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スマホ法が全面施行へ。ブラウザや検索エンジンの設定画面必須、アプリ内コンテンツ販売や決済手段の自由化など

「スマートフォンソフトウェア競争促進法」(以下、スマホ法)が18日に全面施行される。スマホ法は、スマートフォンにおける各種サービスの自由な競争を促進するために施行される新たな法律。

<▲画像:「チョイススクリーン」のイメージ(※KDDIの案内より)>

ユーザー目線ですぐに分かる変化として「チョイススクリーン」の導入がある。すでにKDDIはチョイススクリーンに関する案内を公開済み(※KDDIが案内を出していますが、auに限らず他社のAndroidスマホ、iPhoneもスマホ法の対象です)。

チョイススクリーンは、スマートフォン購入時の初期設定やOSのバージョンアップ後の設定時において必須化される過程で、標準で利用するウェブブラウザ、検索エンジンをユーザーが選択しなければならない。

従来であればAndroidユーザーの場合は「Chrome」がプリインストールされているのでChromeをそのまま使う人が多いだろうし、メーカーによってはメーカー独自のブラウザがプリインストールされているものもあり、それを使う方も多いだろう。iPhoneの場合は「Safari」がプリインストールされているのでSafariを使う人が大半だろう。

検索エンジンについても同様で、基本的にはGoogleを使うことになるはずだ。

この状況をオープンにするためにチョイススクリーンが導入される。

初期設定やOSバージョンアップ時に必ずブラウザと検索エンジンを選択しなければならなくなる。

ただし、基本的にAndroidユーザーはChromeとGoogle検索を使うのが最も便利だろうし、実はスマホ法の案内をリリースしているKDDI自身が案内の中でAndroidスマホのユーザーに対しては推奨ブラウザをChrome、推奨検索エンジンをGoogleと記している。また、Androidスマホのユーザーの場合は、そもそも「Firefox」など他社のブラウザを好んで使う方も多いと思う。

いずれにしても今後のスマートフォンでは前述したようにウェブブラウザと検索エンジンの選択画面が導入されるようになるので注意して欲しい。


そして、スマホ法では今後さらなる変化がある。

それはOSプラットフォーマー限定機能のサードパーティーへの開放、アプリストアや決済手段の制限禁止だ。

Android及びiOSのアプリを開発する際、GoogleやAppleといったプラットフォーマーだけが組み込むことのできる機能がある場合、それを他社にも開放しなければならなくなる。例えば同じジャンルのアプリがあった場合、GoogleやAppleのアプリでは使える機能がサードパーティーには開放されていない場合、Google/Appleのアプリにはプラットフォーマーならではの特権的な優位性があることになる。今後、そうした制限を掛けることは禁止される。一見、この制限解除はユーザーのメリットだと思えるが、実は厄介な問題をはらんでいる。GoogleやAppleが開発してきた技術を基本的にオープンに他社にも開放しなければならないということは、他社がタダ乗りできることにもなる。それを避けるため、あえて日本市場では提供されない機能も出てくる可能性がある。このような事例は先行して同種の措置を採った欧州ではすでに起きている。

アプリストアについても同様で、Google Play、App Store以外のストアの選択肢を制限しないようにしなければならない。Androidの場合はそもそもサードパーティーのアプリストアも利用できるが、iPhone/iPadは違う。具体的にどのような形でサードパーティのアプリストアをユーザーに提示するようになるのか分からないが、「Epic Games Store」や「Steam」などゲームメーカーが運営しているストアは以前よりも一般化するかもしれない。ただし、サードパーティーのストアからインストールするアプリによるセキュリティ上の懸念は増すことになる。

また、アプリ内でのコンテンツ販売や決済手段も同様だ。それらの制限も禁止となる。アプリ内で電子書籍などのコンテンツを直接販売し、その場で決済するといったことが今後は可能になる上、決済手段もGoogleやApple以外の様々なものに対応可能としなければならない。これについてはユーザー体験は間違いなく向上し、便利になるだろう。

全面施行とはいえ実際の変化は徐々に起こるだろうし、良い点悪い点どちらも含む法律であり、どのような影響があるのか注意していく必要があるだろう。

情報元、参考リンク
公正取引委員会/スマホ法について
KDDI/ご利用中スマートフォンへの「ブラウザ」と「検索」の選択必須化のご案内

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