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【一条真人的Androidライフ】第47回:スマートフォンが全てのハブになっていく時代

米Appleが先日開催した「WWDC(Worldwide Developers Conference)」で行った基調講演のライブ中継を深夜まで見ていて、新製品の発表一つなく、ちょっとがっかりしたのは僕だけではないだろうと思う。しかし、興味深いことがなかったわけでもない。それはiOS自体の機能の問題などより、彼らが「iOS 8」で「HomeKit」を発表し、ホーム関連にも進出していくということが明らかになったことだ。

「HomeKit」でホームオートメーションに進出するApple。

実を言えば、北米においてはAppleがHomeKitを発表する以前から、照明とかサーモスタットとか、家の中の様々なものをコントロールしていくデバイスが登場している。何しろ、GPSを使ってユーザーの位置を検知して、家からある程度以上離れるとエアコンを切るとか、逆に家に近づくとエアコンが入るなどの空調コントロールや、部屋を移動するとユーザーがいる部屋の空調を最適化する機能などが実現しているのだ。

照明ではフィリップスの「hue」などが有名だが、明度や色をリモート・コントロールするというようなことは、もはや珍しいものではなくなってきている。

この流れを受け止めて、そうしたホームコントロールをサポートしていこうじゃないか、という動きがAppleにおけるHomeKitだ。これによって、スマートフォンを使ったホームコントロールが加速していくはずだ。そして、Appleがこのカードを切ってきた以上、Googleも黙ってはいないだろう。今後、スマートフォンによるホームコントロールがひとつのトレンドとなり、一般化していくのは間違いないだろう。

また、他にもスマートフォンとのコンビネーションで成立するデバイスが増えてきている。

例えば、最近のソニーモバイルコミュニケーションズのデバイスの一部にはその傾向がある。先日発売になった「SmartBand(スマートバンド)」は、単純にどのぐらい歩いたか? という移動のログを記録するだけではなく、スマートフォンの機能を活用して「ライフログ」として記録していけるデバイスだ。この違いは大きく、SmartBandの魅力となっている。

 ソニーモバイルのSmartBandのパッケージと、本体となるコア。

SmartBandと連携するLifelogアプリ。スマホ自体の利用状態をも記録して「ライフログ」を作成する。

そして、自動車においてもiPhoneの「CarPlay」、Androidの「OAA」など、自動車メーカー及び自動車の機能と連携する動きが進んでいる。このように、今年はスマートフォンが他のデバイスと連携する動きが急速に進んでいる。

今年の頭に、この連載でも「これからはスマホが他のデバイスと繋がっていく」という話をしたが(こちらの記事)、それは着々と現実のものになっているようだ。

そして、この流れはやがてスマートフォンのフォルムをも変えていくことになることだろう。これについては、またいつか機会があったら話をしたい。


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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