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【せう先生のスマホ講座】第14回:Androidタブレットで本格的ビジネス文章や論文が書けるかも!「Microsoft Office for Tablet」を試してみよう

GAPSISをご覧の皆さん、「せう」です。こんにちは。つい先日、思わず約20万円もするノートパソコンを買ってしまいました。20万円ですよ。格安Windowsタブレットの活用法をご紹介したばかり(第12回の記事)にも関わらず、ですよ。

遂にAndroidタブレットにもMicrosoft Officeが……

それはさておき、MicrosoftにとってWindowsと並ぶ“柱”と言ったら「Microsoft Office」のアプリケーション群でしょう。お仕事、学業、サークルや趣味――色んな場面で活用しまくりという方も少なくないでしょう。実は、Microsoftは少し前からOfficeのAndroidタブレット版「Microsoft Office for Tablet」をテスト提供していましたが、つい先日、日本でも提供に至りました。今回のスマホ講座ではOffice for Tabletを紹介しつつ、どれだけ使えるのか検証してみます。


■まずはダウンロード

ダウンロードはGoogle Playから(画像はWord for Tablet)

Office for Tabletはワープロソフト「Microsoft Word for Tablet」、表計算ソフト「Microsoft Excel for tablet」、そしてプレゼンテーションソフト「Microsoft PowerPoint for Tablet」の3アプリから構成されます(※それぞれのリンク先からダウンロードできます)。

アプリは結構巨大(上の画像はWordの場合)

標準設定のGoogle Playアプリではダウンロード前に警告が出る

スマートフォン向けの「Microsoft Office for Android」ではこれらが全てひとつのアプリ(こちらのページからダウンロード)で構成されていましたが、タブレット版は別々です。それもそのはず。アプリのサイズが大きいのです。執筆時現在のバージョンでWordは115MB、Excelは125MB、PowerPointは127MBと、いずれもAndroidの実用系アプリとしては重量級です。通信量による速度制限が一般的なこのご時世では自宅ブロードバンドなり外出先の公衆Wi-Fi(無線LAN)スポットを介したダウンロードを強くお勧めします。

なお、Office for TabletはARMアーキテクチャCPUでAndroid 4.4を搭載するAndroidタブレット専用です。一部にあるIntelアーキテクチャCPU(Intel Atomなど)を使用しているAndroidタブレットには非対応ですので、注意しましょう。


■使い始める前に

初回起動はチュートリアルから(画像はExcel for Tablet)

インストールしたら、セットアップが必要です。インストールしたWord、Excel、PowerPointのいずれかを起動すると、まず上記の画面のようなチュートリアルが表示されます。右から左へスワイプすると次の内容に進めます。

Office for Tabletの利用にはMicrosoftアカウントかOffice 365サブスクリプションが必要

その場でOffice 365 Soloのサブスクリプションを購入できます

チュートリアルの最後にサインイン(ログイン)画面になります。MicrosoftアカウントまたはOffice 365サブスクリプション(利用契約)をお持ちの方はいずれかの情報を入力しましょう。複数のOffice for Tabletアプリをインストールしている場合、情報は共有されるので、一度Word、Excel、PowerPointのいずれかでサインインすれば他でのサインイン操作は省略されます。

なお、いずれのアカウントも持っていない場合、その場でMicrosoftアカウント(無料)を作成するかOffice 365 Soloのサブスクリプション(月額1,274円)を申し込むことができます。Office 365がどんなものか試したい場合は、「試用版」もありますので詳しくはMicrosoft Officeの公式ページでご確認ください。

サインインしないで使うこともできますが、その場合は閲覧のみとなります。なお、サインインに使うアカウントとタブレットの画面サイズによって、アプリで利用できる機能が変わります。

▼Office for Tabletで提供される機能
画面サイズ
7インチ~10.1インチ 10.1インチ~
閲覧サインイン不要サインイン不要
新規作成・基本的な編集・保存Microsoftアカウントまたは
Office 365契約が必要
Office 365契約が必要
プレミアム機能(追加機能)Office 365契約が必要Office 365契約が必要


画面サイズが大きいAndroidタブレットではOffice 365アカウントが無いと閲覧しかできません。10.1インチを超える画面サイズであれば、事実上“パソコン”とも見なせるので仕方ないかもしれません。ただ、世にある多くのAndroidタブレットは10.1インチ未満の画面なので、無料で新規作成から保存までできてしまいます。

ここで気になるのが、Office 365サブスクリプションユーザーに提供される「プレミアム機能」です。これはWordとPowerPointが対象で、以下のような機能が追加されます。


▼Office 365サブスクリプションでサインインすると追加されるプレミアム機能
Word for Tablet・変更の記録・確認
・ページ向きの変更
・ページ区切り・セクション区切りの挿入
・表のセルをユーザー設定の色の影で強調表示
・ページレイアウトで「列」を使用できる
・ページごとのヘッダー
・フッターのカスタマイズ
PowerPoint for Tablet・スライドショーからインク注釈を保存
・表のセルをユーザー設定の色の影で強調表示


個人的には、Wordのプレミアム機能の中にある「変更の記録・確認」が非常にありがたく感じるところです。というのも、Wordでの入稿を求められる場合、この機能を使って修正・追加箇所の相互チェックをすることが多いためです。結構仕事で使えそうな気がします。

仕事、と言えば、商用(仕事)目的でOffice for Tabletを使う場合はOffice 365サブスクリプションが必須となっています。例えば、Microsoftアカウントで使っているOffice for Tabletを使って仕事の文章を作成・編集等すると利用許諾契約違反となりますので注意しましょう。


■いざ、使う!

セットアップが終わればあとは使うのみです。基本的なユーザーインターフェイスはOffice 2013のものに準拠していますので、現行のWindows用Officeファミリーを愛用している方には違和感なく受け入れられると思います。

基本的なインターフェイスはOffice 2013準拠(画像はPowerPoint for Tablet)


新規作成用のテンプレートはWord、Excel、PowerPointともに充実していて、パソコンのそれと比べて大きく劣る、ということもありません。WordとPowerPointのテンプレート内の文字はいずれも基本的に“東海道五十三次”に統一されていて、歌川広重(あるいは安藤広重)推しなのが少し気になるぐらいです。

主要なMicrosoftフォントはダウンロードで対応してくれるので表示再現性が更に高まる

気になるのは表示の再現性ですが、さすがはMicrosoft純正ということもあって高いレベルです。しかも、よく使うMicrosoft標準フォント(MS ゴシック、MS 明朝、メイリオなど)もそのまま表示できる(要自動ダウンロード)ので、更に再現性が高まります。ただ、パソコン版Microsoft Officeに同梱される追加フォント(HGフォント)には非対応なので注意しましょう。

Officeファイルは本体のストレージ・SDカードはもちろん、「OneDrive」や「Dropbox」上のものを直接開いたり保存したりすることもできます。前者はMicrosoftのクラウドサービスですから、ある意味当然と言えます。後者はMicrosoftとDropboxの戦略的提携(こちらの記事参照)の成果で(スマホ版Office for AndroidでもDropboxから直接ファイルを扱えます)、既にDropboxのアプリをタブレットで使っていればツータップ程度の操作でDropboxにアクセスできるようになります。Dropboxをメインのオンラインストレージとして使っている筆者としては超が付くほど便利です。

Dropboxとの連携も可能

先ほど述べたとおり、主要フォントに対応しているため、パソコンとの表示差をほぼ意識せずに作業を進めることができます。タッチパネルで文字入力すると、キーボードで画面の面積を結構取られるのが難点ではありますが、別途USBキーボードかBluetoothキーボードをつないでソフトキーボードを隠してしまえば、さながらパソコンライクに作業もできます。

編集もそこそこ快適

ただし、Office for Tabletでは開けないファイルもあります。Windowsの機能に依存している「ActiveX コントロール」や「OLEオブジェクト」を含むファイルなどは開けません。また、その他にもファイルが開けない場合があります。もっとも、特に何かギミックを含めない限りは問題無く開けるので、そこまで気にしなくてもいいかもしれません。

開けないファイルもある

ということで、フォントにこだわったり、ファイル内に色々なギミックを仕込んだりしない限り、「Office for Tablet」は結構良い感じで使えます。先日、メーラー・スケジューラーの「Microsoft Outlook」のAndroid版(こちらからダウンロード)も提供(※)が始まりました(こちらはスマホ・タブレット共用)。もしかすると、Androidタブレットだけで結構仕事がスイスイ進められる時代が近付いているのかもしれません。

(※執筆時現在、Android版は予定されている全機能を実装しきれていないため、「プレビュー」(試験提供)扱いとなっています。iOS(iPhone/iPad)では既に正式版が配布されています)


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【参考リンク】
Android向け「Microsoft Word for Tablet」
Android向け「Microsoft Excel for tablet」
Android向け「Microsoft PowerPoint for Tablet」
マイクロソフトストア/Office 365 Solo


記事執筆者プロフィール
せう
ブログ:せうの日記、Twitter:@shoinoue

静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。

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