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【取材レポート】コンパクトハイスペック「ELUGA P P-03E」のタッチ&トライ・イベント 第1回 ~端末概要、セミナー紹介前編~

7月29日にアイティメディア主催でNTTドコモ(以下、ドコモ)向けスマートフォン「ELUGA P P-03E」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製)のタッチ&トライ・イベントが開催されました。イベントにはモバイル系の話題を扱うブロガーが参加し、パナソニック モバイルコミュニケーションズの担当者による製品紹介セミナーと端末のタッチ&トライが行われました。

左から順に、セミナーで登壇したパナソニック モバイルコミュニケーションズの野中氏、佐藤氏、石原氏。

本記事ではELUGA Pの概要とイベントの模様を紹介します。

まず、ELUGA Pは6月15日に発売されたドコモ向けスマートフォンで、今夏の新モデルの一つです。ドコモは今夏、「ツートップ」と呼んで「Xperia A」と「GALAXY S4」を推していますが、実際には今夏のラインナップは強力で、この2機種以外にも今回のELUGA Pや「ARROWS NX」など、魅力的な特徴を備えた良い機種が沢山あります。

特にELUGA Pは約4.7インチサイズながらフルHD解像度の超高精細ディスプレイを持つハイスペックモデルです。春モデル以降、ハイスペックモデルは5インチサイズのディスプレイを持つものというイメージに変わってきましたが、ELUGA Pはそれよりもコンパクトなボディに同じ、もしくはそれ以上のスペックと機能を詰め込んでいます。

まさに「全部入りハイスペック」です。さらに、「持ちやすさ」「使いやすさ」にこだわったモデルで、筆者も現在メイン端末として使っていますが、気に入っているので、今回のイベントレポートの他に、端末のレビュー記事も用意してお届けしたいと思います。


【ELUGA P P-03E概要】

ELUGA Pのスマートフォンとしての基本的な仕様は次の通りです。OSはAndroid 4.2、プロセッサはQualcomm Snapdragon APQ8064T 1.7GHzクアッドコア、内蔵メモリは2GB RAM、32GB ROM、ディスプレイは約4.7インチ・フルHD液晶(1920×1080ドット)、バッテリー容量は2,600mAh、メインカメラは有効画素数約1340万画素の表面照射型CMOSセンサー、サブカメラは約130万画素、ボディサイズは約132×65×10.9mmで、重さは約146g。

IPX5/7相当の防水、IP5X相当の防塵性能を備え、3.5mmオーディオ端子はキャップレス防水仕様。ワンセグ、おサイフケータイ、NFC、赤外線通信に対応し、急速充電、おくだけ充電、Miracast、伝言メモなどに対応します。

Bluetoothはver4.0で、プロファイルも広くサポートします。サポートプロファイルはHFP/HSP/OPP/SPP/HID/A2DP/aptX/AVRCP/PBAP/FMP/PXPで、キーボードなどで利用するHID、対応ヘッドセットなどで低遅延でサウンドを楽しめるaptXなど、ほぼ完璧な対応です。

ソフトウェア面では、片手での操作がしやすいホームアプリ「フィットUI」、画面上部の操作をしやすくしてくれる「ワンハンドPLUS」、動画視聴やウェブブラウザなどの一部アプリで2画面同時表示ができる「ウィンドウPLUS」、使いやすい「タスクマネージャーPLUS」、画面に触れずに、ホバー状態で操作できる「タッチアシスト」機能などがあります。特にフィットUI、ワンハンドPLUS、ウィンドウPLUSなどはかなり便利で、非常に良くできています。

また、メインカメラには最近のスマートフォンでは標準的になっているソニー製の裏面照射型CMOSセンサーではなく、新開発の高感度表面照射型CMOSセンサーを採用しています。このセンサーのデキも良く、暗いシーンも含めて幅広いシーンをカバーできるようになっています。

「無い機能は無い」と言ってよいほど機能テンコ盛りのハイスペック・スマートフォンがELUGA Pと言えるでしょう。

ITmedia Mobile 編集長の田中聡氏がイベント開催の挨拶を行った。


【セミナー】

セミナーは3部構成で行われました。1部は「ELUGA Pに込めた思い」をパナソニック モバイルコミュニケーションズの商品開発グループ 商品企画担当課長 野中亮吾氏が、2部は「ELUGA Pを支える最新技術」を同社商品開発グループ プロジェクトマネージャーの佐藤貴義氏が、3部は「モバイルカメラNo.1の高画質」を同社要素開発グループ 主任技師の石原崇氏が登壇し、紹介しました。

以下、各セッションの内容を書き起しに近いスタイルで紹介します。記事化の都合上、一部内容をカット、編集しています。登壇者が話した内容そのままではありませんのでご了承ください。


《1部:ELUGA Pに込めた思い》

1. 商品コンセプト・訴求

「こだわりの使いやすさ。プレミアムワンハンド」のフレーズで紹介されるELUGA Pの特徴は3点です。「初めてでも使いやすい」、ラウンドしたボディにフルスペックを詰めた「持ちやすいフルスペック」、そして「夜景がキレイ 新カメラ」です。


まず、「ELUGA P」の名前の由来から紹介します。「P」というのは何の意味があるのでしょうか? 単純に「Panasonic」の「P」という意味も含んでいますが、実は「Premium Usability、Premium Quality in Palm from Panasonic」から取っています。訳すと「手の中にプレミアムな使い心地・クオリティを。パナソニックから。」です。この4つのワードの頭文字から「P」を取って名付けられています。


「初めてでも使いやすい」わけですが、この使いやすさは「ELUGA Fit UI」で実現しています。Fit UIは「直観的」「快適性」「確実性」「安心感」のキーワードを意識して開発されました。「使いやすい」とひとことで言っても、ターゲットは初心者だけではありません。それ以外の方も含めた、誰にとっても「使いやすい」ものでなければなりませんし、ELUGA Pはそれを目指して開発されています。


プロモーションのなかで「さらっとスマチェン!」というフレーズを用いていますが、これは、引っかかりなく、さらっとスマートフォンへチェンジし、スマホデビューできることを意味しているものです。今回のイベントに来て頂いた方はリテラシーが高い方が多いと思いますので、おそらくスマートフォンを購入するときも事前に様々な情報を調べる方が多いと思います。一方、何を買ったらいいのかわからず、とりあえずお店に行ってから端末を決めて買われる方もいます。この「さらっとスマチェン!」という言葉は特に後者の方に向けたもので、ELUGA Pならば、誰でもさらっとスマートフォンにチェンジすることができると思います。




2. 性能・競争力

ドコモの2013年 夏モデルには3つのキーポイントがあります。それは、バッテリーの持ちの向上、docomo シンプルUIの搭載、ホバー機能です。ELUGA Pはこの3点全てに該当する唯一のモデルです。


さらに、ELUGA Pには最新機能が凝縮されていて、いわゆる「全部入り」となっています。

この後のセッションなどでも、詳しく紹介されますが、いくつか簡単に説明しますと、例えばホバー機能(タッチアシスト機能)についてもパナソニックでは要素技術から開発しているので、豊富なノウハウを備えています。フィーチャーフォンライクのケータイ機能についても、パナソニックではかなりの台数のケータイを出荷しているので、ユーザーさんの声がかなり集まっています。その貴重な意見を考慮した上で開発しています。片手操作についても、パナソニックでは最初に出したスマートフォンからずっと片手での操作にこだわってきたので、そのノウハウが詰め込まれています。電池持ちについても、同じ容量の電池を搭載する他機種と比べても実使用時間が長くなっています。

狭額縁設計についても、幅65mmのボディながら、4.7インチのフルHD液晶ディスプレイを搭載することに成功しています。また、カメラについても第三者機関で調査したところ、優秀な結果が出ています。


3. こだわりのオリジナルUI

ELUGA Fit UIは「直観的」「確実性」「快適性」「安心感」という4つのキーワードを意識して開発されたものですが、それを実現するために、大きく3つの技術を使っています。それは、新技術であるタッチアシスト(ホバー機能)、そしてワンハンドUI、ケータイライクなUIです。


ここでは、ワンハンドUIとケータイライクの機能について紹介します。

ELUGA Pには「フィットホーム」と呼ばれるホームアプリが搭載されています。これは、片手操作がしやすいホームアプリです。ここでは、Miracastを利用して、ELUGA Pの画面をテレビに映して説明したいと思います。ちなみに、壁紙に設定している写真はELUGA Pで撮ったものです。一般に黒い毛の犬は撮影が難しいのですが、ELUGA Pのカメラでは綺麗に撮れています。

Miracast機能を使って手元のELUGA Pの画面をワイヤレスでテレビに映して説明している。

まず、アプリのリスト(ドロワー)画面は、画面の下半分ほどのエリアに表示し、片手でフリック、選択しやすくしています。また、Android端末では各種通知を通知バーを引き下ろすことで確認できますが、画面の上のエリアは指が届きにくいという問題があります。そこで、画面上のどこでも下フリックすることで通知バーを下すことができるよう工夫しています。同じように、画面上の空きエリアをダブルタップすることでスリープできるようにもしています。これらの操作を導入することで、端末を持ち替えることなく、片手で楽に扱えるようになっています。

ロックを解除するのも「フィットロック」と言って、画面上の任意の場所でできるようになっていますので、やはり持ち替える動作を必要としません。

次にワンハンドPLUSですが、これは画面上方に配置されたメニュー等をタップしたい時に便利な機能です。例えば、画面上方に配置された検索窓をタップしたい時、通常であれば、端末を持ち替えたり、もう一方の手を使わないと操作しにくいです。しかし、ワンハンドPLUSを使えば、画面を下げて表示することができるので、持ち替えなくとも簡単にタップできるようになります。


ウィンドウPLUSは、「ながら作業」を実現させる機能です。ウェブサイト、YouTube、ワンセグなどを同時に画面表示できるので、動画を見ながらウェブを見たり、といった「ながら作業」ができます。

ウィンドウPLUSを実際に使用しているところ(右図。ワンセグ・ウィンドウを中央辺りに表示中)

ケータイライクの機能については、ホームアプリ「フィットホーム」にケータイモードを搭載しています。フィットホームにはスマホモードとケータイモードの2種類が用意され、ホーム画面表示時にメニューキーをタップして手軽に切り替えられます。ケータイモードはケータイライクなメニュー構成なので、ケータイからの移行者でも安心して使うことができるはずです。文字入力もケータイのようにできます。


ちなみに、通知パネルは自由にカスタマイズできます。表示するパネルを選べることはもちろん、表示順を並べ替えることもできます。




《2部:ELUGA Pを支える最新技術》

左:佐藤氏、右:2部の内容

1. タッチアシスト技術(ホバー機能)について

画面から指を離した状態で操作する機能を持つ端末は過去にもあります。「ジェスチャー操作」などと呼んでいたと思います。しかし、従来タイプのジェスチャーでは座標が取れないため、細かい操作ができないという課題があります。我々はPCのマウスのような操作を実現することを考えていました。具体的にはタッチパネルの操作における誤操作の防止や不安解消、タッチレス操作による新しい操作感を提供することを目指したわけです。


我々はこのジェスチャー操作、いわゆるホバー機能を近接感知と呼んでいますが、ホバー操作を感知できる距離を15mmほどにすることに成功しています。距離が5mmくらいの場合、結局画面ギリギリの場所で指を動かすことになり、うっかり触ってしまったりと操作が難しくなってしまいます。そこで、15mm位の距離で感知することを目指しました。これを実現するためにはやはり苦労があり、筐体構造など様々な点で工夫しました。


長い時間をかけて色々と研究したため、対応機能も豊富です。色々なアプリ・機能でこのタッチアシスト機能を使えます。ロック解除、ホームメニュー、文字入力、電話、カメラ、ブラウザなど、全部で12機能に対応しています。



2. フルラウンドデザインの取り組み

我々は、持ちやすいラウンドコンパクト・ボディを徹底的に追及しました。春モデルの「ELUGA X P-02E」ではボディ幅が68mmでした。約5インチのディスプレイを積んでいるので、これでも狭額縁なのですが、やはり大きいという声がありました。女性の場合は大きすぎてポケットに入らない、という声なども聞かれました。そこで、今回のELUGA Pでは、ハイスペックだけれどもコンパクトな、持ちやすいボディを開発したわけです。

まず、フロントに関しては、2.5Dガラス研磨加工と言っていますが、ガラスの端を微妙にラウンドさせています。ラウンドさせ過ぎてもダメですので、ちょうどよい、微妙なラウンドレベルにして、持ちやすくしています。このガラスのラウンド形状は研磨加工で実現しています。そして、工夫してガラスの表面ギリギリにタッチパネルを持ってくるようにもしています。


ボディ幅はELUGA Xとは僅か3mmしか違わないのですが、実はかなり苦労しました。実装技術以外にもレシーバーとスピーカーを一体化したり、おくだけ充電の小型化などがあります。さらに、バックカバーについては成形後に切削加工で薄くするなどの工夫もしています。バックカバーを外し、カバーの裏側を見て頂けるとわかると思いますが、切削加工をした箇所があるんです。このように、細かい部分にまでこだわることで、このラウンドデザインを実現しています。



3. 安心の電池長持ち技術

電池の持ちを良くする、すなわち長時間使用できる策の一つとして、まずは容量が2,600mAhと大きな電池を採用しています。ELUGA Xが2,320mAhだったので、小さなボディながら大容量の電池を積んでいることがわかると思います。しかも、電池は取り外し可能です。そして、実使用時間(一般に想定されるスマートフォンの利用状況によって)が約55時間となっています。使い方によりますが、2日間以上電池が持つことになります。


「ecoナビ」では画面の明るさ、スリープ時間、CPUのパフォーマンス調整、データの同期、GPS、タッチアシストなど様々な項目を設定することができますが、Wi-Fiの自動オン/オフ設定などもあります。これは、登録したWi-Fiのアクセスポイントのある3G/LTEセルに入ったら自動でWi-Fiをオン、出たらオフにする設定です。自宅でWi-Fiを活用することで通信電流を削減し、外出中はWi-Fiを自動的にオフにすることで省電力になります。

ecoモードは条件で起動することもできます。電池残量が減ったとき、指定時間になった時に加え、場所を設定することもできます。例えば、指定した場所から離れた時に自動でエコモードに切り替わるというものです。


急速充電については約1年ほど前に1.5A充電の流れが始まったんですが、今回のELUGA Pもトップクラスの性能を持っています。約190分で2600mAhの電池をフル充電できます。また、おくだけ充電にも対応しています。おくだけ充電に関してはグループ会社の三洋電機で充電パッドなどの開発をしていますので、パナソニックグループならではの強みの一つです。



第2回目に続く




【情報元、参考リンク】
ELUGA P P-03E製品紹介ページ
ITmedia タッチ&トライ ミーティング紹介ページ

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