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【取材レポート】 HTC J butterfly 「ひとめ惚れ」されるものづくりへの挑戦 第1回:プレゼン前編

先日、都内某所でHTC NIPPONによるプレスイベント「HTC J butterfly『ひとめ惚れ』されるものづくりへの挑戦」が行われた。このイベントには、HTC Corporation CEOのピーター・チョウ(Peter Chou)氏が台湾からわざわざやって来たほか、KDDIの代表取締役社長 田中孝司氏がゲストスピーカーとして招かれ、さらには「HTC J」に引き続きテレビCMに登場するアンバサダーの乃木坂46も登場した。

HTC J butterflyのプレスイベントにて

≪HTC J butterflyを熱く語るピーター・チョウ氏≫

まずはHTCのCEOであるピーター・チョウ氏が登壇して、日本専用モデル「HTC J」がどうやって生まれたか?  を熱く語った。

HTCのCEO ピーター・チョウ氏
「日本は世界でも最もモバイルの進んだ国だ。その日本の通信キャリアであるKDDIの田中さんは私に『日本のユーザーは非常に洗練されており、普通ではない進化したエレガントなデザインを持つ端末を求めている。日本のユーザーはユーザーエクスペリエンスにも特別なテイストを持っている。だから、HTCはユニークなイノベーションで、日本に魅力的な商品を出さなければいけない』と言った。

それに対して私は『おっしゃる通りだ』と言った。田中さんは私達に対して、日本人のデザイナーのチームを提供してくれた。そして、グローバルなHTCのデザインチームが彼らと一緒になってHTC Jを作ったわけです。

正直に言って、その結果できた端末のパフォーマンスは我々の期待を上回るものでした。そして、HTC Jがこの日本で高い人気を博したことにとても驚きました。HTC Jは顧客満足度調査ではKDDIで1位に輝きました。本当に報われたと思いました。田中さんも同じ気持ちだと思います。

この成功が、私達にもっと素晴らしい商品を日本のためにデザインさせることになります。私は今日そのためにここにやって来ました。今日ここで、私たちは日本のニーズ、日本のデザインに合ったスマートフォンを作ることを宣言します。最先端のテクノロジーで最高のスペックの、革新的でエレガントなデザインで素晴らしいユーザーエクスペリエンスを提供するような商品を作っていきます。

私たちは、『驚愕するね! これこそ僕が欲しいスマートフォンだ!』と思ってもらえるようなスマートフォンを出したいのです。

そしてその目標を、このHTC J butterflyで実現できたと確信しています。butterflyを今日、ご紹介します」


≪HTC ピーター・チョウ氏×KDDI 田中孝司氏≫

続いて、KDDIの代表取締役社長 田中氏も加わって、2人でHTC J誕生の話を語り始めた。

田中氏は登場するやいなや「ピーターは日本にいるときしかネクタイしないそうなんで、ネクタイの締め方がちょっとわかってない気がしますねー」と突っ込む。

ピーター・チョウ氏と田中考司氏によるクロストーク。田中氏のHTC Jへの思いも熱い。

HTC Jの誕生秘話についてピーター・チョウ氏は次のように述べた。

「HTCはユニークなイノベーションを持っています。素晴らしいユニークなカメラ・エクスペリエンスであるとか、ミュージック、beats audioなどです。これらは極めて印象的なものであり、HTCは最先端テクノロジーを提供している会社です。そんな中、田中さんから共同開発をしないか? という提案がありました。これが重要なキーとなりました。そして、我々は本当に魅力のある商品を作ろう! ということになったわけです。

ただ、単なる商品というだけではなく、HTCの日本におけるリーダーである村井社長(HTC NIPPON 代表取締役社長 村井良二氏)がまさにリーダーとなって、何か違うアプローチをやろうという話になりました。KDDIからサポート支援を頂いたことにも大変感謝しています。マーケットに対してプッシュして頂きました。

結局、チームワークが上手く行ったのだと思います。パートナーとして上手く機能したということで、本当に感謝しています」


次に「田中さんはどうお考えですか?」というMCの質問に対して、田中氏は次のように答えている。

「僕はこういう風に思っています。実は半年前にもお話したんですが、世の中が少しづつ変わっていっていると思うんですよ。どういう風に変わっているか? というと、さっきピーターと控え室でも話をしていたんですけど、少し前はマーケットを横に切って、ハイエンド、ミドルエンド、ローエンドと分けてプロダクトを作ってきたんですけど、だんだん違ってきてるんじゃないか? と。いかにお客さんの『WANTS』、次に欲しいものをいかに届けるか? というのが我々の使命になっていると思っています。

半年前にプロジェクトをスタートしたときも、僕は正直な人間だし、僕の言ってることは間違ってない、という風に言ったんです。そして、ピーターが、HTCは極めてブリリアントでファンブルで、お客さんの声を聴く会社だと言ったんです。そういうことでジョイントチームを作って、HTC Jは上手くいったと。

そして今回はbutterflyということで、今度はHTCのテクノロジーをさらに付け加えて、本当にグローバルでハイエンドだけれどもお客さんのニーズにぴったり合う、そんな、もう1段階上がったプロダクトができたんじゃないかと。

じゃあ、成功の秘密は何か? といった時、それは私が正直だと、そして、それに応えてくれたピーターがここにいると、そういう風に思います」

2社のパートナーシップについてMCから聞かれたピーター・チョウ氏は次のように述べた。

「HTCという会社は10年以上このマーケットにいます。スマートフォンのイノベーターと呼べるかと思います。まさにファースト・プロダクトの会社としてスマートフォンを導入し、3G、4G、LTE、WiMAXなどの対応端末も全てファースト・プロダクトとして導入しました。そういう意味では、世界中のモバイルオペレーターを引っ張るリーダーであったということだと思います。

ただ、やはり田中さん、KDDIとのパートナーシップというのは、本当にクリエイティブなマッチングを果たしたパートナーシップへとさらに1段上がったものと考えています。お客様が何を欲しがっているのか? を再考するチャンスでした。もちろん、日本はユニークで特殊なマーケットと言えるかも知れません。期待値、スタンダードが非常に高いマーケットです。日本に来るときには、やはりそれを達成していかなければならないという風に思っています。そして、私はこういった形でのパートナーシップをKDDIと今後とも持って行きたいと思っています」

田中氏は「僕は、手を握って、ある日このプロダクトができました、というようなことでは多分ダメだと思っています。一歩一歩、階段を上るようにお客さんのニーズに合わせて、両者が歩んでいかないと、真の意味での成功はやって来ないんじゃないか? と思っています。HTC Jは確かに成功した。butterflyではさらに大きな成功をしたい。でも、絶対に満足しちゃいけないと、常に思っています。きっと、そういうことができるというのを確信しています」と言って、赤いbutterflyを取り出した。

「いや、こいつは本当に凄い。でも、まだゴールじゃないと思います。今日は1つのイベントですけども、リレーションシップを大事にしていきたい。僕はピーターにKDDIはワンタイムで勝負しない、パートナーシップはロングタイムでやるんだということを最初に申し上げたんですけど、そのときはピーターは全然信じないで、日本はスペシャルだ、ユニークだと言っていた。でも、いつの間にか台湾や香港でもHTC Jを売り始めている。彼は商売が上手いなと思います」

「ひとめ惚れの予感です。気持ちよすぎるHTC。」

次にMCから「ピーターさん、butterflyについて紹介してください」と投げかけられ、ピーター・チョウ氏は次のように答えている。

「明らかに最新の、そしてベストのAndroidスマートフォンです。最新で素晴らしいプロセッサにはQualcommのものを搭載しています。また、ネットワークとしてもLTEに対応ということで、ベストです。フルHDのディスプレイを搭載し、表示は本当に美しい。また、軽いです。スクリーンは大きいけど、一見、ボディは小さく見えます。とても薄くて軽くて、エッジ部分は5mmしかありません。非常に薄くなっています。だから、握ってもコンフォータブルで、手に吸い付くような形です。本当に革新的なエクスペリエンスを提供します。フロントカメラには広角レンズを使っていて、大人数のグループ撮影をすることができます。スピーカーの音響効果はおそらくこれまでのHTCの製品の中ではベストのものだと思います。最新の技術を使った、美しくリーンでカッコイイデザインです」


田中氏は、「ピーターが色々言ってますが、もっと単純に言うと、クアッドコアでHDディスプレイという、今、世界で最も進んだスマートフォンです。そして日本向けの機能が全部入っている。防水でもある。そういうスマートフォンなんです。スペックはね。そして、デザインも非常に薄い。でも、イチオシの機能はカメラ。カメラは凄い! 私も昨日から撮りまくってますが、キレイに写りすぎてビックリです。凄いです。ビデオも撮れるけど、写真で使ってみて欲しい。そして、カメラを使っていくと、ネットワークの速さとか、動作スピードの速さ、スムーズさを感じ、全てが使い手にマッチしていく。そんな感じのスマートフォンです」

最後に一言を求められ、ピーター・チョウ氏は「ちょっと申し上げたいのは、たくさんのEメールをアメリカやヨーロッパからもらいました。HTC J butterflyが欲しいというメールです。でも、ごめんなさい、これは日本だけでしか販売しませんよ、と言ったんです。ちょっと嫉妬してましたね、メールをくれた欧米の皆さんは。なぜ僕達の国で売ってくれないのか? と。でも、これは日本のKDDIのためにデザインした商品だからね、というような事件がありました」と述べ、田中氏は次のように続けた。

「今、言っていたことは事実で、当社のFacebookでも様々な言語で書き込みがあって、それらのメッセージの内容は、ぜひともこれを世界で売って欲しいということでした。まあ、うちに言ってもムダなんですけど、ピーターに言えばいいと思うんですけど。そんな感じで、僕は本当に正直だと思うんですが、HTC J butterflyは今、世界で一番ハイスペック、しかも日本向け機能入り、そして使い勝手が良い。そんな製品です。頑張りましょう! サンキュー」

ピーター・チョウ氏「サンキュー」。

第2回に続く。




(記事:一条真人

【情報元、参考リンク】
HTC J butterfly製品紹介ページ
GAPSIS/【新機種レポート】 蝶のような美進化を遂げた日本仕様端末「HTC J butterfly HTL21」
GAPSIS/【取材レポート】 開発裏話が語られた、ITmedia主催「HTC J butterfly」タッチ・アンド・トライイベント

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