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ドコモ、一連の通信障害の詳細を発表。spモード設定が変わってしまった方の約6割がパスワードを0000に設定

NTTドコモ(以下、ドコモ)は7日、一連の通信障害の詳細および対策を発表した。同社の通信サービスでは、7月25日に「spモード各種設定サイト」におけるトラブルが、8月2日には国内外で一部のユーザーがサービスを利用しづらい状況が発生している。

7月25日に発生した事象の概要

ドコモは昨年6月以来に数回、大きな通信障害を発生させ、今年1月に総務省から再発防止策を含む対策を早急に講じるよう行政指導を受けていた。実際、同社は数々の施策を導入し、インフラの強化・拡充に努めてきた。

ところが再び大規模な障害が発生したことになる。

もちろん同社は今後同じような障害が発生しないよう更なる対策に取り組む方針を示している。「ネットワーク基盤高度化対策本部」を中心に取り組んでいく。

以下、3件の通信障害に関する詳細発表から、内容を見ていきたい。

《1. 7月25日に発生した障害》

・発生期間:7月25日午前1時41分〜午前9時14分
・発生事象:一部のユーザーの「spモード各種設定」の情報が他のユーザーにより閲覧・変更可能な事象が発生した。
・影響人数:メールアドレス設定、spモードパスワード、Wi-Fiパスワード等が変更された人数は約780人で、迷惑メール設定等が変更された人数は約4,600人。

発生経緯と原因については、まず、spモードシステムは契約者の増加に対して同じ機能を持つサーバ群を増設することで対応しており、現在は全国のユーザーをA面、B面のサーバ群に分散して運用している。A面、B面、それぞれ最大800万ユーザーずつの収容が可能で、現在はあわせて最大1600万ユーザーまでの収容ができる状態となっている。もちろんそれぞれは独立して動作する。

今回の事象は、B面のサーバソフトウェアの更新の際に、誤ってA面用のファイルを適用したことで発生した。その結果、B面のユーザーからA面のユーザーの「spモード各種設定情報」を閲覧・変更することが可能となり、実際に変更された事例が発生してしまった。ソフトウェア更新時にはファイルを「ファイル名称」「ファイルサイズ」「更新日時分」で確認されるものの、今回はA面とB面のファイルが同一情報だったために誤って適用されてしまった。

今回、迷惑メール設定等を含めて設定が変更されてしまったユーザーは数千人規模に達するが、さすがにspモードパスワードが一致しない限りは他人の設定を変更することはできない。ではなぜ、このように多くのユーザーの設定が変わってしまったかというと、変更されたユーザーの約6割がパスワードを「0000」に設定していたからだ。

今回のような障害が発生する可能性は今後もゼロではないため、パスワードは「0000」ではなく、自分だけのものに変更しておくことが薦められる。

なお、ドコモは本件についての対策として以下の3点を挙げている。

(1)ソフトウェア更改の準備作業において、A面、B面それぞれのファイルを独立して管理する手順に変更。
(2)ファイル確認の際には、ファイルの中身の違いを検出できる方法に変更。
(3)ソフトウェア更新前後で、追加・変更した機能の確認に加えて、A面、B面がそれぞれ独立して動作していることを確認するチェック項目を追加。


《2. 8月2日に発生した「WORLD WING」が利用しづらい状況》

・発生期間:8月2日16時20分〜8月3日12時12分
・発生事象:WORLD WINGが利用しづらい状況(音声、パケット)
・影響地域および人数:WORLD WINGを提供する220の国と地域が対象で、影響人数は最大で約7万人。

経緯と原因は、他社(NTTコミュニケーションズ)の国際電話用交換機(IP-SCP)の故障を契機として国際共通線の輻輳および接続・切断の繰り返しが継続したため、国際ローミングサービスが利用しづらい状況になった。

ドコモはNTTコミュニケーションズと詳細な原因について協議を行い、連携した上で再発防止策に取り組む。


《3. 8月2日に発生した「関東甲信越・東海・関西地方でFOMA・Xiが利用しづらい状況」》

・発生期間:8月2日18時15分〜19時42分
・発生事象:ドコモの携帯電話(FOMA、Xi)および衛星携帯電話が利用しづらい状況(音声、パケット)および圏外表示
・影響地域および影響人数:影響地域は全国で、影響人数は最大で約145万人。

発生経緯と原因は、他社(NTTコミュニケーションズ)の設備(IP-SCP)の故障を契機に、国際共通線の輻輳および接続・切断の繰り返しが継続。この結果、IP-SCPからの要求信号に対する応答信号が滞ってしまう状況になり、予備機への切替が発生した。

さらにその後、予備機においても応答信号が滞る事態が継続し、信号管理テーブルが枯渇し、信号処理機能が大幅に低下。最終的に一部のユーザーが利用しづらい状況が発生した。

ドコモは対策として8月中旬をめどに信号処理機能の低下を抑えるソフトウェア更改を実施する予定。

8月2日に発生した事象の概要(本文中で2と3の事象)

なお、2と3の障害については期間中にサービスを利用しづらくなったという問題であり、今では復旧していて問題はない。ところが、1の障害では設定内容が変更されるという事態が発生し、影響を受けた方にとっては確認の必要な問題だ。そこでドコモは影響を受けたユーザーには電話、ダイレクトメールで個別に対応している。

【情報元、参考リンク】
NTTドコモ/プレスリリース

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