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【一条真人的Androidライフ】第37回:スマートフォン市場の成熟の先にあるもの

2014 International CES
米ラスベガスのCES(※世界最大級の家電見本市)から帰ってきて成田空港に到着し、帰りの成田スカイアクセスの中でこの原稿を書いている一条です。

詳しくは今後書くGAPSISの取材記事の中などでも色々と話をしたいと思っているけど、北米市場ではAndroid端末自体は以前ほど「熱く」なくなってきているのを強く感じてしまいます。

これは、北米市場ではスマートフォン(以下、スマホ)を欲しがる層にはほぼすべて行き渡ってしまったので、今後、爆発的にマーケットが伸びることはあまりなさそうだという一般論を実感したからです。そして、このことは他の先進国でも同じような事情でしょう。

しかし、それでAndroid市場、iPhone市場、トータルでスマホ市場の成長が終わりということでもありません。むしろ、ここからが「始まり」というところでしょう。

「じゃあ何が始まるのか?」

ということになりますが、これは

「他のデバイスとの連携による活用」

が始まる(というか、もう始まっている)のではないかと思っています。

スマホはすでにほとんどの人々が持つ「インフラ」的な存在になったということです。

このスマホをコアに、(ほとんどの場合)ワイヤレスで接続されるデバイスがスマホの用途を広げていくのではないかと思います。

その一つの例が、昨年登場したJawboneの「UP」のような運動量計デバイスです。UPはディスプレイさえ持たないデバイスですが、スマホと連携することで、記録データを表示し、さらにはクラウドとも連携させることができます。UPはリストバンド型デバイスで、腕に装着して生活することで歩数、移動距離、消費カロリーなどを記録できるだけでなく、睡眠時のデータまで管理できます。

Jawbone UP。iPhone/Androidと接続して使うことを前提とし、ディスプレイを持たない。

また、最近のハイレゾオーディオ対応機器などの新しいデジタルAV機器の多くはスマホをリモコン代わりにしてコントロールすることができるようになってきました。むしろ、スマホがないと使いにくいと言ってもいいでしょう。

ソニーのハイレゾ対応HDDオーディオプレイヤー「HAP-Z1ES」。スマホをリモコンとして使うと楽に操作できる。

このような新世代のデジタルデバイスを活用するプラットフォームとして、パソコンよりも取り回しのいいスマホが活用されるようになるのでは? ということです。当然、それは人によってはスマホではなく、タブレットということになるのかもしれません。

おそらく、そのような新世代デバイスを活用するためにスマホを買わなきゃ! というような状況になるのも遠くないでしょう。

というわけで、これが僕の考える

「スマートフォン端末市場の急成長が終わり、次のフェーズが始まる」

ということです。次世代のサムシングのプラットフォームとしてのスマホが確立されつつあるというわけです。

あれ? 疲れてるから文章が「ですます」になっていますね。でも、「である」とかに直す元気もないので、このまま長田MAX(※GAPSIS編集長)に送ります。読むときは脳内変換してお読みください。

それではよいお年を!

(編集部より)今年も一条氏によるCES取材レポートをいくつか公開する予定です。例年はCES開催期間中から、ある程度速報的なものとして順次記事を用意してもらいましたが、今年は速報的なものは各社が用意するプレスリリースをもとにした記事として編集部からお届けし、一条氏には落ち着いてから各ジャンル別にCES取材レポートをまとめてもらう予定です。一条氏ならではのレポートをお楽しみに!


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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本コラムは毎月第2・第4火曜日更新予定!

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