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【レビュー】高品質ミニプロジェクター「Dangbei Neo」。Netflix公式対応、投影クオリティ良し、設置性良しで静音も魅力

今回実機のレビューをお届けする製品はHangzhou Dangbei Network Technology Co., Ltd(ハンジョウ ダンベイ ネットワーク テクノロジー、以下「ダンベイ」)が4月25日に日本市場で発売したオールインワンミニプロジェクター「Dangbei Neo(ダンベイ ネオ)」。

「Dangbei Neo」(ダンベイ ネオ)
<▲写真:「Dangbei Neo」(ダンベイ ネオ)>

バッテリー内蔵のモバイルプロジェクターよりは大きく、大々的な光学系や冷却システムを搭載する据え置きプロジェクターよりは小さい、中間的なサイズ帯の製品。バッテリーは内蔵していないのでコンセントに繋ぐ必要はあるものの、決して外に持ち出せないサイズではないし、屋内での移動も楽。底面に市販の三脚などを取り付け可能なネジ穴が設けられていることもあり、設置自由度も高い。

プロジェクターとしての投影能力はモバイル製品より優れ、据え置きプロジェクターに近い。それでいて、24dB以下とされる静音性も魅力だ。

また、Dangbei Neoは動画配信サービス「Netflix」の公式ラインセンスを取得している。他にも「Amazon Prime Video」「YouTube」もDangbei Neoのみで視聴可能だ。

「Dangbei Neo」はNetflixの公式ライセンスを取得した上で対応している(メーカー資料画像より)
<▲写真:「Dangbei Neo」はNetflixの公式ライセンスを取得した上で対応している(メーカー資料画像より)>

今回、メーカーからレビュー用の貸出機をお借りしたので、Dangbei Neoについて詳しく見ていきたい。



Dangbei Neo(ダンベイ ネオ)の実機レビュー

筆者、編集部のプロジェクター取扱い状況について

まずは筆者及びGAPSIS編集部でのプロジェクターの取扱い歴などを紹介したい。

Android搭載プロジェクターの「XGIMI MoGo Pro+」、主に低価格帯市場で成長著しいYaberの「Yaber Aurora S」「Yaber Ace K1」、そして日本のプロジェクター市場で圧倒的シェアを誇るエプソンの据え置きプロジェクターなどを筆者、編集部で触ってきたが、Dangbei製品は今回が初。

筆者自身は個人的にエプソンのプロジェクターを長年愛用していて、近年はそこに「XGIMI MoGo Pro+」、「Yaber Aurora S」などを追加し、映画やゲームなどを楽しんできた。さらに昨今は、4Kプロジェクターが欲しくてBenQの「TK700i」などを物色しつつも価格から手を出せずにいるという状況だ。

高級機の経験はないものの、プロジェクターを公私ともに数台使ってきた訳だが、Dangbeiには関心がありつつも手を出していなかった。

4Kプロジェクターを本格的に探し始めると皆が必ず遭遇すると思うが、予算20万円以下で抑えようとすると、候補はBenQの他、「Dangbei Mars Pro」など一部の製品に限られてしまう。私自身、BenQ TK700シリーズと「Dangbei Mars Pro」を候補に挙げて検討していた。しかし、Dangbeiの製品は触ったことがなく、躊躇した。そんな矢先にDangbei Neoを借りられることになった。

:Dangbei Neo」本体
<▲写真:「Dangbei Neo」本体>

本記事が、私と同様、Dangbei製品のクオリティや機能などに関心を持っている方の参考になれば幸いだ。結果的には全体的なクオリティが高く、新興メーカーとはいえ全く侮れない製品に仕上がっていると感じた。幾つか気になる点もあったが、基本的にはとても良くできている。


Dangbeiについて

Dangbeiが6月12日時点の日本市場で展開している製品ラインナップは下記の2つ。

  • Dangbei Mars Pro:169,915円(※特選タイムセール価格。その前は199,900円)
  • Dangbei Neo:89,999円(※通常価格)

6月12日時点では特選タイムセールによって、Dangbei Mars Proは約3万円安くなっている。一方のDangbei Neoは通常価格89,999円だが、12日時点では15,000円割引のクーポンが配布中なので、実際には64,999円で購入できる。実売価格はその時々のセールやクーポンなどによって変動する。

Dangbeiの4Kプロジェクター「Dangbei Mars Pro」(メーカー資料画像より)
<▲写真:Dangbeiの4Kプロジェクター「Dangbei Mars Pro」(メーカー資料画像より)>

2機種だけなのでDangbei製品内での選択はしやすい。Dangbei Mars Proは出力解像度が4K(4,096 x 2,160ドット)対応、Dangbei NeoはフルHD(1080p)対応だ。

Dangbei Mars Proは本体サイズが約246 x 209 x 173mm、重さ約4.6kg、Dangbei Neoは約200 x 15.7 x 100mm、重さ約1.42kgと、結構違う。Amazon.co.jpなどで公式製品画像だけを見ると、同じような箱型形状なので同じサイズ帯に見えるが、Dangbei Mars Proの方が若干大きい。

なお、AmazonのDangbei Neoの製品ページ記載の情報によれば、Dangbeiは7月31日にMars Proより廉価な4Kプロジェクター「Dangbei Mars」を発売予定のようだ。通常価格約14万円ということで、Dangbei NeoとMars Proの間に位置することになる。



Dangbei Neoの特徴

Dangbei Neoは前述したようにモバイルプロジェクターと据え置き型プロジェクターの間のサイズ帯の製品。小型で軽いので屋内での移動はもちろん、外出先で使うことも十分に可能。モバイルプロジェクターよりは大きな筐体ということで、より高度な光学系を搭載し、投影能力も据え置き型プロジェクター寄りだ。

「Dangbei Neo」は小型軽量に加え、底面にネジ穴が設けられているため市販の三脚や一脚、ゴリラポッドなどを取り付けられる
<▲写真:「Dangbei Neo」は小型軽量に加え、底面にネジ穴が設けられているため市販の三脚や一脚、ゴリラポッドなどを取り付けられる>

小型軽量の上、底面にカメラで使われるものと同じ規格のネジ穴が設けられているので市販の三脚や一脚などを用いた固定ができることも魅力。フットプリント、すなわち縦横のサイズも小さいので、相当小さい三脚でもバランスを取れるし、ご覧の通りゴリラポッドでも全く問題ない。

そしてプロジェクターとしては優秀な静音性を備えている。

大型の光学系を搭載すると冷却能力の高い冷却機構が必須だが、Dangbei Neoの発熱は大型プロジェクターほどではなく、冷却ファンも静か。動画視聴中にファンの音に気を取られることはあまりないと思う。

プロジェクターとしての投影方式はDLPで、最大輝度は540ISOルーメン、光源寿命は約3万時間、投写解像度は1080p(1,920 x 1,080、フルHD)、調整関係はオートフォーカス対応、オートキーストーン(台形補正)対応、障害物のスマート回避機能搭載など。実用スクリーンサイズは最大120インチほど。

「Dangbei Neo」の自動調整機能はオートフォーカス、オートキーストーン、フィッティング、障害物回避と多岐に渡る(メーカー資料より)
<▲写真:「Dangbei Neo」の自動調整機能はオートフォーカス、オートキーストーン、フィッティング、障害物回避と多岐に渡る(メーカー資料より)>

6Wのスピーカーを2つ搭載し、Dolbyオーディオ対応。規格としては「Dolby Digital」「Dolby Digital Plus」までサポートする。

Dangbei NeoのOSはLinux、Wi-Fiを搭載し(IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠)、インターネットはDangbei Neo単体で接続/利用できる。

そして同社がDangbei NeoのPRポイントとして大きく掲げているのがNetflixの公式ライセンスを取得しているという点。安心かつ手軽にNetflixを利用できる。「Amazon Prime Video」と「YouTube」もプリインストールされていて、Dangbei Neo単体で視聴できる。Netflix、Amazon Prime Video、YouTubeだけなら「Amazon Fire TV Stick」シリーズや「Chromecast」などのドングルが不要なので、その分の出費をカットできるし、何よりシンプルだ。

入出力端子は、HDMI入力ポートが1つ、USB 2.0ポートが2つ、有線LANポートが1つ、S/PDIF出力ポートが1つ、ACアダプター接続端子が1つ。

消費電力は90W。
「Dangbei Neo」のカラーバリエーションは2色。左がダークグレー、右がホワイト
<▲写真:「Dangbei Neo」のカラーバリエーションは2色。左がダークグレー、右がホワイト>

本体サイズは約200 x 157 x 100mm、重さは約1.42kg、カラーバリエーションはダークグレーとホワイトの2色展開。今回レビュー用に借りたのはダークグレーモデルだ。



Dangbei Neoの基本スペック

Dangbei Neoの基本スペックを改めてまとめると下記の通り。

  • 製品ブランド:Dangbei(ダンベイ)
  • 製品名:Neo(ネオ)
  • 投影方式:DLP
  • 光源:LED
  • 光源寿命:約30,000時間
  • 輝度:540ISOルーメン
  • 解像度:1080p(1,920 x 1,080)
  • 投写スクリーンサイズの目安:実用最大120インチ程度
  • スクリーン間距離:60インチで1.62m、120インチで3.26m
  • オートフォーカス:対応
  • 自動台形補正:対応
  • ズーム機能:50~100%対応
  • その他、投影関連の自動調整機能:オートスクリーンフィット、スマート障害物回避
  • スピーカー:6W x 1(ステレオ)、Dolby対応
  • Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠
  • Bluetooth:5.0
  • 入力端子:HDMI(x1、ARC対応)、USB 2.0(x2)、有線LAN(x1)、ACアダプター端子(x1)
  • 出力端子:S/PDIF(x1)
  • HDR対応:HDR10、HLG対応
  • OS:Linux
  • 定格消費電力:90W
  • サイズ:約200 x 157 x 100mm
  • 重さ:約1.42kg
  • パッケージ内容:Dangbei Neo本体、リモコン、電源アダプター、電源ケーブル、ユーザーマニュアル(複数言語版、日本語対応)、カスタマーサポートへのお問い合せカード


Dangbei Neoの実機のパッケージと付属品

Dangbei Neoのパッケージと付属品を見ていきたい。

「Dangbei Neo」のパッケージ
<▲写真:「Dangbei Neo」のパッケージ>

パッケージにはご覧の通り、Netflix、Amazon Prime Viewo、YouTube、そしてDolby Audioのロゴが記載されている。

付属品はリモコン、電源アダプター及びケーブル、ユーザーマニュアル、カスタマーサポートへのお問い合わせカード。リモコンは単4形乾電池2本での駆動だが、電池が付属していないので注意して欲しい。

「Dangbei Neo」の本体と付属品
<▲写真:「Dangbei Neo」の本体と付属品>

電源アダプターとケーブルは写真の通り。コンセントプラグは日本で標準の2Pタイプ。アダプターの出力は19V、4.74Aで90.06W。アダプターはデザインが妙に凝っていて、天面上部が光沢仕様、下部がヘアライン加工仕様の2パート構成になっている。変な話、アダプターデザインの拘りだけでも製品全体のクオリティへの安心感が得られる。また、通電中に光るLEDインジケーターも搭載されている。インジケーター光は邪魔だという人も多いと思うので、その場合はテープか何かで塞げばいいだろう。

ACアダプターは天面の上部と下部で仕上げが違う。上部は光沢パネル、下部はヘアライン加工されている。また、左上には通電時に光るLEDインジケーターも搭載
<▲写真:ACアダプターは天面の上部と下部で仕上げが違う。上部は光沢パネル、下部はヘアライン加工されている。また、左上には通電時に光るLEDインジケーターも搭載>

マニュアルは複数言語対応で、日本語ページも用意されている。マニュアルの出来も良い。ローカライズがちゃんとしているだけでなく、必要な情報がまとまっていて分かりやすい構成。


本体デザイン

Dangbei Neoの本体デザインを見ていきたい。

「Dangbei Neo」のフロント、側面などのデザイン。通気口などは基本的に金属パネル
<▲写真:「Dangbei Neo」のフロント、側面などのデザイン。通気口などは基本的に金属パネル>

正面にはオートスクリーンフィットやオートフォーカス等の調整に用いるカメラなどが左に、右に投影用のレンズがある。残念だがDangbei Neoのレンズにはレンズカバーやレンズキャップがない。保管時に気になる場合は、製品が入っていたビニール袋や巾着袋などで保護した方がいいかもしれない。

側面には通気口とスピーカーが配置され、金属パネルでカバーしている。基本的にDangbei Neoのデザインは質感も高く、優れた製品だと感じたが、幾つか微妙な点もあり、その一つが前述したレンズカバーが無しという点と、スピーカーの配置だ。

スピーカーは側面の一方に集中配置されている
<▲写真:スピーカーは側面の一方に集中配置されている>

なぜか6Wのスピーカー2機が左右側面それぞれに分割配置されず、一方に集中している。その為、実際に音を聴くと、明らかに片側からまとまって聴こえる。ある程度音量を上げれば音の広がりが増すこともあり、偏りも薄まるが、音量が小さいと若干気になる。とはいえ、動画に集中し始めると内容に意識が行くこともあり、気にならなくはなる。プロジェクターのスピーカーは対称配置されていない製品も多いので普通と言えば普通かもしれない。

天面にはDangbeiのロゴと電源ボタン。Dangbei Neoはリモコン操作を基本としていて、本体には操作系のボタンはない。

「Dangbei Neo」の天面にはメーカーロゴと電源ボタン
<▲写真:「Dangbei Neo」の天面にはメーカーロゴと電源ボタン>

底面には中央に「PTZブラケット用ソケット」と呼ばれるネジ穴が設けられている。使い道は様々。天吊りの際に使ってもいいし、先ほどから何度か述べたように、市販のカメラ用の三脚/一脚などを取り付けてもいい。

「Dangbei Neo」の底面。中央に三脚等を取り付けられるネジ穴、4隅に近い場所には4つのゴム足。ゴム足はネジタイプで脱着可能
<▲写真:「Dangbei Neo」の底面。中央に三脚等を取り付けられるネジ穴、4隅に近い場所には4つのゴム足。ゴム足はネジタイプで脱着可能>

4つ設けられたゴム足もネジ式で脱着可能。マニュアルには天吊りに関する記述がないが、少なくともこのゴム足のネジ穴を用いて天吊りすることはできるだろう。また、ゴム足のネジの長さは約5mmあり、若干の傾き調整などにも使える。

ゴム足を実際に外した所。ネジは約5mm。器具を使わず手だけで回せる
<▲写真:ゴム足を実際に外した所。ネジは約5mm。器具を使わず手だけで回せる>

ゴム足も含めてDangbei Neoの本体デザインの品質は高く、とても良い仕上がり。

背面には入出力端子がまとめて並んでいる。左から順に電源アダプター端子、S/PDIF出力端子、有線LANポート、HDMI入力端子(ARC対応)、USB 2.0端子が2つ。

「Dangbei Neo」の背面には入出力端子がまとめられている。端子類の下には排気口
<▲写真:「Dangbei Neo」の背面には入出力端子がまとめられている。端子類の下には排気口>

HDMI入力端子はARC対応。そしてSP/DIF出力、要するに光デジタル端子も装備しているので、新しいホームシアター/サウンドバーだけでなく、少し前の世代の製品だろうと、最悪でも光デジタル経由で繋げられる。

モバイル性に優れる小型軽量モデルながら入出力端子に関しては十分揃っている。

リモコンは赤外線タイプではないのでDangbei Neo本体にも受光部を設ける必要はないし、どの方向から向けても反応する。

付属マニュアル内のリモコン説明ページ
<▲写真:付属マニュアル内のリモコン説明ページ>

リモコンもハードウェアのクオリティが良く、Fire TV Stickのリモコンのように操作の度にハメ合わせ部がヘニャヘニャ動くようなこともなく、非常にしっかりした作り。ボタンも押しやすい。

用意されているキーは、電源キー、ミュートキー、十字キーと決定キー、戻るキー、ホームキー、音量キー、フォーカスキー、メニューキー、Netflixキー、Amazon Prime Videoキー、YouTubeキー。


スクリーンサイズ、スクリーン間の距離、ズーム、明るさ

Dangbei Neoの実用最大スクリーンサイズはおよそ120インチ。マニュアルによれば最適なサイズは100インチとされている。

「Dangbei Neo」の「ホーム」画面
<▲写真:「Dangbei Neo」の「ホーム」画面>

アスペクト比(縦横比)が16:9の場合の主なスクリーンサイズと、プロジェクターフロント面との間の距離は下記の通り。

  • 60インチ(横1328 x 縦747mm):1.62m
  • 80インチ(1771 x 996mm):2.17m
  • 100インチ(2214 x 1245mm):2.7m
  • 120インチ(2657 x 1494mm):3.26m

据え置き型プロジェクターの多くの機種と比べると焦点距離が短いので、どちらかというと前方配置がメインになると思う。要するに、視聴者とスクリーンの間に配置する、という形。この配置の場合、冷却ファンの音がうるさいと集中しにくいので、Dangbei Neoのファンが比較的静かな音だというのは利点の一つ。また、本体ボディも小型なので、視聴の邪魔にはなりにくいと思う。

ちなみに焦点が合う最小距離は実際に試すと12cmくらいだった。こんな小さなサイズ、短距離で使うことなどありえないが、6インチ程度のスクリーンサイズでも一応焦点が合う。

現実にこんな使い方をすることはあり得ないが一応12cmくらいでも焦点を合わせられた。写真ではスクリーンが白く光って何も分からないと思うが、実際には優秀なテレビ並みの表示品質でクッキリとした表示がされている
<▲写真:現実にこんな使い方をすることはあり得ないが一応12cmくらいでも焦点を合わせられた。写真ではスクリーンが白く光って何も分からないと思うが、実際には優秀なテレビ並みの表示品質でクッキリとした表示がされている>

また、Dangbei Neoにはズーム機能が搭載されていて、標準設定の「100%」から「50%」の小ささにまで縮小できる。そのため、実際の設置位置はズーム機能を併用することで自由度が増す。

ズーム機能を使って80%に縮小したところ。実際には最小で50%にまで小さくできる
<▲写真:ズーム機能を使って80%に縮小したところ。実際には最小で50%にまで小さくできる>

Dangbei Neoの明るさはカタログスペックの数値では最大540ISOルーメン。数値を見てもピンと来ない方が大半だと思うが、実際に投写すると、超明るいという訳ではないものの、コントラストに優れて階調表現が細かい上シャープなので、室内の照明さえ落とせば120インチでも耐えられそうだ。ただ、スクリーンサイズが大きくなればなるほど全体的に薄くなってしまうので、マニュアルに記載された通り、実用的な最適サイズは100インチ位かもしれない。

部屋の照明をつけた状態だと、筆者の感覚としては60インチ程度なら十分問題ないと思う。もちろん多少薄くなるが、十分視聴できるレベル。正直、かなり表示は綺麗だと思う。実際には下の写真より見やすい。

部屋の照明をつけた状態。スクリーンや壁紙の明るさや色合いが不自然になってしまっているが(実際にはスクリーンも壁紙も白い)、投影スクリーン画像自体の明るさはかなりリアルに撮影できている。照明下でもこれくらいの濃さは確保できる
<▲写真:部屋の照明をつけた状態。スクリーンや壁紙の明るさや色合いが不自然になってしまっているが(実際にはスクリーンも壁紙も白い)、投影スクリーン画像自体の明るさはかなりリアルに撮影できている。照明下でもこれくらいの濃さは確保できる>

Dangbei Neoの場合、恐らく80~100インチが現実的に高いクオリティと迫力のバランスが取れたスクリーンサイズだと思う。購入検討の際は、実用80~100インチ位で考えた方がいいだろう。br />

投写映像のクオリティ、入力信号など

Dangbei Neoの投写クオリティはかなり良い。据え置き型プロジェクターと十分以上に競えるレベル。HDR10及びHLG対応というだけでなく、基本的にコントラストがしっかりとしていて、色の階調も細かく再現できているし、のっぺりせずにシャープなので、一見しただけで綺麗に見える。

投写映像例1
<▲写真:投写映像例1>

周辺歪みやフォーカスの甘さも無く、全面で均一に焦点が合い、シャープで見やすい。

ただ、プリインストールされたNetflixアプリ、Amazon Prime Video、YouTubeアプリでは動画側の再生解像度としては4Kは選べず、1080p止まり。HDMI入力端子も入力信号として4K非対応。他社製品の中には入力信号としては4Kに対応しつつも出力解像度が1080pというプロジェクターもあり、意外とそれなりに精細感があって綺麗だが、Dangbei Neoは1080p入力、1080p出力ということで、精細感は純粋な1080pプロジェクターそのもの。それでも、とても綺麗に見えるのは、全面で均一に焦点が合い、とてもシャープなことと、色の表現力が細かく優れているからだろう。絵面として良い例ではないと思うので掲載していないが、オッサンの顎鬚やシミやニキビなども細かくシャープに見える。当然文字も見やすい。

投写映像例2(DangbeiのYouTube画像)
<▲写真:投写映像例2(DangbeiのYouTube画像)>

また、色合いやシャープさなどは好みに応じた細かな調整もできる。「設定」の「ピクチャーモード」に「標準」「カスタム」「シネマ」「スポーツ」「鮮やか」というモードが用意されていて、それぞれに「輝度」「シャープネス」などがプリセットされていてワンタッチで切り替えられる他、カスタムを選べば各項目を個別に変更できる。

「ピクチャーモード」の設定項目
<▲写真:「ピクチャーモード」の設定項目>



オートフォーカス、オートキーストーン

Dangbei Neoのフォーカス、キーストーン調整はオート、マニュアルどちらでもできる。オートフォーカスとオートキーストーンは電源が入った後、本体を動かした後などに自動起動される。もちろんオートをオフにしても構わない。

「設定」メニュー画面
<▲写真:「設定」メニュー画面>

オートフォーカスとオートキーストーンの機能はかなり優秀で、多少スクリーンが波打っていても全く問題なく調整してくれる。

「Dangbei Neo」でオートフォーカス、オートキーストーンを行っている所
<▲写真:「Dangbei Neo」でオートフォーカス、オートキーストーンを行っている所>



オーディオ

Dangbei NeoはDolby Audio対応ながら、なぜかデフォルト設定ではサラウンドがオフになっているので、最初に設定でオンに切り替えておく必要がある点には注意して欲しい。オフの状態だと明らかにサラウンド感のないサウンドになる。

「オーディオ」設定メニュー。手前に「Dangbei Neo」本体が写っていて、赤い光も分かると思う。これは背面の光デジタルオーディオ出力端子から漏れている光
<▲写真:「オーディオ」設定メニュー。手前に「Dangbei Neo」本体が写っていて、赤い光も分かると思う。これは背面の光デジタルオーディオ出力端子から漏れている光>

オンにすると若干サラウンド感が出る。若干と書いたのは、最近の「Dolby Atmos」対応製品の場合、プロジェクターに限らず、2スピーカーでも音の広がりがかなり出るが、それと比べると広がりには乏しいため。もちろん音量を上げると、それに伴い広がり、サラウンド感が増す。そのため、実際の評価は人それぞれ、音量次第で変わってくる。音自体は癖がなくセリフも聞きやすく、スピーカー自体の品質は良い印象。ただ、前述したようにスピーカーが一方のサイドに集中配置されていることもあり、Dangbei Neoの真後ろで視聴していると、どうしても音が右側面だけから聞こえている感じで、少し違和感を覚える。とはいえ、音量を上げると偏った感じは減る。

スピーカーよりもDangbei Neoの場合はHDMI端子がARCに対応していることと光デジタル出力端子を持っている点が魅力だと思う。

HDMIのARC対応と光デジタル出力端子の装備によって、新旧問わず、ほとんどのホームシアター/サウンドバー、バーチャルサラウンドヘッドホンを接続できる。

また、Dangbei NeoにはBluetoothも搭載されているので、Bluetoothヘッドホンやイヤホンも使える。さらにBluetoothスピーカーモードも搭載されていて、例えばスマホの音楽をDangbei Neoのスピーカーで聴くような使い方もできる。


騒音レベルと排気

Dangbei Neoの騒音レベルはカタログスペック上は24dBとされている。実際かなり静か。

しかし、超静かとまでは行かないかもしれない。より小さなモバイルプロジェクターの場合は本当に微かな音しか出ない製品もあるが、Dangbei Neoはモバイルプロジェクターよりは大きく、本格的な据え置き型プロジェクターよりは小さいという、中間的サイズの製品。一概には言えないが、冷却ファンの音も中間的で、静かではあるが一応普通に聞こえる。気になるかどうかは動画視聴時の音量レベルにもよるが、Dangbei Neoはミドルサイズの製品としては十分静かな方だと思う。

排気は背面から後方に向けて行われる。排気熱はあまり高くない
<▲写真:排気は背面から後方に向けて行われる。排気熱はあまり高くない>

Dangbei Neoのエアフローは吸気が側面、排気は背面から後方に向けて行われている。そのため、写真の「Amazon Fire TV Stick 4K Max」のようなドングルタイプの機器をHDMI入力端子からぶら下げていると排気熱が直接当たる。しかし、排気の温度が高くないので、Fire TV Stick 4K Maxの表面が熱くなるということはない。根本的にDangbei Neoの発熱はそれほど大きくないようなので、本体後方で視聴する人が「熱い……」となることもないと思う。


メニュー、その他

ホーム画面には入力切替、設定、Netflix、YouTube、YouTube Kids、Amazon Prime Videoなどの他、Bluetooth Speaker、OPEN Browser、APP STORE、Mirrorcastなどの項目がある。

Netflix、YouTubeなどの他、ブラウザやアプリストアも用意されている
<▲写真:Netflix、YouTubeなどの他、ブラウザやアプリストアも用意されている>

Bluetooth Speakerは前述したようにDangbei NeoをBluetoothスピーカーとして使う時のモード。Mirrorcastはミラーリング機能のことで、例えばAndroidスマートフォンを「Miracast」機能を介してワイヤレスでDangbei Neoにミラーリングできる。

Androidスマホなどを「Miracast」機能を使ってワイヤレスでミラーリングすることもできる
<▲写真:Androidスマホなどを「Miracast」機能を使ってワイヤレスでミラーリングすることもできる>

妙に感動したのはOPEN Browserで、意外と普通に使える。実際に使うかどうかと問われると何とも言えないが、実用レベルのレスポンスと使い勝手でブラウザを利用できるというのは良かった。複数人でちょっとウェブページを見たい時に、スマホの画面をミラーリングするよりも良いかもしれない。

ウェブブラウザは意外と普通に使える
<▲写真:ウェブブラウザは意外と普通に使える>

また、APP STOREでは、様々なジャンルのアプリが並んでいる。ただ、スマホのようにアプリのパッケージファイルを個別にインストールしてから使うのではなく、ウェブアプリのようだ。インストールというステップは踏まず、ローディングが完了すると使える。例えばテトリスなどのゲームもローディング後、すぐにプレイできる。

「APP STORE」のトップページ画面
<▲写真:「APP STORE」のトップページ画面>

「APP STORE」内のテトリスを試しに起動したところ
<▲写真:「APP STORE」内のテトリスを試しに起動したところ>

とはいえ、日本人に馴染みのあるアプリ/サービスはほとんどなさそうなので、APP STOREに関しては使い道はあまりないかもしれない。


総括

今回初めてDangbeiの製品を使ってみたが、まず最初に感じたのは品質の高さだ。

プロジェクターに限らず新興メーカーの場合、「安かろう悪かろう」で作り込みが甘かったり、製造品質が悪かったりすることもある。Dangbeiの場合、日本市場から見ると新興メーカーだが、すでに製品の品質は高いレベルにある。それはデザインの外観だけでなく作り自体が丁寧だという点も含めてだ。Dangbei Neoも優れたデザインで、本体だけでなくリモコンの品質も良い。それは電源アダプターやマニュアルにまで及ぶ。

「Dangbei Neo」
<▲写真:「Dangbei Neo」>

プロジェクターとしての投写クオリティも同様で、とても綺麗で、フルHDプロジェクターとしては据え置き機並み。もちろん10万円を超えるハイエンドの据え置き型フルHDプロジェクターと比べると見劣りする部分は出てくるが、実売6~7万円の価格帯でモバイル性に優れる小型軽量プロジェクターとしてはお世辞抜きでほぼ完璧と言っていいと思う。

Dangbei Neoを触ってみて、個人的にDangbei Mars Pro、もしくはDangbei Marsへの関心も高まったほどだ。

無理やり欠点をひねり出すとスピーカーの配置が左右対称ではない点だが、これについては人によると思う。

プロジェクターは実機を確認してから購入することの難しい製品ジャンルだとは思うが、カタログ情報やレビュー記事、口コミなどで判断してもDangbei Neoは比較的問題ない製品に仕上がっていると思うので、小型軽量で据え置きプロジェクタークラスの投影能力を持つ製品を探している方には有力候補になると思う。


情報元、参考リンク
Amazon/Dangbei Neo製品ページ
Amazon/Dangbeiストアページ
Dangbei公式サイト

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