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【取材レポート】dビデオ新戦略発表会。dTVへ生まれ変わり、お世辞抜きで使いやすくなった新アプリとテレビでの視聴機器dTVターミナル、そして新コンテンツをチェック!(前編)

エイベックス通信放送とNTTドコモ(以下、ドコモ)は2日、エイベックス通信放送が運営し、ドコモの「dマーケット」で提供中の動画配信サービス「dビデオ powered by BeeTV」(以下、dビデオ)に関する新戦略発表会「dビデオ MIKATA CONFERENCE 2015 映像のミカタを考える。」を開催した。

dビデオ MIKATA CONFERENC

この発表会では、dビデオが4月22日に名称を「dTV」に変え、リニューアルされること、そしてテレビでの視聴に便利な機器「dTVターミナル」が発売されること、さらにdTVオリジナル作品が多数用意されていること、その中の一つに「進撃の巨人」のdTVオリジナル作品があることが明らかにされた。進撃の巨人については製作発表会も行われた。

本記事では、dTVに生まれ変わることで新しくなるスマートフォン向け「dTV」アプリと、dTVターミナルについて詳しくみていきたい。また、それ以外のことについても軽く触れておく。


《dビデオ、dTVについて》

まず、dビデオはエイベックス通信放送が運営し、dマーケットで提供しているサービスになる。ドコモが全てを担当しているサービスではなく、今回の発表会もメインはエイベックス通信放送によるプレゼンだった。

エイベックス通信放送 代表取締役社長 千葉龍平氏
dビデオは3月の時点で既に460万会員を突破しているので、おそらく同種のサービスでは既に日本最大になっているのではないかと思う。エイベックス通信放送は日本最大のVOD(Video On Demand)サービスにしていく、との意志を明らかにしていた。やはりスマートフォンやタブレットの購入時にあわせて加入するというパターンが多いはずなので、単独のVODサービスである「Hulu」などと比べると会員数の伸びは圧倒的だろう。ただし、アクティブなユーザー数がどれくらいのボリュームなのかは分からない。発表会では質疑応答の中でこのことを尋ねる質問があったが、具体的な数字は明かされなかった。とはいえ、端末購入と同時加入したユーザーでも動画を実際に視聴したり、そのまま継続加入する方は多いとのことだった。もちろん具体的な数字としてはアクティブユーザー数は分からない。

また、dビデオはドコモの携帯電話のユーザーでなくとも利用できるが、やはりそのことはあまり浸透していないようだ。今後は誰でも契約できるサービスとして、その認知度を高めていくことも重要になりそうだ。

さて、そのdビデオだが、名称が4月22日よりdTVに変わる。

dTVという名前に決めた具体的な理由には言及がなかったが、新アプリ、dTVターミナルのザッピングUIなどを見ていると、より「テレビ」に近づいた印象なので、テレビを意識したためなのだろう。

テレビでは、リモコンでチャンネルを適当に変えつつ気に入った番組があれば見る、というスタイルでの視聴が可能だが、dTVターミナルもそれを意識したUIになっていて、ザッピングしやすい。これは従来のVODサービスのUIにはなかったデザインで、実際にお世辞抜きで良くできていた。

従来のVODサービスは、ユーザーが見たい作品を自分で探して見る、というスタイルが基本だったと思う。そのため、探している最中にサムネイル画像やその説明文に興味を持たなければ新たな作品に出会う、ということもあまりなかった。しかし、dTVのUIでは、知らない番組に出会える確率が明らかに上がっている。詳しくは以下、アプリやdTVターミナルの紹介のところで説明したい。

また、これまでもdビデオ向けのオリジナル作品というのは投入されていたが、今後、強化されることが明らかにされた。さらに、最新の海外ドラマの最速配信などにも力を入れるとのことで、今後、Huluにとっては脅威になるかもしれない。

そして、ライブ映像などについても会場からのリアルタイム配信なども行われるとのことだ。

コンテンツ強化については、オリジナル作品のほか、見て楽しむ新しいスタイルの小説や、舞台作品も投入するとのこと。舞台作品は普段なかなか観に行けない方には嬉しいし、今まで一度も行ったことがない、という方が舞台作品に触れる機会になる。もちろん実際に観に行くのとは違うが、手軽に視聴できるのはいい。

「進撃の巨人」dTVオリジナル作品の製作発表会ではキャストも登場


《dTVアプリ》

dビデオの一ユーザーとして思うが、スマートフォン向けのdビデオのアプリは決して完璧とは言えなかったと思う。特別使いにくいというわけでもないが、良いか? と言われるとそうでもない、という微妙なデキだ。色々と微妙な部分が多いアプリだと思う。

今回刷新されたdTVアプリは本当に使いやすくなったので、一つ一つ見ていきたい。

まず、メイン画面が大きく変わった。上部にチャンネルバーを設け、「あなたにオススメ」「クリップ」「邦画」「洋画」「アニメ」「海外ドラマ」などのチャンネル(カテゴリ)を並べる。このチャンネルバーを横にフリックするだけでチャンネルを切り替えられる。

画面上部にチャンネルバーを設け、左右フリックで切り替えられる。
最上位の作品はPVが自動再生される。(※クリックして拡大)

ちなみに「あなたにオススメ」チャンネルはレコメンデーション機能によるチャンネルで、ユーザーの視聴履歴や各作品の分析データを照らし合わせ、ユーザーの好みに合わせたオススメ作品をリストアップしてくれる。

レコメンド機能は「あなたにオススメ」チャンネルで利用できる

そして、各チャンネルでは、作品リストが縦方向に並び、最上部の作品は自動的にPVが再生されるようになっている。そのため、このPVから作品に興味を持ち、見始めるという流れが発生する。また、外出時に4G/3G回線で勝手に再生されると余計なデータ通信を行ってしまうのが嫌だ、という場合は、設定でオフにすることも可能だ。家ではホームWi-Fiルーターに繋ぐ、という場合には「Wi-Fi接続時のみ自動再生」という設定にしておけばいい。

自動再生は設定でオフにしたり、Wi-Fi時のみにしたりできる。

そして、メイン操作アイコンは画面下部に3つ並べている。左から順にメニュー、検索、音量だ。メニューキーを押すと、細かいメニューが表示され、お知らせ、マイリストやジャンル、詳細検索、ランキング、新着、特集、特典、アカウント管理、アプリ設定などが並ぶ。

画面上部にチャンネルバー、画面下にメニュー、検索、音量アイコンを並べる

メニューアイコンをタップすると、メニューの各項目が並ぶ

アプリ設定では、先ほどのPVの自動再生設定のほか、一つの番組視聴が終わった時に自動的に次の回の再生を始める機能「エピソードの連続再生」の設定やプッシュ通知の設定などを行うことができる。モバイル回線を使用している時にHD画質で再生するかどうかの設定もある。

アプリ設定の各項目

モバイルネットワークでのHD画質再生の設定について

ちなみに、画面上部のチャンネルバーについてはカスタマイズも可能だ。例えば「洋画」「海外ドラマ」をよく見る方は、その順に並べる方が使いやすいだろうし、アニメがメインの場合はアニメを一番に持ってきた方がいいはずだ。これは「チャンネル設定」からドラッグ&ドロップで変えられる。

チャンネルの並びはカスタマイズできる

各作品の画面では、配信中のエピソードやその他のシーズンのリストなどを表示でき、すぐに再生へと進める。また、クリップや共有もアイコンが用意されているので、そこからできる。ダウンロードが可能な作品の場合は、クリップアイコンの左に「DL」アイコンが表示されるので、そこからダウンロードできる。この辺りの操作系も明らかにdビデオアプリよりも良い。ちなみに共有はFacebookとTwitterでできる。

作品の画面。エピソードの再生も再生ボタンをタップするだけ。

ゴシップガールの場合はダウンロード可能なので、画面中央あたりに「DL」アイコンがある。

ダウンロード時も画質を選べる

動画の再生画面内に表示されるメニューでは、「字幕/吹替」アイコンをタップするだけで字幕と吹替を切り替えできるが、これも便利だ。スライドバーを動かすと時間を飛ばせるが、この動きも実にスムース。

設定アイコンをタップすれば画質選択もできるし、ここで次のエピソードの連続再生をオン/オフすることもできる。

再生画面の設定アイコンをタップすると画質などを選べる

発表会の時に展示されていたアプリはまだ開発中のもの、とのことだが、この時点ですでに完成度が高かった。かなり使いやすいので、dビデオのユーザーは楽しみにしていていいと思う。

後編に続く。




【情報元、参考リンク】
dビデオ
ドコモオンラインショップ/dTVターミナル

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