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自分の端末がネットに接続できなくても周囲の端末間同士ですれちがい通信を行い、バケツリレー的に他の端末へメッセージを転送して投稿できるTwitterアプリ「Monac」 #abc2011s

早稲田大学で17日に開催された国内最大規模のAndroid関連イベント「Android Bazaar and Conference 2011 Summer」(以下、ABC 2011 Summer)における午前中の基調講演の中で、非常に興味深いアプリケーションが紹介されている。この日のイベントでは、午前中に日本Androidの会会長、丸山不二夫氏のセッションが行われ、同氏は主に東日本大震災に焦点を当てた話題を進めた。

ABC 2011 Summerにおける丸山氏の基調講演中のスライド資料

その中で紹介されたアプリケーション、プロジェクトが「Payforwarding Project Monac」だ。Monacは、P2P型のすれちがい通信を経由してTwitterへメッセージを投稿できるアプリケーションで、公衆回線網が利用しにくい環境下などで大きな利点が期待される。

震災時やネットワークが混線している際など、インターネットに接続しにくい環境もしくは接続できない場所であっても、近くにいるユーザー同士、端末同士がP2P型の通信(DTN:Delay Tolerant Network)を行い、メッセージをバケツリレー的に端末間で受け渡し・共有する。その後、ネットワークに接続できた時点でメッセージがTwitterへ投稿される、という技術、アプリケーションになる。


端末間の通信にはWi-Fi(無線LAN)、Bluetooth、NFC(Near Field Communication)を利用することができ、経路選択肢の幅は広い。例えば今後NFC搭載端末が普及した場合、たまたま自分の端末でネットに接続できなくとも、隣にいる人のスマートフォンでインターネットに接続できている場合、隣の人の端末に自分の端末をかざすことで、ツイートを投稿することができる。自分自身の安否をTwitterで発信したい場合などには非常に助かる技術だ。

普及が進み、使い勝手が向上すれば震災時を始め、いざという時の周囲とのコミュニケーション、安否情報発信・確認のツールとして強力な助っ人になる可能性を秘めている。また、公衆回線網に頼らず端末間同士の通信で成り立つこのようなコミュニケーション技術はAndroidに留まらず、iPhoneやWindows Phone、フィーチャーフォンなどとも連携できるようになれば、より喜ばしい環境と言えるだろう。

下に掲載した動画はNFCを介したメッセージ転送・投稿のデモ。


UPDATE
記事タイトルを「自分の端末がネットに接続できなくても周囲の端末間同士ですれちがい通信を行い、バケツリレー的に他の端末へメッセージを転送して投稿できるTwitterアプリ「Monac」 #abc2011s」に変更。

【情報元、参考リンク】
Android Market/Monac

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