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【一条真人的Androidライフ】第42回:今後のモバイル技術の最大のボトルネックとは?

通信機能を持つ自動車、「コネクテッド・カー」。自動車メーカー各社が開発に乗り出しているが、例えばAudiは北米向けコネクテッド・カーで利用する通信キャリアとして米AT&Tを使うそうだ。ちなみに各種処理にはNVIDIAのTegraを使っている。自動車でストリーミング・オーディオを使えたり、アプリを使えたりするのは便利だが、その料金体系はどうなるのだろう? とちょっと気になってしまう。

ウエアラブル・テック・エキスポ in Tokyo

先日、Appleが「CarPlay」を発表した。iPhoneを使って、カーナビやオーディオなど様々なサービスを実現しようというサービスで、今年の夏頃には対応する車種が出てきそうだ。現在、Android陣営にも、自動車へのAndroidプラットフォームの組み込みを推進する「Open Automotive Alliance(OAA)」という団体があり、今年中にAndroidを搭載した自動車が販売されるように取り組んでいる。自動車とスマートフォンを接続して使えるのは利便性が高そうだが、普通にスマートフォンを使う用途よりもデータ通信量は多くなりそうだ。

そういえば、先日、知人がiPhoneによるテザリングで3日間くらいPCを使ったら、普段は3GBもいかないのに、使用データ通信量が速度制限のかかる上限である7GBに近づいて危ないところだったという。その原因はオンライン・ストレージ・サービスのデータのやりとりにあったようだ。

そして再び話は変わるが、今日25日に僕は東京ミッドタウンで開催された「ウエアラブル・テック・エキスポ」というイベントに行ってきた。ウェアラブル・デバイスを構成するための基礎技術とか、近いうちにリリースされるデバイスの展示などが行われるイベントで、技術だけでなく今後のウェアラブル・デバイスがどうなっていくのか? という感じのテーマのカンファレンスなども行われた。21日に秋葉原で開催されたAndroidのイベント「ABC」などに似ていると言えるかもしれない。今回のABCでもウェアラブル・デバイスに関するカンファレンスや展示があったようだ。

NTTドコモが展示した機能素材「hitoe」を採用した生体情報計測用ウェア。
hitoeは心拍数、心電波形などの生体情報を取得することができる。

「hitoe」のコントローラー。コントローラーを外せば、ウェアは洗濯も可能。

この「ウエアラブル・テック・エキスポ」で最もインプレッシブだったのは、展示室の中心にドリンクバーが設置され、烏龍茶、コーヒー(アイス、ホット)、オレンジジュースなどが手早くサプライされていたことだが、それはまあいいとして、様々なウェアラブル・デバイスの未来の可能性を見ることができた。

ウェアラブル・デバイスは電力消費の問題からモバイル通信をスマートデバイスに任せて、スマートデバイスとの通信にはBluetooth 4.0を採用していることが多い。ボリュームのある通信はスマートデバイスが担い、そのスマートデバイスとウェアラブル・デバイスの間の少量の通信をBluetoothが担当する。

ということは、ウェアラブル・デバイスの発展の先にも、スマートフォンのデータ通信量がさらに増えていく可能性が待ち受けているわけだ

最近、様々な夢のある技術が我々の前にその姿を見せているが、最大のボトルネックが通信キャリアのモバイルデータ通信の容量制限になる未来が近いうちに訪れるのかもしれないと心配になってしまう。


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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