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Android端末メーカーは特許ライセンス契約した場合、マイクロソフトに1台20~40ドルを支払う?

米マイクロソフトがAndroid OSに対して同社が保有するいくつかの特許を侵害していると批判している件は先日の記事でお伝えした(「マイクロソフト、Androidを特許侵害と批判。HTCはライセンス契約を交わし喧騒から逃れる」)。侵害している機能範囲はUIからOSの基幹部分まで多岐に渡るとされ、部分的な回避措置も不可能と考えられている。

そこで台湾の端末メーカー、HTCはマイクロソフトとライセンス契約を結んだ。これにより、HTCが製造するAndroid端末は特許上の問題なく販売することが可能になる。

ところが、このライセンス契約が極めて厄介な問題を端末メーカーに与えていることが明らかになってきている。

マイクロソフトは現時点では端末メーカーに対して訴訟を起こす意向を示しておらず、HTCと同様にライセンス契約を結ぶことを提案している。すでに複数のメーカーが交渉中と発表されており、HTCに続くメーカーが出てくる可能性もある。

しかし、ライセンス契約の値段が厄介かもしれない。

当初は金額は不明だったが、端末1台当り20~40ドルに及ぶという噂が浮上している。

この金額が事実だった場合、仮に100万台販売したときのマイクロソフトに支払うライセンス料は2,000万~4,000万ドル(約18億7,800万円~37億5,600万円)になる。端末メーカーの利幅はもとよりそれほど大きくないことが一般的で、これでは利益の大部分を潰しかねない。

この金額はマイクロソフトが今年後半のリリースを予定しているモバイルOS、Windows Phone 7のライセンス料よりもおそらく高価だ。本来はフリーであるはずのAndroidを利用するよりも、有料のWindows Phone 7の方が料金が安いという逆転現象が発生することになる。マイクロソフトが強硬な手段に出ようとしていない状況を見ると、マイクロソフトの薦める選択肢はWindows Phone 7の採用だと考えられる。20~40ドル払うくらいならば、Windows Phone 7を使えばどうか? という話なのだろう。

今後、HTC以外のメーカーがどのような決断を下すのかが気になるところだ。

マイクロソフトは先に述べたように強硬な手段に訴える姿勢を現時点では見せていない。彼らが訴訟に発展させる意向を示すまでの間は、ライセンス契約を締結しなくとも料金を一切支払うことなくAndroid端末を販売できるだろう。マイクロソフトが一転して訴えに出た場合に莫大な損害賠償金を支払う危険性は孕んでいるが、それまでの間Android端末を販売し続け、様子見を決め込むのも一つの手かもしれない。実際、特許問題ではこういう例も多く、すでにこの問題もその方向に進みそうな兆しが見えている。

おそらく当面は様子を見守るメーカーが多いだろう。それでも、Android陣営にとっては厄介な爆弾を一つ抱え込んだことになるのは間違いない。もちろん、噂の金額が確かならだ。

情報元:HTC may have to pay Microsoft “between $20 and $40″ for each Android phone it sells

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