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ソフトバンクらが実施したスマートオフィスの実験が凄い。心拍・脈拍センサーや無線ユニット搭載のイス、ストレス計測、8Kディスプレイによる会議システムなど

次世代移動通信システム5Gの商用サービス開始に向けて、通信各社は企業と組んで様々なカテゴリでの実証実験を行っているが、今回ソフトバンクとソフトバンクグループのWireless City Planningが発表したスマートオフィスの実証実験結果が興味深い。


今回の実証実験は東広島市、シャープ、イトーキ、国立研究開発法人情報通信研究機構と協力して、東広島市役所で行われている。テーマは5Gを活用したスマートオフィスの実現に向けた実験。

今回の実験で構築されたシステムは下図の通り。いきなりこの図を見ても分からないかもしれないので、まずは簡単に紹介したい。

<▲図:「5Gヘテロジニアスネットワーク」の概要図>

職員/従業員に最も長い時間触れる部分としては「スマートチェア」がある。この椅子には、心拍数や脈拍などの体調情報を計測できる圧力センサー、計測したデータをワイヤレスで飛ばすための5G-mMTC無線ユニットが搭載され、電力を供給するためのモバイルバッテリーも装備されている。

さらに椅子にはセンサー入りのクッションまで用意されていて、体温も計測される。

職場環境をチェックするための温湿度、気圧を測ることができるセンサーも室内に設置される。

各種センサーで計測したデータは必ずしも5G-mTCで転送されるわけではない。体温、温湿度、気圧はBluetoothを介して転送され、Bluetoothルーター経由でLTE基地局へと送信され、最終的にはインターネットを介してクラウドサーバーへと繋がる。

また、会議室も特別仕様だ。デスクにはストレスセンサーが設置され、会議参加メンバーのストレスを計測できるようになっていて、会議での情報のやり取りには8Kディスプレイが用いられる。

高密度にセンサーを設置した環境で、働く人の体調情報や職場環境情報のデータをリアルタイムで収集して、体調や職場環境の状態、ストレスの変化などを客観的に測定できることを確認できたという。そしてこれらのデータを解析することで、労働環境の管理・改善に役立てることが期待されるという。

一見するとあまりに監視され過ぎている感じがして正直な話、こうしたオフィスで働くことは個人的には微妙な感じを受けなくもないが、体調不良時にセンサーでハッキリとそれを認識できるデータを拾え、例えばそのデータをAIが分析して、本人や管理者に通知してくれるようなシステムが将来的に組まれるのであれば、過度な体調悪化や病気などをある程度未然に防ぐ、もしくは迅速な対応を取れる可能性もあるので、その点では良いようにも思うし、こうしたデータは経営陣が職場環境を改善しようと思うキッカケになるかもしれない。個人的な話をすれば筆者も体が強い方ではないので、意外とスマートチェアなどは良いかもしれないとも思えてくる。

いずれにしても、こうしたスマートオフィスというのは近い将来に本格的に登場することになりそうなので、今後もこの分野の展開に注目していきたいところ。

【情報元、参考リンク】
ソフトバンク/プレスリリース

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