六本木ヒルズ森タワーでの実験について(※クリックして拡大) |
商業施設のように基地局からの見通しを確保しにくく、複雑に反射を繰り返す環境では、直進性が強く、減衰も大きいミリ波のような高周波数帯の電波を用いた無線データ伝送を実現することは難しいと考えられていたが、今回の実験では2Gbps以上の速度を記録することに成功した。
今回は、電波の放射エリアを特定方向へ集中させるビームフォーミング機能と、移動する端末の動きに合わせて電波を送信するビーム追従機能によって実現させている。
ドコモは12日には韓国でサムスン電子と28GHz帯を使った実験も行っている。その実験では、基地局から見通しのある道路上を時速約60kmで移動する環境を想定し、120mm×60mmのスマートフォンに内蔵できる小型アンテナを使い、受信時2.5Gbps以上の無線データ伝送に成功している。
ドコモは2020年までに5Gの通信ネットワークをユーザーに提供することを目指している。3G時代と比べると、十分に速いモバイルネットワーク環境が提供されているが、今は「Netflix」や「dTV」のように4K解像度の映像をインターネット配信するサービスも出てきており、大容量のデータ通信を必要とするサービスが今度さらに増えてくることは確実。さすがにモバイルデータ通信で大容量のデータ通信を頻繁に行うことは料金プランの関係から現実的ではないが、いずれにしても、通信環境のさらなる改善は必要になるだけに、今後も5Gの実験には注目したいところだ。
【情報元、参考リンク】
NTTドコモ/プレスリリース