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【島田純のMobile×Travel】第55回:LCC国際線で機内Wi-Fiを使ってみる

LCC「Scoot」(スクート)の国際線での機内電源サービスを紹介した前回に続いて、今回はScootの機内Wi-Fiサービス(インターネット接続サービス)をご紹介します。

シンガポールを拠点とするLCC「Scoot」

Scootの機内Wi-Fiサービスは、ビジネスクラスに相当するScootBizとエコノミークラスのどちらでも有料のオプションサービスです。オプション料金は1時間 USD 11.95、3時間 USD 16.95、24時間 USD 21.95の3パターン。

機内Wi-Fiの料金は3パターン

それぞれの「利用時間」は「Wi-Fiサービスにログインしてから、サービスが使えなくなるまでの時間」を意味します。一度Wi-Fiサービスにログインして使いはじめると、データ通信の利用有無やサービスそのものが利用できる状態か否かに関わらず、規定の時間が経過後にサービスが終了してしまう点には注意が必要です。なお、Scootの機内Wi-Fiサービスには通信容量制限は無く、規定の時間内であれば通信は使い放題です。

Scootの機内Wi-Fiは、航空券の購入時にオプションとして購入できるほか、搭乗後に機内で購入することも可能です。筆者は航空券の購入時にオプションとして購入しました。Wi-Fiの利用方法やログイン情報なとが記載されたメールは航空券の購入手続き完了後、すぐに通知されました。

メールでWi-Fi利用に関する案内が届く

このメールには、機内Wi-Fiサービスへの接続に必要なメールアドレスとパスワードが記載されています。機内Wi-Fiサービスを利用するためには、ここに記載されているメールアドレスとパスワードが必須となりますので、オフラインでも参照できる状態で保存するのを忘れないようにしましょう。

筆者は予め、Googleカレンダーへの登録と、メール内容をPDFでEvernoteに保存する2通りの方法でメールアドレスとパスワードを保存していました。機内Wi-Fiサービスを利用する端末はPCをメインに考えていたため、PCからEvernoteに保存したPDFを参照し、PDFからメールアドレスとパスワードを「コピー&貼り付け」しましたがログインに失敗しました。

PDFからメールアドレスとパスワードを「コピー&貼り付け」してのログインは何度試しても成功しなかったため、最終的には手動でメールアドレスとパスワードを入力してログインを行いました。このようなトラブルもあったため、基本的にはテキストファイルとしてメールアドレスとパスワードを保存しておくのがベストです。

筆者の場合、ログインに関するトラブルこそありましたが、航空券の購入時にScoot Wi-Fiのオプションを購入していれば、あとはログインするだけで機内Wi-Fiが利用可能になるので、機内Wi-Fi利用開始のフローそのものは非常にシンプルです。

<Scoot Wi-Fiの利用手順>

(1) Scootの機内でSSID「ScootWiFi」に接続する

(2) Webブラウザを起動 → Scootのポータル「http://www.scootwifi.com/」に接続し、「Get Wi-Fi」に進む

「Get Wi-Fi」に進む

(3) 画面上に表示された文字列を入力して「SUBMIT」

画面上に表示された文字列を入力して「SUBMIT」

(4) Eメールアドレスとパスワードを入力(未購入の場合は購入が可能)

Eメールアドレスとパスワードを入力

(5) 接続完了

接続完了


気になる機内Wi-Fiの通信速度ですが、何度か行ったスピードテストの結果では最高で下り6Mbpsを超える結果を記録。トップスピードそのものは数Mbpsを超えることも珍しくはありませんでしたが、応答速度を示すPingの値は800~900ms前後とかなり大きく、通信量の多く無いWebサイトであっても「ちょっと待たさせる」感覚です。「空の上でもストレスの無い通信環境」とまではいきませんでした。

下り通信速度はMbps越え

機内Wi-Fiを使ってWebサイトの閲覧やTwitterへの投稿などは問題なく行えましたが、Skypeを使った音声通話には失敗。飛行中にデータ通信が途切れることはありませんでしたが、通信速度や遅延の大きさを考えると、SkypeなどのIP電話サービスの利用を過度に期待するのは避けた方が無難と言えます。

台湾では2015年9月より航空機内での電子機器の利用制限が緩和されており、日本と同様に「機内モードに設定した状態であれば、離発着時でも電子機器の利用が可能」というルールが適用される航空会社が増えています。

筆者がScootに搭乗したのは9月末で、既にこのルールが適用されており、フライトモードに設定したスマートフォンについては離発着でも利用が解禁されていましたが、Scoot Wi-Fiは機体が高度1万フィート以上を飛行中に利用可能であるため、「離陸直後からずっとオンライン」という使い方はできません。

飛行中にずっと利用できるわけではない、あるいは利用可能なサービスに制限もあるScootの機内Wi-Fiサービスですが、前回の記事でご紹介した「機内電源サービス」と同様に「Scootの全便で利用可能」であり、なおかつ「通信容量は無制限」という点で余計な心配は不要。飛行中でもインターネットを利用したい方にとっては非常に心強いサービスと言えます。


記事執筆者プロフィール
島田純
ブロガー/フリーライター
Twitter:@shimajiro、ブログ:shimajiro@mobiler

ブログとモバイルと旅が好きなフリーランスのブロガー/ライター。
モバイルWi-Fiルータやデータ通信関連が得意です。

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