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【せう先生のスマホ講座】第61回:最近よく聞く「DSDS(デュアルSIM・デュアルスタンバイ)」って何?

GAPSISをご覧の皆さん、「せう」です。2月になりました。2月といえば、下旬にスペイン・バルセロナで「Mobile World Congress(MWC) 2017」が開催されます。筆者は、諸事情で今年は行けませんorz いやあ、本当は行きたいのですが……。

<▲図:あれ、「NTT DOCOMO」と「Y!mobile」が……!>

最近、SIMロックフリースマートフォンで「デュアルSIM・デュアルスタンバイ」、略して「DSDS」という機能をアピールする機種が増えています。でも、DSDSってどんな機能なんでしょうか?


■DSDSは「2枚のSIMカードで同時に待ち受けする機能」

<▲図:2枚のSIMカードを同時に搭載できます!>

DSDSは、読んで字のごとく「2枚のSIMカード(携帯電話回線)の音声通話とSMS(ショートメッセージ)を同時に待ち受けできる機能」です。

もともとこの機能はどちらかというと発展途上国向けに用意された機能です。発展途上国では通信キャリア8オペレーター)によって得意なカバーエリアに違いがあることが多く、2回線同時に待ち受けできることのメリットが大きいのです。

しかし、メリットはそれだけではありません。データ通信と音声通話・SMSとで使う回線を分けるという使い方もできます。そのため、発展途上国以外でもDSDSが活きる場面が増えつつあります。


■日本や韓国では“無意味”だったDSDS

しかし、少し前までのDSDSは、データ通信に使わない方のSIM(携帯電話回線)においてGSM規格でのみ待ち受けができるようになっていました。理由は単純で、LTEやW-CDMA(3G)を2回線同時に利用可能とすると消費電力が大きくなりすぎて実用面で不利だからです。

それでも世界のほぼ全ての国では実用上困りません。音声通話・SMS用にGSMを使った通信サービスが引き続き提供されいるからです(一部のキャリアではサービス終了に動いているようですが……)。

しかし、GSMでの通信サービスを一切提供したことがない日本と韓国ではDSDSは無意味でした。先ほども言った通り、発展途上国以外でもDSDSに対する需要は高まっています。日本でも「MVNOの格安SIMでデータ通信+大手キャリアのSIMで通話定額」という感じでDSDSに対する期待が高まっているのですが、GSM規格が使えないがゆえに「宝の持ち腐れ」だったのです。ところが……。

<▲図:少し前のDSDS対応スマホはGSMを採用していない日本・韓国では無意味だった。
画像は「HUAWEI P8lite」のスペック表(※クリックして拡大)>


■チップセットの進歩でW-CDMAでもDSDSが可能に

ところが、チップセットの省電力性能が向上し、端末が搭載するバッテリーの容量も増えてきたことから、データ通信をしない(音声・SMSのみ待ち受ける)側のSIMもW-CDMAでの待ち受けができるようになりました。これにより、日本や韓国、あるいはGSMを巻き取る傾向にある通信キャリアでもDSDS機能を活用できるようになりつつあります。

<▲図:データ通信をしない側(音声・SMSのみ)のSIMでも3G待受が可能に!>

ただし、制約がないわけではありません。データ通信をしない側の回線で音声通話の着信・通話をしている時はデータ通信をする側のSIMにおける通信機能が使えなくなります。本来、W-CDMAはマルチアクセス(通話しつつデータ通信を継続する)機能を備えているはずなのですが、流石に現在の技術では「A回線は通話、B回線はデータ通信」といった併用までは難しいみたいです。

<▲図:サブ回線で通話中はメイン回線のデータ通信が無効に>

よりおトクな携帯電話ライフを送る上で重要なDSDS。皆さんもぜひ試してみて下さい! 海外メーカー製のSIMフリースマートフォンでは対応機種が結構多いので、製品カタログ/マニュアル、公式サイトのスペック表などで確認してみましょう!


記事執筆者プロフィール
せう
ブログ:せうの日記、Twitter:@shoinoue

静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。

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