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【一条真人的Androidライフ】第48回:Androidはそのバリアを超えられるのか?

先日、「VELDT」(ヴェルト)というスマートウォッチの発表会に行ってきたのだが、これは今までのスマートウォッチとはかなり違う仕上がりの様子。今までのスマートウォッチはデジタルデバイスを作っているメーカーが手掛けていることが多いので、どうしてもガジェットっぽくなりすぎてしまう傾向があった。

新しいアプローチのスマートウオッチ「VELDT」

これに対して、 VELDTはなるべくデジタル的なものを感じさせないというコンセプトで作られており、ルックスはまるでアナログ時計のようだ。スマートフォンの着信通知を知らせてくれる機能も搭載しているのだが、対応するプラットフォームはiOS、つまりはiPhoneだけだ。Androidで使えないというのは残念なところではある。

VELDTのロゴ

このVELDTに限らず、ウェアラブルデバイスは多くの場合、連携できる機器に制限があるものが多い。ソニーモバイルの「SmartWatch2」はAndroid(国内版はXperiaのみ)でしか使えないし、「SmartBand」はAndrois 4.4以上でしか使えない。サムスン電子の「Gear 2」にいたっては同社のスマートフォン「GALAXY」シリーズとしか連携できない。

現時点では、iPhoneと連携できるウェアラブルデバイスはAndroid関連ほど多くはないが、Apple社が開発しているという噂の「iWatch」が出ればこの状況も大きく変わることだろう。

なんにしても、ウェアラブルデバイスの連携機器の幅が狭い状況は、自社のビジネスの都合によるところも大きいのだろう。

とはいえ、市場に流通しているAndroid端末の多くが最新のOS、4.4以上のバージョンでないのも気がかりだ。このあたりがiPhoneとの大きな違いで、Appleは発表会でよくこのAndroidのバージョンが分散していることを話すのが大好きだ。

普段はあまり気にもせずにスルーしているが、スマートウオッチのような、スマートフォンと連携する新しいデバイスが注目されるようになれば、この問題は多くの人にとって問題になってくるだろう。

スマートウォッチ、ウェアラブルデバイスが活性化すれば、もしかしたらこのAndroidの弱点というものがよりクローズアップされることになるかもしれない。また、ウェアラブルデバイスに限らず、より様々なデバイスと接続できる時代になっても、その問題は大きくなるかもしれない。

現在のように多くのメーカーが自由にAndroid端末を作っているような状況は素晴らしいが、前に進むためには何かを「チェンジ」する必要があるのかもしれないと考えてしまう今日この頃だ。


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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