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【端末レビュー】ホットな進化を遂げた「ARROWS NX F-06E」

Androidスマートフォンを長くウォッチしている人であれば、富士通の「ARROWS」という名前に少々不吉なものを感じない人はいないだろう。高機能を凝縮したNTTドコモ(以下、ドコモ)の2012年夏モデル「ARROWS X F-10D」にとって昨年の夏はまさにホットな季節となり、過激な発熱でAndroid界に話題を振りまいた。

ARROWS NX F-06E

そんなARROWSだが、モデルを重ねるごとに地道な進化を続けてきたことに気がついていた人はいるだろうか? そして、今年の夏モデルとして登場した「ARROWS NX F-06E」はコリもせず、最新の高速CPUを搭載し、5.2インチという大画面ディスプレイを搭載し、さらにフルセグさえ搭載するなど、高機能を詰め込んできた。ARROWSは1年前と同じ失敗を繰り返したのだろうか?


■驚異的にスリムなボディ

5.2インチのフルHDディスプレイはドコモの今夏モデルの中でも最大級だ。5インチフルHDのディスプレイは見慣れてきた今日この頃だが、5.2インチディスプレイはより情報が見やすく、0.2インチの差の中に大きなアドバンテージを感じる。しかも、そのボディは実にスリムだ。

0.1インチ大きなディスプレイを搭載する「GALAXY Note SC-05D」と比較すると極めてスリムだし、最近の5インチディスプレイを搭載したモデルと大差ない。この狭額縁技術は確かに凄い。ディスプレイの表示クオリティは極めて発色が良いとか特筆すべきものはないが、実用的なクオリティはクリアしている。

面白いところでは、ブルーライトの低減機能がある。この機種では設定でブルーライトを30%低減することができる。この設定を行うと明らかに表示の色合いが変わる。スマートフォンはパソコンよりも文字が小さく、目が疲れがちなので、長時間スマートフォンを使うようなユーザーにはありがたい機能だ。


■フォーカスが速いカメラ機能

以前のモデルのARROWSのカメラ機能ではフォーカスが遅く、少々、苛立つところがあったが、ARROWS NXではスムーズに素早くフォーカスされるようになったのが良い。撮影画像の画質は発色も地味で、特筆したい美点があるわけではないが、普通に撮影できるのがいい。

また、得意のヒューマンセントリックエンジンの機能の一つである「スーパークリアモード」により、周囲が明るい場合にはディスプレイのバックライトを明るくし、見やすくしてくれるのがいい。これは夏の屋外の撮影時などで威力を発揮しそうだ。


■フルセグ機能は?

フルセグはさすがにワンセグよりもはるかに映像が美しい。フルセグで気になるのはアンテナ感度だ。ワンセグと比較するとフルセグではデータ転送量が多いので、受信が難しいというのはAVに詳しい人ならすぐにわかることだろう。

ARROWS NXの搭載するアンテナは細い、ごく普通のアンテナなので、これでフルセグ受信できるのか? とちょっと心配になるが、実際にテレビ視聴を試してみると、都内の屋外ではアンテナを伸ばさない状態でさえフルセグモードで受信可能なことがよくあった。これは驚きである。逆に室内でのフルセグ受信は窓際以外では比較的難しい。

ちなみに、ARROWS NXのテレビアプリではワンセグ、フルセグをそれぞれ固定モードで受信できるモードと、アンテナ感度によって自動的に切り替えてくれるモードがある。自動にしておけば、感度が低い時はワンセグに、感度が高いときはフルセグに切り替えてくれるので便利だ。通常は自動に設定しておくと使い勝手がイイ。

ところで、ARROWS NXではフルセグ視聴はできても、録画はできないという弱点がある。録画はワンセグ画質だけだ。これは残念だが、録画データ容量の大きさ(地デジ録画は1時間で約8GB)を考えれば、仕方のない面もあり、現状では妥当な判断と言えるかもしれない。

アンテナを伸ばしたところ。

アンテナを出さずにフルセグ視聴しているところ。モザイクを掛けているがキチンと表示されている。


■地デジリモートアクセスプレイヤー搭載

ARROWS NXはDLPAのリモートアクセスに対応したデジオン製プレイヤーアプリを搭載しており、アイ・オー・データ機器やバッファローの対応NAS(詳細はこちらの記事参照)などにインターネット経由でアクセスし、リモート再生できるのが便利だ。家に置いたレコーダーで録画した番組データを対応NASに入れておけば、外出先からモバイル回線経由でARROWS NXから視聴できる。

現時点で、このリモート再生機能に対応しているのはARROWS NXを含めた富士通の3つのスマートフォンだけなので、ARROWS NXのアドバンテージの1つと言えるかもしれない。

インターネット経由で録画データがあるNASにリモートアクセスしているところ。

NAS内のフォルダを選択しているところ。

あとは録画コンテンツを選択すれば再生できる。


■ドコモ夏モデルで最もオススメ機種の1つ?

ARROWS NXはクアッドコアのSnapdragon 600(1.7GHz)搭載で、動作全体がスムーズだが、特に発熱などは見られない。バッテリー容量が3020mAhと大きいおかげもあり、普通に1日以上(メーカーは2日以上と公称)使える印象なのもいい。

1年前のARROWS Xと比較して、全体に完成度が上がり、普通に使っていて気になるところが少なくなった。その上でフルセグという、他にない機能を搭載したのがナイス。今回のドコモ夏モデルの中で最もオススメの機種の1つなのではないか? と思う。よくここまで進化できたと感心する。

(記事:一条真人

【情報元、参考リンク】
富士通/ARROWS NX F-06E製品紹介ページ
【実機レポート】フルセグ&5.2インチ大画面が魅力「ARROWS NX F-06E」(ドコモ2013夏)
【取材レポート】基礎技術と華麗なディズニーモデルに感心した「富士通ARROWS新商品内覧会」
【取材レポート】スマホでネット経由で録画視聴できる「DLPA」がやってくる!

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