ監修の画質では、デジタル臭さが無いリアルな雰囲気を写し出すアナログ的な写真画質を貫いていることがわかる。

このような過去のライカ監修カメラの特徴を踏まえた上で、AQUOS R6を見ていきたい。

まずは外観、ディスプレイからいこう。

<▲写真:「AQUOS R6」の前面。6.6インチ、1,260 x 2,730ドットの解像度の有機ELディスプレイを搭載する>

ディスプレイはシャープ製のハイエンドIGZO液晶を搭載してきた従来のAQUOS Rシリーズとは異なり、「AQUOS Zero」シリーズの特徴であったOLED(有機EL)ディスプレイを搭載する。

画面の左右両端部分を曲面にし、前面の画面専有面積を極限まで広げた、約6.6インチサイズで解像度がWUXGA+(1260×2730ドット)のディスプレイだ(上の写真と下の参照参照)。OLEDの発色や輝度などディスプレイとしてのインパクトを強めて、ライバル機と比較しても見劣りしない要素を盛り込んで来たと言える。

<▲写真:「AQUOS R&」の底面。3.5mmオーディオ端子も装備する>

また、省電力性能によって普段使う上で長時間の連続使用ができる点や、高速240Hz駆動によるゲーミング要素としての特徴も訴求している。

<▲写真:「AQUOS R6」でGAPSISを表示した状態で手に持ったところ。「ピックアップ記事」エリアの3記事に加え、その下の広告バナーまで表示できるほど縦方向の表示領域が広い>

一方で、ラウンドした左右のエッジ部分は、正面から見ると光が弱まってしまうため、暗く見えてしまう(上の写真参照)。これは慣れてしまえば気にならなくなるのだが、エッジ部分まで表示領域を広げるのではなく、正面から見えるギリギリまで表示して、エッジ部分はあえて非表示にする割り切りがあっても良かったのではないかと感じた。

CPUにはハイエンドスマートフォン向けの「Qualcomm Snapdragon 888」、内蔵メモリーは12GB、内蔵ストレージは128GBだ。

最大240Hz表示(※実フレーム120+黒フレーム120による最大240Hz)に対応するディスプレイと相まって、スクロール操作も滑らかに追従する。この高リフレッシュレート表示はゲーミングに活かされるべき機能だが、実は全てのゲームで利用できるわけではないのは残念だ(※対応ゲームアプリのみ)。これはAQUOS R6側ではなく、ゲームアプリ側での対応なので、シャープとしても難しいところだと思う。

また、長時間のゲームや動画視聴などがスマートフォンの使い方のひとつとして定着してきた昨今だが、気になるのはバッテリーの持ちと、充電しながらの操作によるバッテリーへの負荷だ。

AQUOS R6には、「充電」と「給電」を切り替えられる設定がある。給電設定ではバッテリーへの充電をパスできる。こうすることで、バッテリーを充電する際の発熱を抑えて、負荷をかけずに安心して長時間使用することが可能となっている。

しかし、充電から給電に切り替えた後、充電に戻すことをウッカリ忘れてしまいそうだ。ところが、この対策も考えられていて、画面がオフの時に自動的に充電に切り替わる設定をできるようになっている。こうしておけば、スマホを使っていないときには充電、スマホを使っている時には給電、という運用が手軽にできる。

あまりフィーチャーされにくいポイントだが、意外に便利な機能だと言えるだろう。

さて、話を再びカメラに戻したい。背面のカメラ(アウトカメラ、リアカメラ)には、有効画素数約2020万画素の1インチイメージセンサーを搭載している。1インチと、大型化したイメージセンサーに対して、背面のレンズの飛び出しはそれほど大きくない。それでいて35mm判換算で約19mm相当の超広角レンズを搭載している。

<▲写真:「AQUOS R6」のアウトカメラ。1インチのイメージセンサーに、35mm換算で19mm相当の超広角レンズを搭載する>

多焦点レンズではないため、望遠ズームなどは中央部の切り出しとなるが、1インチのイメージセンサー画質のおかげで、超広角から広角撮影までは十分な解像感がある。二倍以上となるとPCの画面上で等倍確認すると甘い画像ではあるが、スマートフォンの画面上ではそれほど気になることはないように思う。下に掲載した撮影例を参照して欲しい。

<▲写真:カメラ標準の35mm判換算19mmの広角撮影>

<▲写真:上下左右をクロップした1.2倍ズームは24mm相当>

<▲写真:画面上で簡単に切り替えられる2.6倍ズームはおよそ50mm相当となる。画質はデジタルズーム特有の線が太く甘いものとなる>

センサーサイズが大きく、1画素ごとのサイズも大きいため、ノイズリダクション処理を強く掛ける必要がないようで、グラデーションの滑らかさや色の濁りのなさ、そして自然な解像感がある、カメラらしい特徴の画作りとなっている。

下の撮影例は、AQUOS R6と「Pixel 5」での比較だ。

<▲写真:「AQUOS R6」での撮影。右下のレンガ部分を等倍で切りだしてみた。細かい線まで解像している>

<▲写真:「Pixel 5」での撮影。同じくレンガ部分を等倍で切りだし。レンガ部分はつぶれてしまっている>

写真右下のレンガ部分を等倍で切り出したものを枠内に表示させたものだが、Pixel 5ではレンガの細かな描写ができずにつぶれている一方で、1インチのイメージセンサーを搭載するAQUOS R6では細かい線まで解像していることがわかる。

多くのAndroidスマートフォンが採用しているような強烈なHDRや色鮮やかさがないため、暗く地味な印象から物足りなさを感じ、時代とは逆行する不思議な感覚を受ける。今のスマートフォンのカメラは、どんなシチュエーションでも白飛びや黒つぶれすることがないよう、HDRで綺麗な画作りをすることが当たり前になっているのだということを実感させられる。

このような「地味」とも取れる画作りは、ライカ監修の範疇に収める必要があるために極端な調整を入れることができなかったからなのかは定かではない。逆光時などには、ユーザー自らがしっかりと露出調整をして撮影する必要があり、こうした部分をカメラ的な魅力だと思えるかどうかがAQUOS R6の評価を分ける要素になりそうである。

カメラ的な魅力といえば、下の撮影例のように手前にピントを合わせることで光学的にぼかしを作ることができるなど、カメラらしい表現を作り込める面白さもある。

<▲写真:イメージセンサーが大きいため、手前にピントを合わて光学的にぼかしを作ることができる。カメラらしい表現を作り込めるのが面白い>

大型イメージセンサーのおかげでノイズが少ないため、夜景の撮影でもしっかりと情報が残っている点も魅力だろう。

<▲写真:従来のスマートフォンよりノイズが少ないため、夜景撮影でも情報がしっかりと残っている>

しかし、画面内に光源がある場合には派手なゴーストの出方をする点には注意が必要かもしれない。スマートフォンのギリギリの薄さに高精度なレンズを組み合わせて超広角レンズを実現しているためなのか、下の撮影例のように大きなゴーストが出てしまう可能性があるので、構図を考えて撮影する必要がありそうだ。

<▲写真:画面内に光源がある場合にはゴーストが派手に出がちだ>

いくつか撮影例をもって紹介してきたが、AQUOS R6のカメラでは、派手な画作りをしていないため、数年後に写真を見返しても古さを感じることがないと思う。とはいえ、初心者でも扱いやすいHDRモードなどがあっても良いのではないかとも感じた。カメラ好きにはRAW撮影も可能だし後から調整できるものの、できればカメラアプリ自体にコントラストや彩度を登録できるモードがあると愛着がさらに沸くのではないだろうか。

また、シャープ独自のカメラUIが必要最小限しかないことも寂しいと感じた。例えば、オートモードでもシャッタースピードとISO感度が表示されるなど、もう少しカメラらしい演出があっても良いのではないかと思う。この辺りは、将来的なアップデートで機能追加などがあるかもしれないし、期待したいところだ。

<▲写真:カメラアプリのUIにはシャープ独自のものが必要最小限しかない>

動画撮影に関しては、4K(3840×2160ドット)撮影に対応しているが、残念ながら「AQUOS R5」にはあった8K(7680×4320ドット)撮影はできない。

4K動画は最大60Pの滑らかな撮影が可能だが、発熱の関係で10分以上の撮影において熱で停止することがあった。フレーム数が少ない4K30P撮影でも10分以上の撮影では熱による停止があったので、大型のイメージセンサーとハイエンドチップセットSnapdragon 888を効率良く冷やすのは一筋縄ではいかないようだ。

<▲写真:「AQUOS R6」の背面デザインもスタイリッシュだ>

それではまとめに入りたい。AQUOS R6は、ハイエンドらしい性能と大型1インチセンサーによるワンランク上のカメラ画質を実現したスマートフォンだ。

「スマートフォンがあるからデジカメはいらない」、それを大型イメージセンサーと画作りで実現したことが大きい。そういう意味では、カメラ好きなら楽しめる1台であると思う。

一方で、手軽に綺麗で映える写真を楽しみたいというユーザーには最適ではないかもしれない。もちろん、サードパーティー製のカメラアプリを活用するなど、使い方で色々と幅を広げることもできるとは思う。また、ハイエンドのチップセットやイメージセンサーの熱処理はかなり厳しいようで、手が触れることが多い本体下部の金属部分が特に動画撮影後には熱くなったことにも触れておきたい。後からケースを装着することで対処できる部分もあると思うが、店頭で実機を触る際には、熱に関しても確認した方がいいだろう。人によって熱に対する感覚も異なると思う。

シャープのフラグシップスマートフォンということで、性能やカメラに魅力を抱いて購入するかと思う。その期待に応えるよう、今後のファームウェアの更新で機能の追加や改善に力を注いで、満足度の高いスマートフォンに育てて欲しい。


なお、上に掲載したのはシャープの新製品発表会において撮影したもの。AQUOS R6の概要はこの動画でも確認できると思う。

※追記:SIMフリー版は2021年9月にIIJmio公式サイト、2022年2月7日にOCN モバイル ONE 公式サイトで販売開始となっています。

(記事/写真:mi2_303

情報元、参考リンク
ソフトバンクオンラインショップ
ドコモオンラインショップ/AQUOS R6製品ページ
ドコモオンラインショップ
シャープ/AQUOS公式サイト

読者&編集部コメント欄

この記事のコメント:1 件
  1. <編集後記>
    AQUOS R6、そしてLeitz Phone 1と、シャープが新たにライカと組んでスマホのデジカメに力を入れ始めていますが、ライカは私自身もパナソニックのカメラを愛用しているのでレンズで馴染みがあります。正直なところカメラは結構好みもあると思いますが、AQUOS R6がどれくらいのセールスを記録し、評価されるのか気になるところです。

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