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【河野謙三のガジェット・ゴーグル】 Kindle3がやってきた - iPadとどう違う?

前回はNexus Oneの記事を書かせていただいたので、今回も何かAndroidに関する物をと思っていたのですが、自分のブログにも書いているとおり、実はNexus Oneを踏んづけてしまい、アメリカへ修理の旅に出ることになってしまいました。よってガジェットつながりで、最近購入したKindle3のレビューを書いてみたいと思います。


USからすごいスピードで届いた!


Amazonは非常にKindle3を売る気のようで、USのAmazonのサイトで注文してから(正確には予約でしたが)日本に到着するまで1週間もかからずにデリバリーされました。というのも、関税などを事前に支払うシステムによって非常に素早い輸出を可能にしていると考えられます。

まずはスペックから

Kindle3のスペックを見てみましょう。私が購入したのは3Gです。

画面サイズ 6インチ
サイズ 19cm×12cm×0.85cm
重さ 247グラム
バッテリー寿命(ワイヤレスOFF時) 1ヶ月
バッテリー寿命(ワイヤレスON時) 10日
Text-to-speech対応
3G内蔵(日本でも使用可能)
画面の横向き表示が可能(手動で切り替え)
価格 $189

と、それほど目立った特徴はなく、画面もモノクロなので6インチという画面の大きさが意外と小さく感じます。これなら8インチぐらいがベストなんじゃないか、など勝手に思ったりするほどです。
ただバッテリーの持ちは非常にすばらしいの一言に尽きます。何せ1ヶ月も継続して無充電で使用が出来るので、本を読むと行った用途には最高です。


こんにちはKindle3


Amazon特有のポッキーのような箱をペリペリとはがすと、新しい製品の香りとともに、Kindleが姿を現します。
この時点でいきなり感動です。電子ペーパーとはこうも美しいのか、と。USBで接続してね、と書かれている画面は、何もシールを貼っているわけではなく、電子ペーパーに映し出されているマニュアルそのものなのですから。


iPadの画面と比較してみました


早速ですが、まだ箱から出していもないのにiPadの画面と比較してみました。結果ですが、小さくてとてもコンパクトにまとまっているのがよくわかります。
Kindle3はその存在自体が、文章を読むことに特化して作られていると言うことがよくわかります。
またとにかく軽いのも印象的です。iPadはさすがに毎日の通勤電車の中で片手で何かを行うと行ったことを「重たい」と感じさせてくれるのに十分な重量を持っていますが、Kindle3はひょいと持ち上がります。いや、お世辞抜きに軽い!
本を読む、と言うことを意識して作られている端末なだけに、ペーパーブックと同じ重さに抑えようという努力が非常に感じられます。また、ページを進める、戻すといった操作ボタンの配置が非常によく考えられており、全く苦痛を感じることなく本を読むことが可能です。


まるで本当の紙のようなディスプレイ


これほど大きな画面の電子ペーパーディスプレイに触れたことがありませんでしたので、最初は違和感がありまくりでした。なんせ、自己発光しないディスプレイなのに、画面のコントラストが強く、しかもぬめぬめ、というかもさもさ動く。書き換わる。なんじゃこりゃ、と。そういった感覚でした。


コミックビューワーとして使えますか?


これが一番興味があるところでしょう。結論から書いてしまうと、厳しい、です。電子ペーパーディスプレイの画面が切り替わる速度などは全く問題がないのですが、やはり6インチという表示画面はコミックを表示させるには非常に不利です。
一方、同じ物を表示させた場合のiPadは画面の大きさがさすがに大きく、しかもディスプレイが自己発光するため、非常に見栄えの良い物に仕上がっています。
自分は画面サイズがこれよりもさらに大きいKindle DXを使ったことがありませんが、これならひょっとしていけるのではないか、と思います。


青空文庫などは最高に読みやすい


一方で、青空文庫に代表される、文字系の読み物コンテンツは今までで使用したどの端末よりも視認性が高く、読みやすかったです(画面は宮沢賢治の銀河鉄道の夜)。
Kindle3はPDFの場合、文字の濃さを調整できるので、自分は一番濃い状態にして小説を読んでいました。青空文庫の説明は省きますが、夏目漱石や森鴎外に大行される、日本文学の巨匠たちの作品が、こうして現代の技術によって無料で拝読できることに感動すら覚えます。
少し話がそれますが、学生の頃に読んでつまらないと思っていた小説が、オッサンの歳になって読み直すと、こうも面白い物かと思ってしまったほどです。


エンタメ系はiPad、文学系はKindle

音楽を聴きながら、マンガを読みつつ、時々TwitterやIRCをして。思いついたようにWebでちょこちょこと調べ物をする。こうした使用用途にはiPadががっつりハマります。確かに片手で持つには重量が重いのですが、いろいろと使い回しが聞くのがiPadの良いところです。お絵かきアプリなどもダウンロードできて使用できますがから、ちょっとした集まりなどにも最適です。

一方のKindleは、完全にパーソナルな使い方に向いています。いわば本当の本として持ち歩くのが正解でしょう。今回のKindle3になってからWebkitのブラウザを内蔵していますので、Web閲覧も可能になっていますが、それをメインで使用するのはけっこうストレスがたまりますし、あまり実用的ではありません。KindleはPDFなどの文章ががっつり書かれたコンテンツを、自己発光ではないが故に目に優しく表示することが特徴です。たとえ満員の通勤電車の中でも、その本体の軽さとバッテリーの持続性の良さ故に、書籍の代替えとして使用することをお勧めします。


記事執筆者プロフィール
河野謙三
NSP-mono ファウンダー、代表
ブログ:NSP-mono blog、Twitter:@kenzokono

1996年から約7年間、アメリカに在住。シスコシステムズのエンジニアとしてインターネット黎明期に多くのサービス立ち上げに携わる。日本へ帰国後はNTTコミュニケーションズを経て現在は金融に勤務しながらITを中心としたビジネスのアドバイザリー活動を続ける。

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