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【一条真人的Androidライフ】第18回:何かインパクトを感じないサムスン GALAXY S4だが

現地時間の3月14日に米ニューヨーク(そういえば、台風の影響から立ち直ったのかな?)でサムスン電子の「GALAXY(ギャラクシー) S」シリーズの新製品の発表会が行われた。発表された新製品「GALAXY S4」において予想を超えていたのはディスプレイがフルHDのSuper AMOLED(有機EL)だったことぐらいか? 当初は生産が難しくて液晶ディスプレイになるという噂が有力だった。それ以外はほぼ予想どおりという感じ。

GALAXY S4。GALAXY SⅢをそのまま大きくしたようなデザイン。
単体で写真を見て、見分けがつくだろうか?

オクタコアCPUは確かに処理能力はイケるかもしれないが、発熱とかバッテリー駆動時間的にはどうだろうか? 現状のスマートフォンではクアッドコアの方がバランスがいいだろう。

Qualcomm Snapdragon 600(供給は今年半ば以降と言ってたけど、スケジュールがやや早まっている)なら処理速度は十分だ。そのあたりはサムスン電子も分かっていて、クアッドコアモデルもラインアップするようだ。

それにしても、GALAXY S4は今までの旧モデルと比較すると、インパクトが弱い。これは他のメーカーの製品がこの1年で急速にパワーアップして、カタログスペックだけならトップモデルの横並び感が強くなってきたことも関係しているだろう。GALAXY Sシリーズはハイスペックが売りものの端末だったからだ。

しかし、サムスン電子の本音を言えば、「もはやAndroidではない」ということなのかもしれない。言うまでもなく、次の本命は独自開発している「TizenOS」だ。サムスン電子にとって、GALAXYのもっと大事なポイントは米Appleに告訴されないことになっている気がしないでもない。GALAXY S4の、現代のスマートフォンにしては無理があるほどダサすぎるデザインは意図なくしてはありえない。これに加えて妙なヒューマン機能を強化する(日本ではシャープ端末が得意)など、「iPhone」と異なる端末であることをアピールするのがGALAXY S4の最大の使命なのではないだろうか?

などという冗談はともかく、そろそろAndroidは1つのターニングポイントに到達してしまった気がする。この感覚はソニーの「Xperia Z」を手にとった時に「確実にiPhoneに追いついた感」が得られたことから始まっている(Xperia Zは同等のカタログスペックの端末のなかでも抜群な製品ではあるが)。高いハード性能と優れたユーザーフィールを持つようになってきたAndroid端末は、次に自分がどこに向かうのか? を示さなければならない時期にきたのだろう。単にアプリを起動して、それを使うというプラットフォームの先にあるものだ。例えばXperia Zには卓越したカメラ機能がある。

GALAXY S4は次に来るなにかを示せる端末なのだろうか? そのユーザーインターフェースは次世代と呼べるものなのか? カタログスペックでは分からないポテンシャルを秘めた端末であるなら、ターニングポイントを回った端末として人々の記憶に残るものとなることだろう。

GALAXY S4のサイド。


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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