【一条真人的Androidライフ】第88回:低速通信が新しいトレンドになる?

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<▲図:TSUTAYAのスマホ、トーンモバイルの「TONE」>

2020年に向けて5G通信を実現しようとエリクソンやドコモが頑張っている一方で、最近、MVNOスマホ界には「低速通信」の波が押し寄せようとしている。

「なんのこっちゃ」

「何言ってるの? この人バカなの?」

と思う人もいることと思うが、そんな人たちは大手キャリアに洗脳されてしまった人たちかもしれない。

モバイル通信サービスの世界では、3Gから4G LTEになり、今ではLTE-Advancedも始まって、通信速度は大きく進化した。正確には「最大通信速度」だが。

iPhoneでいえば最初のモデルは3G通信であり、現在のiPhone 6sではLTE-Advancedに対応している。この進化の中で、人々のスマホの使い方がどう変化したか? と考えると、動画再生が快適になった以外のことは意外に変わっていないことに気づく。

まあ、Instagramとかに画像をアップロードしやすくなったというのもあるかもしれない。

一般的な多くのユーザーのスマホの主な用途を考えると、大体次のようなものだろう。
  • メール
  • SNS
  • メッセンジャー
  • デジカメ
  • 通話
  • マップ

この中で特に通信速度が重要なのはデジカメ写真のアップロードだろう。それ以外のものは意外に通信速度が低くてもなんとかなる。

さて、現在のMVNOスマホの中で「通信容量無制限」にして、月額通信料が1,000円(税抜)という機種/サービスがあるのを知っているだろうか? 大手キャリアなどど比較したら、まったくその存在を信じることができないその機種は「トーンモバイル」の「TONE」だ。トーンモバイルはいわゆる「TSUTAYAのスマホ」だ。

1,000円で通信容量を無制限にできる秘密は速度で、TONEでは通常時、通信速度が300kbps程度だ。このぐらいの通信速度が出れば、メールやSNSなどの日常的な用途はOKだという考えだ。そして、より速い速度が必要なときは別途「高速チケット」を購入して、高速通信することができる。この高速チケットオプションは1GBあたり300円。

そして、昨年、VAIOがこれに追従してきた。

ノートPCながらSIMフリーでLTEにも対応した「VAIO S11」だが、この製品向けに「VAIOオリジナルSIM」というMVNO通信サービスが用意されている。このサービスでは通常通信速度は200kbpsだ。そして必要に応じて最大150Mbpsなどで通信できる高速モードを使う。低速通信時は通信容量は無制限なのだ。

そして、この春、UQコミュニケーションズは、au回線を使った格安SIMサービス「UQ mobile」向けに「ぴったりプラン」というサービスを提供し始めたが、UQ mobileでは「ターボ機能」という機能も提供されている。ターボ機能がオンだと高速通信できるが、料金プランに定められたデータ量を消費する。一方、オフだと速度が最大300kbps以下になるが、データ量は消費しない、という機能だ。

<▲図:UQ mobileで販売されている「arrows M02」>

他のMVNOでも「数百kbpsだが容量無制限」というプランがある。このような低速の通信サービス/プランがじわじわと増えてきている。最近、LINEもMVNO事業に進出し、メッセンジャーなどの対象サービスなら通信料を無料にする、と言っているが、これも低速通信を使うのではないか? と思う。

こうした低コストの低速通信サービスが今後、さらに出てきて普及するかもしれない。

【参考リンク】
TSUTAYAのスマホ 「TONE」
UQ mobile


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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