<▲図:ICT機能付自動販売機とWi-Fiアクセスポイント、災害時用の備蓄品など> |
このICT機能付自動販売機では、もちろん飲料が販売されるわけだが、無料で利用できるWi-Fiサービスのアクセスポイント機能を持っていたり、災害時の支援機能としてダストボックスの上部空きスペースに非常食や簡易トイレなどが設置されていたりと、様々な機能が用意されている。
まずは無料のWi-Fiサービスだが、「Minato City Wi-Fi」のアクセスポイントとして機能する。
スマートフォン、タブレット、パソコン、携帯ゲーム機などのWi-Fi機器を手軽にインターネットに繋ぐことができる。平時も災害時もどちらも利用料金は無料だが、平時に関しては60分ごとに再接続が必要。1回あたり60分の接続までとなっているので、それ以上の時間利用したい場合には再接続しなければならない。とはいえ、利用回数の制限はないので、60分ごとに若干の手間が入るものの、実質的には時間制限はないようなもの。一方の災害時は1回あたりの時間制限も撤廃されるため、繋げっぱなしでの利用ができる。もちろん災害時は他の利用者のことも考えて、急を要する用途など意外での回線占拠は控えたい。
利用の際のSSIDは「Minato_City_Wi-Fi_02」なので、スマートフォンなどでそのSSIDに接続すればいい。
また、Minato City Wi-Fiは全国各地の無料Wi-Fiサービスを一つのアカウントで横断利用できるサービス「Japan Connected-free Wi-Fi」にも対応しているため、「Japan Connected-free Wi-Fi」経由での接続・利用もできる(詳しくはこちらの記事参照)。
<▲図:利用イメージ> |
次に災害時支援機能だが、災害などで商用電力が停電となった場合でも自動販売機に内蔵されたバッテリーによって貯蔵飲料を無償で提供することが可能となっている。加えて、前述したように非常食、簡易トイレ、レスキューシートなどの災害対策用備蓄品が設置されているので、災害時の避難スポットとしての活用もできる。
なお、訪日外国人などへの支援機能として、多言語表示にも対応している。自動販売機記載のQRコードをスマートフォンで読み取ると、ユーザーの端末の言語設定に合わせて、駐車場の利用方法などがその言語で表示される。
<▲図:駐車場の利用方法表示は日本語のほか英語、韓国語、中国語に対応> |
近年の自動販売機は災害時に飲料を無償提供してくれるものに切り替わってきているものの、駐車場を避難スペースやWi-Fiスポット、備蓄品の供給スポットなどとして活用する事例を耳にしたことはないと思う。今後、他のエリアの三井のリパークにも同様の展開があることを期待したいし、他社が運営する駐車場でもICT自販機が設置されれば災害時に助かる存在になるかもしれない。
【情報元、参考リンク】
・三井のリパーク公式サイト
・三井不動産リアルティ/プレスリリース
・GAPSIS/Japan Connected-free Wi-Fiについての記事