Androidニュース&アプリ情報メディア

ソニー、次世代の裏面照射型CMOSセンサーを開発。小型化、高画質化などに加え、RGBWコーディングとHDRムービーの機能も搭載へ

ソニーは23日、次世代の裏面照射型CMOSイメージセンサーとして、積層型のCMOSイメージセンサーを開発したと発表した。新たに開発されたイメージセンサーでは、従来の裏面照射型CMOSイメージセンサーの支持基板の代わりに信号処理回路が形成されたチップを用い、その上に裏面照射型画素が形成された画素部分を重ねあわせた積層構造をとる。


これにより、撮影画像の高画質化、カメラの高機能化、小型化などの実現が期待される。従来の裏面照射型CMOSイメージセンサーについても、各社のスマートフォンに採用され、美しい画質の写真や動画が撮影できることで高い評価を受けている。しかし、新たなイメージセンサーでは更なるカメラ機能向上を実現する。

積層型CMOSイメージセンサーの主な特長は次の4点とされる。
  • 高画質化・高機能化のために必要な大規模な信号処理回路の搭載
  • イメージセンサーのチップサイズの小型化
  • 高画質化に特化した製造プロセスの採用による画素部分のさらなる高画質化
  • 回路部分への先端プロセス採用による高速化・低消費電力化

ソニーは、新イメージセンサーの商品化の第一弾として、通常外付けが必要なカメラ信号処理機能を内蔵したCMOSイメージセンサーを開発し、3月からサンプル出荷する。さらに、暗い場所でもノイズの少ない高画質撮影が可能な「RGBWコーディング」機能と、逆光でも色鮮やかな撮影を可能とする「ハイダイナミックレンジ(HDR)ムービー」機能を搭載したモデルも開発した。

RGBWコーディングは、従来のRGB(赤/緑/青)にW(白)の画素を加え、高感度化を実現し、室内や夜景などの暗いシーンでもノイズの少ない画像を撮影できる技術。W画素を加えると、感度を上げられる反面、画質が低下するという課題があったものの、独自の技術開発によって、画質の低下を抑えて高感度化を実現した。

低照度時(10ルクス)撮影サンプル画像

HDRムービー機能は、逆光などの明暗差が大きなシーンでも色鮮やかな撮影が可能となる機能。一般に、明るい屋外を背景にした室内での撮影など、明暗差の大きな場所が混在するシーンでは、暗い部分が黒つぶれしたり、明るい部分が白くなってしまう現象が起こる。本来は薄い青の空が、白とびしてしまって白く撮影されてしまった、という経験は誰にでもあるはずだ。

HDR機能では、撮影時に一画面内で2種類の露出条件を設定し、それぞれの露出条件で得た画像情報に対して適切な信号処理を施す。これにより、ダイナミックレンジの広い画像が生成され、先に述べたような現象が回避され、色鮮やかな撮影が可能となる。

今後の商品展開予定は次のようになっている。
  • 1/4型 有効約800万画素 積層型CMOSイメージセンサー(カメラ信号処理機能搭載。RGBWコーディングとHDRムービー機能は非搭載)・・・2012年3月サンプル出荷予定
  • 1/3.06型 有効約1300万画素 積層型CMOSイメージセンサー(RGBWコーディング、HDRムービー機能搭載)・・・2012年6月サンプル出荷予定
  • 1/4型 有効約800万画素 積層型CMOSイメージセンサー(RGBWコーディング、HDRムービー機能搭載)・・・2012年8月サンプル出荷予定

【情報元、参考リンク】
ソニー/カメラの進化を実現し続ける次世代の裏面照射型CMOSイメージセンサーを開発
ソニー/新機能 「RGBWコーディング」 「HDRムービー」を開発

読者&編集部コメント欄

この記事のコメント:0 件