この動きは日本も無関係ではなく、欧米などと比べると時期的な遅れは見られるかもしれないが、いずれ2.3(Gingerbread)がやってくるはずだ。早ければ2011年春や初夏には2.3を搭載した新製品がリリースされるものと考えられるし、HTC製端末、サムスン電子製端末は早い時期にアップデートを受けられるかもしれない。
もちろん現時点では日本向けに関するアップデートの予定は何一つ公表されていないので、憶測の域を出ることはない。しかし、前述したようにいずれGingerbreadは利用できるようになる。
そこでここでは、海外で出始めてきたNexus Sのハンズオン動画の中から、Gingerbreadに焦点を当てたものをピックアップして紹介したい。Gingerbreadで端末のユーザー・インターフェイスや使い勝手はどのように変わるのか? 概ねその印象を掴むことができるはずだ。
最後に、Gingerbreadで導入される変更点を簡単におさらいしたい。主なアップデート内容は下記の通り。
- UIの変更
- ソフトウェア・キーボードの改善
- 電力管理機能の改善
- タスクマネージャーの改善
- Internet calling(VoIP/SIP)のサポート
- NFC(Near Field Communications)サポート
- ダウンロードマネジメントの改善
- 動作速度の改善
- ゲームアプリ周りの機能強化
- VP8、WebM動画のサポート
UIの変更は動画でご覧の通り。ソフトウェア・キーボードも同様。加えて、コピー&ペーストのやり方がシンプルになっている。電力管理機能及びタスクマネージャーの改善は、バッテリーの消費を抑える意味で非常に実用的改善。ほかにもVoIP/SIP、NFCサポート、VP8、WebM動画への対応も大きな変更点だ。また、動作速度の改善もユーザーにとっては嬉しい措置。この辺りは、Dalvik VMにConcurrent GC(コンカレント・ガベージコレクション)が採用されたことの影響も大きい。各アプリを起動中に、同時にガベージコレクションを行えるようになったため、メモリの管理がスムースになり、結果的に動作の反応が良くなる、という利益を得られる。それ以外にもJITコンパイラ(Just-In-Time コンパイラ)の調整も図られており、その部分でも動作速度改善に繋がっている。
一見するとUIもそれほど変わっておらず、他のアップデート要素もわかりやすい派手さはない。しかし、着実な前進であり、Android OSは確かに魅力を増している。次のバージョンであるHoneycomb(バージョン3.0の開発コード)はタブレット端末への調整が図られることでUIも大幅に刷新される。それに伴いスマートフォンでの印象も大きく変わるだろう。そのため、Honeycombの方が印象強いアップデートになるかもしれないが、Gingerbreadも楽しみなバージョンアップ、ということには変わりない。
日本への公式対応も楽しみに待ちたいところだ。
【情報元、参考リンク】
Phonedog.com/Android 2.3 Gingerbread Walkthrough