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【一条真人的Androidライフ】第49回:Android TVは成功するか?

今年も例によって「Google I/O」が行われた。

Google I/Oは米Googleが毎年、この時期に開催する開発者向けのイベントで、朝一番に基調講演が行われるのが通例だ。今年も基調講演において、Googleによるエキサイティングな発表が行われたわけだが、いつものGoogleと異なり、geek的というよりはマイルドさを増したものに感じた。

Android TV

次世代のAndroid OSはコードネーム「L」と呼ばれるということだが、この名前は何だかどこかのテレビドラマみたいだ。そして、このバージョンでは、従来よりもユーザーに優しいインタフェースを目指しているようだ。これだけでも今までにないマインドを発揮していることがわかる。

そして、その他の注目ポイントは、自動車に搭載するプラットフォーム「Android Auto」、そしてテレビに搭載する「Android TV」などだ。 自動車やテレビなど、今までにない分野に進出するGoogle。Androidはやはり「今まで以上にユーザーに対するフレンドリーさ」を必要としているということだろうか。

それにしても、個人的には「Android TVですか?」という感じだ。

そもそもGoogleは「Google TV」という、スマートTV用のプラットフォームを持っていたわけだが、こちらは諦めたようだ。Google TVは、後期にはAndroidとのコンビネーションを始めていたが、まあ、今となってはブランディング的にもAndroid TVの方が一般ユーザーには親しみやすいかもしれない。

さて、Android TVにおけるGoogle TVとの大きな違いは、ゲームがプレイできることのようだ。いや、本来はGoogle TVもインターネット、各種動画配信サービス、TV、ゲームを含めたアプリケーションと、今のAndroid TVのようなイメージを描いていたのだと思うが……。

Android TVでゲームがプレイできるといっても、結局はAndroidなので、Google Playで配信されているゲームアプリがプレイできるということだ。スマートフォン向け解像度のGoogleプレイのゲームをテレビ画面に表示してプレイして楽しいのか? という疑問がないではない。

Android TVの画面例。「Apps」だけでなく「Games」というカテゴリ分けがることからもゲームを大きな要素と捉えていることが分かる。

しかし、世の中、高精細な3Dグラフィクスのゲームばかりが受けるわけではない。そのようなゲームはプレイステーションやXboxに任せて、Android TVはカジュアルなゲームを扱っていけばいいのかもしれない。それに、最近ではスマートフォンのディスプレイの高解像度化も進み、それに伴いクオリティの高いグラフィクスを持つゲームも増えてきている。

さて、自動車用プラットフォームのAndroid Autoに関しては、ナビゲーションができるとか、アプリが使えるとか、音楽再生ができるとか、予想通りのものでしかない。そもそも、そうした機能は今までAndroid端末でやってきたことだ。しかし、自動車にAndroidが搭載される、あるいは自動車とAndroidとのコンビネーションでそうした機能が使えるようになるというのは大きな進歩であることは間違いない。

Android Auto

現在、Androidは日本国内においてはiPhoneほどには優勢ではない。これは、やはり当初のAndroidのマニアックなイメージが影響しているのだろうか?

しかし、今後、自動車やテレビなどでAndroidという名前を目にすることが多くなれば、人々はAndroidと言うものに感じる親しみが強いものになってくることだろう。

そんな中で、やはりちょっと気になるのはテレビにおいてAndroid TVが成功できるのか? ということだ。なにしろ、Googleにとっては一度失敗したジャンルであるからだ。

もちろん、現在のテレビ界の状況は以前とは異なる。以前はスマートTVというもの自体の普及が全く進んでいなかった。Google TVのユーザーインターフェースなどは受け入れ難かったわけだ。

ところが、現在では多くのテレビがそれぞれ独自のアプローチでスマートなTVになろうとし、独自のUIを構築している。そんな中であれば、使い慣れたAndroidとのコンビネーション、親和性を持つAndroid TVが、より人々に受け入れられる可能性はあるはずだ。

もしかしたら今度こそ、 Googleの(Androidの?)テレビへの進出の野望は成功するのかもしれない。


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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