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【一条真人的Androidライフ】第32回:GoogleはAndroidをどこに導きたいのか?

Android端末は、今やAndroid OS向けのアプリを動かすプラットフォームとしての純粋な動作性能差だけでなく、各メーカーによる独自の個性に焦点が移ってきた。ハード性能の高さを主な売りとしてきたサムスン電子の「GALAXY S」シリーズなどはすっかり個性を失ってしまったように思う。同じサムスン電子の製品でも、「GALAXY Note」シリーズは、デジタルノートとして独自の進化を続けている。これは他の追従者を持たない独自路線なので、強力な武器だろう。

GALAXY Note 3では手書き入力のテキストをデジタル変換して扱うこともできる。

そして、他のメーカーの動向も面白い。ソニーはとりあえずカメラ機能を徹底強化している。来年はハイレゾ・オーディオ音源の再生機能を搭載してくるかもしれない。また、別のプラットフォームではあるが、「Windows Phone」ではNokiaのスマートフォンもカメラ機能を追求している。カメラ機能を重視した路線の機種というのも、今後も安定して登場してくる気がする。

ハイレゾ・オーディオ音源に対応した機種は、現在ではLGエレクトロニクスの「G2」「isai」、そしてサムスン電子の「GALAXY Note 3」などがあるが、こちらも今後増えてくることは確かだろう。

左はXperia Z1。1/2.3型イメージセンサーやGレンズの採用が魅力。右はNokia Lumia 925。


シャープの「AQUOS PHONE」シリーズでは、最新モデルで導入された「グリップマジック」が、ユーザーの使い勝手という面では大きく進化した、気が利いた機能だと思う。グリップマジック機能については詳しくはこちらの記事を参照してほしい。ホバーはあまり役に立っている気がしないが、やはり、使いようということだろう。

「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」に搭載される「グリップマジック」機能について(※クリックして拡大)

そんな中で、やはり微妙なのはベースとなるAndroid OS自体の進化がパッとしないことではないだろうか? 最近のアップデートなどでも、ありがたいと感じるのはせいぜいBluetooth 4.0に対応すること程度という気がして、ユーザーインターフェース的な提案・進化というものが見られない気がする。

最新のAndroid 4.3ではBluetooth SMART(Low Energy)をサポートする。

この辺りはもう端末メーカーに任せて、新たなデバイス対応などの基幹的機能の追加などだけをGoogleはサポートしていくつもりなのだろうか?

まあ、AppleのiOSも基本的なところではたいして進化していないので、Androidだけを責めるわけにもいかないかもしれない。最近のスマートフォン全体に対する、僕の中でのワクワク感の無さはハンパない。そして、8インチ以上のディスプレイ・サイズの端末における現在のAndroid OSの効率の悪さも気になる。これに関しても改善する気はないのだろうか?

個人的には、GoogleがAndroidに対してやる気がなく見えているが、それは次なる目標である「Google Glass」にターゲットを移しているからではないかとも思う。

また、スティーブ・ジョブスのような、真に才能のある人間が何か考えないと、凡人たちだけではマイナーサイクルなパーツしか進化させることができないのだろうか。

このような状況の中、スマートフォンの、そして、スマートデバイスの次のステップへの何らかの革新を成すのはビル・ゲイツ、あるいはWindows(or Nokia)ではないか? と僕が密かに考えているのは内緒だ。


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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