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Windows Phone 7.5搭載スマートフォン「IS12T」発表会、現地レポートまとめ。発表内容、質疑応答、展示など

27日にKDDI、日本マイクロソフト、富士通東芝モバイルコミュニケーションズ(以下、富士通東芝)が共同で開催した新商品発表会の現地レポートをお伝えしたい。当日会場で発表された端末はマイクロソフトが開発するモバイル向けOS「Windows Phone 7.5」(開発コード「Mango」)を搭載する富士通東芝製のスマートフォン「IS12T」。auから9月以降に発売予定だ。


注目すべきはWindows Phone 7.x搭載スマートフォンの日本投入が初めてというだけでなく、最新バージョンMangoを搭載する端末としても世界初になる可能性が高い、ということだ。IS12Tは全世界でMango搭載スマートフォンとして第一弾モデルになる見込みだ。

発表会の時間は10時から約30分間確保され、その間約10分間ずつ3社がプレゼンテーションを行った。その後、3社の代表が質疑応答に答えた。

今回のIS12Tの発表会は、単なる1機種の発表にしては非常に大規模で、多数のスマートフォン、フィーチャーフォンの新機種が一斉披露される各季の新商品発表会に近いレベルだった。デモ機の展示会場も広く、展示台数も多かった。“Android au”のキャッチコピーでAndroidスマートフォンを推すKDDIだが、ユーザーにとっての新たな選択肢として、Windows Phone 7.5も力を入れてアピールしたい、という意気込みが感じられた。

以下、各社のプレゼンテーションと展示会場の紹介をしていきたい。


【KDDI株式会社 代表取締役社長 田中孝司氏】

田中氏は最初に“Androidの幅広いラインナップ”と題したスライドを用意した。Windows Phone端末の紹介を主題とするプレゼンテーションの頭にこのスライドをもってきた理由は、KDDIのスマートフォン戦略を説明するため。同社は現在“Android au”というキャッチコピーの下、AndroidスマートフォンのPRに注力している。しかし、そもそもの“auらしさ”とは何か? それは“ワクワク感”なのだという。この“ワクワク感”を一般消費者へ提供するには選べるラインナップを用意することに加え、“いいモノを、いち早く”届けることが重要。“いいモノ”“最新のモノ”を届けていくことの重要性を考え、今回、Windows Phoneが投入されることになった。




続いて同氏は“Windows Phone”の説明を行った。これは昨年リリースされた「IS02」に載っていたOS「Windows Mobile 6.5.3」とは全く異なる、新たなモバイル向けOS。Windows Phoneは、スマートフォンでの使い勝手を最重要視した設計が採られ、直感的に使いやすいUIになっている。さらに、「Office」のコンテンツも表示や編集を快適にできるだけでなく、クラウドでデータを共有することも可能になった。



田中氏はIS12Tを約1か月間使った感想を語った。通信キャリアのプロとして数多くのスマートフォンを使ってきた経験があるプロの目から見たところ、Windows Phoneは触り始めには取っつきにくさがあり、1日~1日半程度の期間では慣れないという。ところが、それを過ぎると、今度は逆に気持ちよさを感じ始めるようだ。特にSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を快適に扱える感覚はじわじわじわじわと気持ちよくなってくる。さらに慣れてくると、MSN(マイクロソフトのポータルサイト)のニュースの見方ひとつをとっても、「あっ! こういう見方があるんだ」という新しい発見が出てくる、と同氏。

その上、クラウドとの連携機能を活用し始めるとますます気持ちよくなってくる。田中氏はスマートフォンの未来はこの気持ちよさの先に見えてくるのではないか、と述べている。

最後に同氏は自身がオススメする機能としてSkyDriveとOfficeを挙げた。クラウドストレージサービス「SkyDrive」は無料で25GBの容量を利用できるインターネット上のユーザースペースで、オフィスのPC、上司・同僚のPC、Windows Phoneなどの様々な端末間でファイルの共有が手軽にできる。これはオフィスデータのみならず、写真・動画なども含めてのことで、使い込んでいくと本当に気持ちよく感じるという。




冒頭述べたようにauらしさとは“ワクワク感”。今回、KDDIはマイクロソフト、富士通東芝と協力することでワクワク感を提供できるものと考えている、との言葉で締められた。


【日本マイクロソフト株式会社 代表執行役社長 樋口泰行氏】

樋口氏はまず、ようやくこの日を迎えられて大変嬉しいと述べた。“Windows Mobile”から“Windows Phone”へリブランディングされたこのプラットフォームは、昨秋北米でデビューしたものの、日本市場への投入までには時間がかかった。樋口氏はKDDI、富士通東芝への感謝の言葉を述べつつWindows Phoneの紹介に入る。今回発表されたIS12Tに搭載されるOS、Windows Phone 7.5は開発コード「Mango」と呼ばれるバージョンで、このままいけば世界で初めて市場投入されることになる。


Windows Phoneの最初のバージョンは英語圏を中心とした35か国60の通信事業者から、合計11機種がリリースされた。このバージョンのときは日本では展開されなかったものの、ローンチから約7か月間で2万アプリを突破し、アプリの開発ツールも150万ダウンロードを達成した。これからますますアプリの数は増えていくはずだし、増やしていきたいと考えている、と樋口氏は語る。実際にこれまで以上の速度で増えていくことになるだろうとの見解も示した。


そして登場する7.5だが、500以上の機能追加、21言語への対応(旧バージョンは5言語)、Marketplace(アプリマーケット)の35か国/地域対応(旧バージョンは18か国/地域)という3つの大きな特徴を有している。

Windows Phone 7.5は他社とは異なるアプローチで設計され、最も支持されるOSを目指し、大変使いやすいものに仕上がったと自負しているという。まずインターフェイスは“メトロ・デザイン”を採用。従来のスマートフォンではアプリのショートカットアイコンを並べるホーム画面だが、より大きなアイコンで表示される“ライブ・タイル”というスタイルを採ることで、一目で様々な情報・機能を把握・利用することが可能となっている。また、横方向へのスクロールを利用したパノラマUIは片手での操作も滑らかだ。


そしてWindows Phoneは人とのつながりにも力を入れた。ソーシャル機能(Facebook/Twitter)をOSに融合し、「People」ハブで統合的に管理、チェックすることができるのも魅力という。動作の軽快さも特徴の一つで、ウェブブラウザ「Internet Explorer 9」は非常に高性能で超高速のブラウジングを実現し、文字入力では“カーブフリック”を採用することで軽快なタイピングが期待できる。さらにSkyDriveとの連携によってOfficeのファイルへどこからでもアクセスすることも可能となっている。


ここで下に掲載したデモ動画を紹介。


マイクロソフトはこれまでに蓄積した資産を総動員し、モバイルへ注力する。サービス周りについても、Windows Live、Xbox Live、Bing、MSNと連携。アプリ開発者、メーカー、通信事業者との信頼関係を活かし、エコシステムも確立していく。その上、マイクロソフト製品群との更なる連携強化も図っていく、と樋口氏は同社のモバイルへのコミットメントを紹介してプレゼンテーションを締めくくった。



【富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長 大谷信雄氏】

大谷氏は富士通グループ全体としての事業展開から説明を開始した。富士通はデバイス、ユビキタスプロダクト、システム/ネットワークプロダクト、そしてインフラサービスを1社で提供している世界唯一の企業だという。このことから、顧客に対してあらゆる局面で垂直統合の強みを発揮できる、と大谷氏。しかも、富士通グループはそれらを日本、アジア、北米、欧州など世界中で展開する。



今後、富士通グループは人間を中心とした“ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ”の実現を目指していく。なかでもスマートフォンは顧客に近い接点、ユビキタスフロント分野における重要なプロダクトと捉えている。食、コミュニティ、仕事、医療など様々な分野で顧客が触れるフロントエンド端末として中心的役割を果たす。富士通はこのヒューマンセントリックを基盤とした、世界一使いやすいユビキタス端末を目指している。


Windows Mobileについては昨年IS02をリリースし、以前から関わってきた経験がある。その中で今回、国内で初めてWindows Phone製品を投入することになった。IS12TはIPX5/IPX8相当の防水、IPX5X相当の防塵性能を備え、手にフィットするコンパクトサイズを実現した端末で、カラーラインナップも従来のスマートフォンに比べて明るく新鮮な印象を与える、シトラス、マゼンダ、ブラックという3色を用意した。



さらに、富士通の技術を活かした1320万画素カメラは「Milbeaut Mobile」エンジンの高速・高精細な画像処理のおかげで質感の違いやディテールまでをも再現できる力を持っている。内蔵メモリは32GBを搭載し、エンタメコンテンツ、Officeファイルなどをたっぷりと保存することができる。また、「スーパーはっきりボイス3」という、電話相手の声を聞きやすくする技術を導入した。これは周囲の雑音などを感知し、相手の声の高音域を強調し、より聞きやすくする技術だ。


富士通グループ、富士通東芝はスマートフォンをユビキタスフロントの重要端末だと認識している。IS12Tは、スマートフォンの可能性をさらに広げる端末として開発され、投入される、と大谷氏は語った。


【質疑応答】

質疑応答にはKDDIの田中氏、マイクロソフトの樋口氏、富士通東芝の大谷氏が答えた。


●Q1:
IS12Tには前面サブカメラはあるのか? また将来的に米AppleのFaceTime(ビデオ通話)のようなサービスは投入されるのか?

○A1:田中氏と樋口氏が回答
カメラは背面にしかついていない。将来についても現時点では未定。

●Q2:樋口氏への質問
スマートフォン分野で出遅れたという発言が先日あったかと思うが、出遅れの原因は何か?

○A2:樋口氏が回答
「出遅れていない」とは言えない状況ではあるものの、スマートフォンはまだまだこれからの世界、黎明期にあるので、いくらでも挽回できると考えている。マイクロソフトはハードとソフトウェアを一社で行っている会社ではない。一社でやる場合のメリットはあり、やはりスピーディーにできる。しかし、ハードとソフトを分けてやることにもメリットがあり、パートナーによるバリエーションが生まる。このやり方では立ち上げの時間が掛かるが、メーカーによるバリエーションはユーザーにとっても選択肢になる。

●Q3:樋口氏への質問
ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信といった日本国内のローカル機能についての考えは?

○A3:樋口氏が回答
これらのローカル機能については現時点ではお答えできる状況にはない。

●Q4:田中氏への質問
“Android au”という形で積極的にAndroidをPRしてきたが、Windows Phoneについてはどうするのか?

○A4:田中氏が回答
“Android au”というのは非常に良い。一方で“Windows au”と言うわけにもいかないので、現時点ではまだわからない。しかし、発売が近づいたらその時にまた新たなプロモーションを楽しんで頂けるようには考えている。

●Q5:田中氏への質問
IS12Tはどのようなユーザー層を狙っているのか? また、前の質問と被るかもしれないが、どのようなプロモーション、売り方をするのか? KDDIとしての販売目標は?

○A5:田中氏が回答
法人でも個人でも両方使える端末だと思っている。特に個人についてはSNS周りがよくできていて、使い込むほどに新たな発見がある。どのような層を狙うという話ではなく、この端末の良さをわかってもらうためのプロモーションを用意している。販売台数目標は企業秘密で、結果をみてほしい。

●Q6:樋口氏への質問
いずれKDDI以外のキャリアへも展開する考えだとは思うが、今後のWindows Phoneの展開について、数字で意気込みを教えてほしい。

○A6:樋口氏が回答
数字では回答できないが、まずは今回のIS12Tが最初のWindows Phone搭載スマートフォンになるので、この第一歩目を成功させないとならない、という強い意気込みでいる。

●Q7:樋口氏への質問
対応アプリの数で競合プラットフォームに見劣りする部分があると思うが、その面での取り組みは?

〇A7:樋口氏が回答
現時点では20万だとか40万だとかの数には確かに及ばないが、すでに米国で利用できるアプリも充実してきているし、現在の増加ペースは力強いものになっている。また、開発者の方から高い評価を受け、開発モチベーションが高まっているとの声も頂いている。(田中氏が補足)今、マーケットプレイスには24,000程度のアプリがある。1日平均100程度ずつ増えていると聞いている。


【デモ機の展示会場】

会場は各季ごとの新商品発表会ほどではないにしても、十分広いスペースが確保され、沢山の数のデモ機が展示された。今回リリースされるIS12Tはシトラス(イエロー系)、マゼンダ、ブラックと、前2色が特にポップでカラフルな印象を与えることもあり、その2色への注目が高かったように見える。

また、会場の一部のスペースでは、Windows Phone 7.5の特徴を紹介するコーナーが設けられ、端末とスクリーンを使っての説明が行われた。テーマはWindows Phoneの特徴とMarketplaceについての2つ。多くの方が説明を聞いていた。

Windows Phone 7.5のメトロ・デザインUIはAndroidの標準UIや端末メーカー各社の独自UI、iPhoneのそれとは異なる印象を与えるもので、KDDI社長の田中氏が発表会で語ったように、一見すると取っつきにくい。しかし、基本的には縦スクロールで機能、ハブ、アプリを探し、それぞれのハブ・機能やアプリ内では横スクロールで下層を切り替える、という仕組みで共通しているため、比較的すぐに慣れてしまうレベル。ただ、AndroidやiPhoneの方がシンプルなのは確かであり、戸惑っている方もいるように感じた。

とはいえ、発売まで1か月以上ある時期ながらデモ機のデキは非常に良く、AndroidやiPhoneとは異なる魅力を感じるものに仕上がっていた。





端末の詳しい紹介、デモ機の写真やハンズオン動画は下記リンク先の記事で確認してほしい。

国内初Windows Phone 7.5搭載端末「IS12T」の詳細をチェック。デモ機の写真・動画も紹介


【情報元、参考リンク】
KDDI/プレスリリース
KDDI/IS12T紹介ページ
GAPSIS/KDDI、国内初のWindows Phone 7.5搭載スマートフォン「IS12T」を発表。9月以降に発売へ

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