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spモードの詳細紹介。iモード、iモード.net、mopera Uとの関係やアプリの実機デモ動画など【ワイヤレスジャパン2010レポート】

7月14日から16日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された情報通信機器に関する展示会「WIRELESS JAPAN 2010(ワイヤレスジャパン)」において、NTTドコモは9月にサービス開始予定のISP「spモード」のアプリを搭載したデモ機を出展した。

spモードではiモードメールアドレス(@docomo.ne.jpのアドレス)のメール送受信ができるが、これには専用のアプリが必要。会場にはこのアプリがインストールされたデモ用の「Xperia」が複数台用意され、来場者が体験できるようになっていた。本記事では、デモ機担当者に伺ったspモードのサービス詳細と、デモ機を触った印象などを紹介したいと思う。spモードに関しては既存のiモード、iモード.net、mopera Uなどとの関係がわからない、という方も多いと思う。それらの疑問点についても解消できれば幸いだ。

以下、サービスに関する詳細、アプリの実機レビューを分けて紹介したい。

なお、サービス内容は現時点での話であり、実際に提供開始になった時には変更になる可能性もあるという。その為、サービス申込み時には改めてドコモショップなどで確認して欲しい。

【spモード - サービスについて】

(1) 概要

spモードは単にiモードメールアドレスをスマートフォンで利用できる、というサービスではなくISP(インターネット・サービス・プロバイダ)、すなわちインターネット接続を担う、より基幹的なサービスになる。NTTドコモのISPには「spモード」「iモード」「mopera U」「ブラックベリーインターネットサービス」の4つがある。インターネットを利用したい携帯電話ユーザーは最低でも4つの中のいずれか1つには申し込まなければならない。スマートフォンユーザーにとっての「spモード」の登場は「mopera U」に加えて2つ目の選択肢ができた、ということになる。どちらを選んでも構わないし、両方に加入してもいい。

(2) 対象端末

「Xperia(SO-01B)」「LYNX(SH-10B)」「dynapocket T-01B」「T-01A」「SC-01B」の5機種。

(3) 利用料

月額315円

(4) 申込み方法

ドコモショップ、携帯電話の販売を手がける量販店やケータイショップ、ドコモ インフォメーションセンター、ドコモ スマートフォン・ケア。ただし、量販店や一般のケータイショップでは端末購入と同時申込みの場合のみ。

(5) サービス内容

spモードに含まれるサービス内容は多岐に渡る。インターネット接続サービス、「@docomo.ne.jp」アドレスのメール利用、ドコモマーケットにおける有料コンテンツの代金決済サービス、メールのウィルスチェック、フィルタリング(アクセス制限)などが含まれる。

(6) インターネット接続サービス

概要でも述べたようにスマートフォンでインターネットを利用する場合に必須となるのが「ISP」。その選択肢の1つがspモードになる。従来はXperiaなどのユーザーは「mopera U」しか選択肢がなかったが、今後はspモードも選択できるようになる。基本的にはどちらか1つを選べばよく、対象スマートフォンユーザーでiモードメールアドレスを利用したい方はmopera Uを解約し、spモードに移行すればいい。また、spモードの対象端末ではないスマートフォンを利用しているユーザーはこれまでどおり「mopera U」を利用する。なお、両方に同時加入した場合、実際にどちらのサービスを介してインターネットに接続されるかは、端末側でのアクセスポイントの設定内容による。使いたい方を設定しておけばいいし、変更したい時には設定を変えればいい。では、どういう場合に両方に加入する必要があるのかといえば、mopera Uで取得したメールアドレスを残したい場合やその他のサービスを利用し続けたい、という場合になる。この場合、iモードメールアドレスや有料コンテンツの決済サービスが不必要であれば、spモードに加入する必要はないが、どちらも利用したいという方は両加入になる。

(7) メールサービス

spモードでは「@docomo.ne.jp」のメールアドレスを使ったメールの送受信を行うことができる。新たにアドレスを取得することも、iモードメールアドレスを引き継ぐこともできる。一般の多くの方はiモードメールアドレスを引き継ぐことになると思う。スマートフォンに移行し、通常の携帯電話でiモードメールを使わなくなるのであれば、iモードメールアドレスを引き継いだ上で「iモード」を解約して構わない。また、spモードではメールアプリを利用して送受信を行うことができるので、「iモード.net」への加入も必要ない。すなわち、携帯電話生活をspモード対象スマートフォンに完全移行する方は、spモードのみで基本的にOKだ。

しかし、一方で一般の携帯電話を使う可能性を残したい方もいると思う。その場合には「iモード」契約は残しておく。そうすればSIMカードを入れ替えた時に一般の携帯電話でもiモードメール(*)をやり取りすることが可能だという。

また、spモードでは新たに「@docomo.ne.jp」のアドレスを取得することができるため、これまでに「iモード」に契約していたユーザーは2つのアドレスを持つことができるようになる。spモードでは、2つのアドレスのうち、どちらのアドレスをアプリで使うか設定できるようになるようだ。使い分けも可能だろう。ただし、「iモード」を解約し、「spモード」だけに完全移行した場合は、iモードメールアドレスをspモードで使うアドレスに引継ぐことになるので、1つのアドレスしか使えない。

(8) コンテンツ決済サービス

ドコモの携帯電話料金と一緒に有料コンテンツの代金を支払うことができる。コンテンツプロバイダに代わり、代金を代行徴収してくれるサービスだ。対象となるコンテンツは「ドコモマーケット」内のもの。一般の「Android Market」の有料アプリなどは対象外となり、これまで通りGoogleの決済サービスである「Google Checkout」を使って購入する。

(9) オプションサービス

メールのウィルスチェックとアクセス制限サービス(spモードフィルタ・spモードフィルタカスタマイズ)がオプションサービスとして提供される。ただし、これらについては別途申込みが必要。ウィルスチェックはメールの送受信時にドコモでチェックが行われ、ウィルスが検知された場合には即座に駆除される、というもの。アクセス制限サービスは未成年の利用者がスマートフォンでインターネットを利用中に、出会い系サイトなどの有害指定サイトへのアクセスを制限するもの。カスタマイズ機能を使えば、保護者が個別に制限サイトやカテゴリの設定を変更することができる。これらのオプションサービスの利用料は無料。spモード加入者は別途申し込めば利用可能だ。

(10) まとめ:結局mopera Uやiモード契約はどうすればいいのか?

結局どうすればいいのか? パターン別に紹介したい。

まず、spモード対象スマートフォン1台に完全移行する方は、「iモード」「iモード.net」「mopera U」は解約できる。「spモード」でインターネット接続もiモードメールアドレスのメール送受信も扱うことができるからだ。この場合、spモードで使う「@docomo.ne.jp」のアドレスはiモードメールアドレスを引き継ぐことになる。申込み時にはその旨を伝えよう。

次に、一般の携帯電話も使う可能性があるという方。SIMカードを入れ替えて、時にはiモードサイトを使う場合や、端末が壊れた場合の保険として従来の携帯電話を残しておきたい場合などだ。その方は「iモード」契約は残しておく。「iモード.net」と「mopera U」は必要ない。「iモード」契約を残しておけば、一般携帯電話からiモード、iモードメール(*)を利用することができる。

moperaのメールアドレスを残したい方。この場合は当然「mopera U」の契約は残す。その上でiモードメールアドレスを使わないのであれば、「spモード」も「iモード」も「iモード.net」も必要ない。しかし、iモードメールアドレスを使うのであれば、「spモード」か「iモード.net」が必要だ。「spモード」に入らずに「iモード.net」を使う場合はメールの送受信には「iモード.net」のウェブサイトかフリーのアプリ「IMoNi」などを利用する。

結局、「spモード」「iモード」「mopera U」はそれぞれのサービス内で使いたいものがあるのであれば、契約を残しておく、ということになる。必要なければ「spモード」だけに絞れる、ということだ。人によってはこの3つを全部契約しておく、という場合も考えられる。そして「iモード.net」は「spモード」加入者には不必要になるだろう。


【spモード - アプリ実機レビュー】

実機レビューに関しては文章よりも動画で見ていただく方が早いと思う。なお、動画は混雑した中で片手でケータイで撮ったものなので、見難い部分があると思うが、何卒ご勘弁願いたい。また、動画撮影にあたっては担当者の方からも注意があったが、本アプリはあくまでも現在のバージョンに過ぎず、最終リリース版ではない、との話だった。実際に9月にリリースされるときには仕様変更やブラッシュアップが行われる可能性もあるということなので、この動画は参考程度に留めておいて欲しい。

動画を見た結果、アプリの動作速度をやや遅いと感じる方もいるかもしれないが、これも決め付けられないので注意して欲しい。というのも、会場に展示されていたデモ機は明らかに大勢の来場客によって適当に扱われていた印象が強く、複数のデモ機を使い比べた場合でも端末によって動作の体感速度に差があったからだ。



なお、担当者に伺った話の中でいくつか注目したい内容をピックアップして紹介する。

(1) メールはプッシュ配信されるのか?

プッシュ配信。一般の携帯電話でのiモードメールと同じ感覚で利用することができる。機能の正式名は「自動受信」とされているようだ。

(2) spモードアプリのバッテリー消費について

「iモード.net」を介して処理を行うアプリとは動作の仕組みが完全に異なり、特にバッテリー消費を気にする必要はない。基本的には微々たるレベルで、一般の携帯電話でのiモードメールのやり取りと同じ程度と考えて問題ない、ということ。

(3) spモードアプリはどこで入手するのか?

ドコモマーケットで配信予定。対象スマートフォンを利用しているユーザーはドコモマーケットにアクセスし、ダウンロードする。また、spモードのサービス開始後に発売される対象端末ではアプリがプリインストールされた状態になるようだ。

(4) 宛先入力では入力補完機能はない

メール送信先のアドレス入力の方法は3つ用意される。電話帳からの選択、メール送受信履歴からの選択、直接入力だ。直接入力の場合はアドレスを頭から最後まで全て自分で入力する。アドレスを途中まで入力したときに、候補を表示してくれるような補完機能はない。また、アドレスではなく名前を入力して、ということもできない。例えば「どこも すまほ」という名前でアドレスを電話帳登録してあったとする。この場合、「どこも すまほ」と入力してもアドレスが補完入力されることはない。ただし、入力補完機能を始め、入力方法のオプションについては今後の検討課題だという話だ。将来のアップデートやサービス開始時には機能拡張が図られる可能性もある。

(5) Wi-Fiで利用できるのか?

Wi-Fiでspモードのメールを利用できるのか気になったが、できないという。spモードのメールは3G回線でなければならないようだ。


注意事項
本記事の内容は必ずしも正しいものとは限らない為、サービス提供時や申込み時にはご自身で必ず確認されるようにして下さい。サービス内容も本記事執筆時と提供時では変わる可能性があります。その点ご了承下さい。また、本記事内容に間違いがあった場合はご指摘頂ければ幸いです。

(*)
SIMカードを一般の携帯電話端末に入れ替えたときに、spモードに設定したiモードメールアドレスのメールの送受信をできるかどうか、また、何らかの設定が必要かどうかは若干あやふやな部分があります。話を伺った担当者の方も「大丈夫だと思います」というニュアンスだった為、実際に申し込む時にはご自身で確認するようにして下さい。

【参考リンク】
NTTドコモ/spモード紹介ページ
NTTドコモ/spモード報道発表資料

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