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【端末レビュー】AQUOSはいかに生まれ変わったのか? 世界レベルに進化したAQUOS Rをチェック!

昨年6月の「AQUOS ZETA」以来、しばらく新機種が出ていなかったシャープ「AQUOS」のフラッグシップモデルに「AQUOS R」という新機種がリリースされた。シャープのハイエンド機種には今まで「ZETA」という名前が使われていたが、これからは「R」という文字が使われるという。いっそ、「ZETA R」の方が良かったのではないかと思う。

<▲図:生まれ変わったAQUOS。
ぬめっとした印象の背面だが、ボディの厚みのおかげもあってホールド性に優れる>

この製品の特徴は、そのハイパフォーマンスに加えて、2年間のOSアップデート保証がある。OSのアップデートが提供されるのかどうか? ということは常にAndroidスマホの課題の1つだ。普通のスマホは、たとえハイエンド機種であろうとも、よくて1回しかメジャーアップデートしない。これではスマホを長く使うことはできない。しかし、AQUOS Rは2年間のアップデートを保証すると言っているので、2回程度はOSがアップデートされるはずだ。これはスゴイ。

さて、それではAQUOS Rが実際にどんなパフォーマンスを発揮するのか? を見ていこう。

ちなみに本記事ではau版の「AQUOS R SHV39」を借りて試用したレポートをお届けしていくが、AQUOS RはNTTドコモ版、ソフトバンク版もあり、それぞれ通信速度など異なる部分もあるが、基本的な特徴は同じなので、ドコモ版の「AQUOS R SH-03J」、ソフトバンク版の「AQUOS R」の購入を検討している方にも参考になると思う。

AQUOS Rが搭載するプロセッサはQualcommのSnapdragon 835(2.2GHzクアッドコア+1.9GHzクアッドコアのオクタコア)だ。

このプロセッサはパフォーマンスが非常に高いのが特徴で、今夏モデルのラインナップでは他の機種も採用しているが、AQUOS RはSnapdragon 835を搭載するスマホとしてはごく普通のパフォーマンスを発揮する。例えば、「Antutu」や「Geekbench 4」などのベンチマークでは、「Galaxy S8+」と互角程度のパフォーマンスだ。


しかし、何もパフォーマンスはスピードだけが全てではない。

このAQUOS Rは、冷却にかなり力を入れている。これは動作を安定させるだけでなく、半導体を長持ちさせてくれる。ありがたいことだ。この冷却性能は実際に効いていて、非接触温度計で測定したベンチマーク実行中の温度は、ほとんどの場合、Galaxy S8+を下回った。安定性が良さそうだ。

<▲図:ディスプレイのサイズは5.3インチで解像度はWQHD。
この写真はちょっと上手く取れていないが、実際の発色は素直で良い>

<▲図:指紋認証センサーは前面のホームボタンに搭載されている>

また、新世代IGZOによる、ディスプレイの120Hz表示がスクロールをスムーズにしてくれるのもいい。通常のディスプレイのリフレッシュレートは60Hzだが、このIGZOは「ハイスピードIGZO」と名付けられ、120Hz駆動。さらに応答速度も昨年モデルのAQUOS ZETAと比べて約1.5倍に高速化されている。ディスプレイの表示性能の高さからくるスムースさは大きな魅力だ。これは下に掲載したシャープ公式の紹介動画からもすぐに理解できると思う。実機でも同じ感じだ。


さらに4K HDR対応や、非HDRコンテンツをバーチャルでHDR化する機能もある。


ディスプレイは性能、クオリティ、省電力性能、そして濡れた状態での操作性改善など、あらゆる面で進化している。

一方、人によってはAQUOS R最大の弱点というかもしれないのがデザインだ。

AQUOS Rも、今までのAQUOSっぽい、厚く、もっさりしたデザイン。ところが、実際に使ってみると、手に馴染んで安定感がある。現在の他のスマホはスタイリッシュさを求めるあまり、ホールド性を下げてしまっているものが多いので、この安定するホールド性は安心感があっていい。

<▲図:SIMスロットは左サイド、電源とボリュームは右サイド。
イヤフォン端子は上面、USB Type-Cは下面にある。こうしたインターフェース配置は従来と同様>

<▲図:au版のカラーバリエーション>

<▲図:こちらはドコモ版のカラーバリエーション。
ホワイトとブラック以外のカラーのみau、ドコモ、ソフトバンクで異なる>

また、シャープ独自のサポートAI「エモパー」も、より賢くなったのを感じる。従来よりも的確で興味深いことを話しかけてくれる。この手の、スケジュールや最新情報を知らせてくれるパーソナルアシスタントは今後、スマホを選ぶ際の1つのポイントになっていくのではないかと思う。

今回は借りていないが、エモパーと連動して回転する充電スタンドの「ロボクル」なんてアイテムもある。これも意外と良いかもしれない。


新しいAQUOSは、Snapdragon 835の高度なパフォーマンスに加えて、ディスプレイの表示性能の高さ、ホールド性の高いデザインなど、優れた実用性を持っており、安定感のある一台に仕上がっているのを感じる。現在、多くのメーカーのハイエンド機は、無意味にデザイン性を高めているように見えるが、そろそろAQUOS Rのように実用性に気を遣ってもらいたいものだと思う。

AQUOS Rは重要な機能を多面的にシェイプアップしたモデルで、その面では日本的進化を感じる。

モデルチェンジを重ねるごとに進化してきたエモパーにしても、ロボクルとの組み合わせで大きな進化を感じる。様々な進化がクロスして生まれ変わったAQUOS Rは、日本流な世界レベルの端末に進化したと思う。

(記事:一条真人

【情報元、参考リンク】
au Online Shop
ドコモオンラインショップ/AQUOS R SH-03J製品ページ
ソフトバンクオンラインショップ/AQUOS R製品ページ
GAPSIS/au版AQUOS Rの取材レポート記事
GAPSIS/ドコモ版のAQUOS Rの取材レポート記事

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