米国政府のファーウェイ制裁措置では既存製品のサポート等に限って8月19日までの猶予期間を設定。新製品向け部品調達等は禁止

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米国商務省・産業安全保障局によってファーウェイ及び関連する68社に対して、米国企業の製品の輸出及び取引を規制する措置が発表されてからというもの、ファーウェイ製のスマートフォン、タブレット、ルーター、パソコンなどのユーザーは自分が使っている製品へのサポートが今後どうなるのか不安に感じていると思う。

<▲図:新製品の「HUAWEI P30」>

特にスマートフォン、タブレット、パソコンに関してはOSがGoogle、Microsoftと米国製だ。特にGoogleはすでにファーウェイとの取引を一部停止する旨を明らかにしているため、日本のスマートフォンユーザーも気になっていると思う。

まず、米国商務省はファーウェイに対して、既存製品のユーザーに対する保守・サポートを行うための猶予期間を90日間設けている。保守・サポートのために必要な部品等の調達に関しては規制しない、ということになる。ただし期限は90日間と定められているので具体的には8月19日までだ。

例えば現在使っているファーウェイのスマートフォンが故障した場合、その修理に米国メーカーの部品が必要だとしてもファーウェイは猶予期間内であれば新たにメーカーから調達できる、ということになる。同様にインフラ設備等に関しても米国メーカー製の部品を使っていて保守点検で交換が必要となっても、新たに調達することは可能とされている。

これは部品等に限られた話ではなく、ソフトウェアも同様のようだ。

一方で、ファーウェイが今後投入する新製品の製造に必要な部品に関しては猶予対象外となり、調達できないということだ。ただし、ファーウェイはすでに向こう3ヵ月分に関しては必要なパーツは確保済みと報じられており、当面は製造及び出荷に大きな問題は生じないようだ。とはいえ、この状況がそれ以後も改善しない場合、グローバルでファーウェイ製品の製造・販売に大きな影響が出ることは必至だろう。加えて、既存製品のサポートに関しても、通常レベルの故障修理であれば問題ないかもしれないが、致命的な不具合発覚などで大規模なリコールが生じた場合には対応できない懸念がある。

Android端末に話を移すと、Googleはファーウェイとのビジネスを停止するとはいえ、既存製品へのGoogle Play及びGmail等の各種Googleサービスの提供は継続するという。すなわち、既存製品のユーザーが突然Google PlayやGmail、Googleマップなどを使えなくなる、ということにはならない。セキュリティアップデートも継続して提供される。ただし、OSアップデートについては分からない。

また、今後登場予定の新製品ではGoogle Play及びGoogleの各種サービスは使えなくなる恐れがある。しかも、米国政府の措置に即時対応を表明した企業はGoogleだけでなくQualcomm、Broadcom、Xilinxなど大手半導体メーカーもだ。ファーウェイはCPUに関してはグループ企業のHisiliconが手掛ける「Kirin」シリーズなどを持つものの、米国メーカーの部品を全く調達できなくなれば混乱が起きるのは必至で、今後投入予定の製品の設計変更も余儀なくされるはず。

それはOS及び各種アプリに関しても同様の話で、正直な話、夏モデルはいいとしても秋冬以降に登場するはずだった製品がどうなるのかは全く分からない。下手をすると夏モデルを最後に日本市場でもファーウェイの新製品が出てこなくなる可能性すらある。

しかも、ファーウェイへの制裁はファーウェイ対米国政府という一対一の構図から生じた措置ではなく、米中、国家間の攻防の中で行われている、という点が厄介だ。状況は常に変動し、行きつ戻りつしている部分もある。場合によっては一転して制裁措置が解除される可能性すらある。ファーウェイとしては当然それを目指した交渉をしているはずだが、最終的にどのような決着を迎えるのかは全く分からない。

日本人から見ると中国メーカーと中国政府の結びつきのレベルがどれほどのものなのか、というのはどうしても理解しにくい部分あり、米国政府が懸念するような情報漏洩が起こり得るのかも本当の所は分からない。ファーウェイは独立性を主張しているが、米国が懸念するように中国政府の指示で何らかのバックドアを仕掛ける可能性が0ではないと言われると、確かに0ではないとは思うが、それはやろうと思えば中国だけに限らないとも思うので、遠目から見ている分にはファーウェイは運悪く、というかタイミング悪く米中貿易摩擦の攻防に巻き込まれただけのようにも見える。

「P」シリーズ、「Mate」シリーズ、「honor」シリーズなど、ハードウェアとしては優れた製品だと思うだけに、買うことを躊躇せざるを得なくなるような状況は個人的には残念だと感じるが、将来的に中国政府が製品に介入しないことは100%確実かと聞かれると、おそらくファーウェイ自身言い切ることまではできないと思うので、本当に難しい問題だと感じる。しかも、ファーウェイ自身が制裁に文句を言う理由はあったとしても国の政策単位で見ると、そもそも中国政府は何年も前から米国のIT企業を締め出している。Google、Facebook、Twitter等、様々なサービスが中国市場では禁止されている。今回はその逆のことを米国がしているだけ、ということも言える。問題は米国とファーウェイの争いではなく、米国と中国の話であり、ファーウェイは彼らの攻防を見守ることしかできないのかもしれない。

いずれにしても、問題が落ち着くまでは暫くかかりそうだ。

なお、ファーウェイ・ジャパンは21日に開催した「P30」シリーズの発表会において、既存ユーザーへのアフターサービス提供には影響ないため、安心して使用、購入して下さい、と案内している。セキュリティアップデートも継続提供される、としている。

【情報元、参考リンク】
ファーウェイ・ジャパン
ファーウェイ・ジャパン/プレスセンター
米国商務省/Department of Commerce Issues Limited Exemptions on Huawei Products
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